2015 年5 月16 日

金沢ミステリ倶楽部

最近ご無沙汰でした。
2014年度の活動内容は逆順ですが、以下の通りです。

3/14 80 ビブリオバトル
2/21 79 三つの棺
1/17 78 今年のベストミステリ
12/20 77 「達也が嗤う」「薔薇荘殺人事件」
11/15 76 有栖川・島田両先生について
10/11 75 学生アリス4長編
9/20 74 女王国の城
8/23 73 双頭の悪魔
7/19 72 孤島パズル
6/21 71 ダブリン事件
5/17 70 月光ゲーム
4/19 69 会報合評

2015年度の活動予定は、以下の通りです。

4/11 81 臨時戸川さん親子と 
4/18 82 会誌合評
5/16 83 国選ペテン師千住庸介
5/31 84 臨時光原百合さんと
6/20 85短編合評
7/18 86長編合評
8/22 87短編合評
9/19 88長編合評
10/24? 89合評
11/21 90長編合評
12/19 91短編合評
1/16 92今年のペストミステリ+短編
2/20 93長編合評
3/19 94ビブリオバトル&打ち上げ

会の活動については、
原則例会は月一回、第三土曜日 13:30〜
内容は、
・近況報告:会員の最近読んだ本・おすすめ本など紹介。
・あらかじめ決めた本の合評…隔月で長編についてレジメを作ってきて感想を話し合う。なるべく文庫で入手可能な物。
・短編ミステリをその場で読んで合評…上記の長編と別の月に
・リレー小説・創作も。
・年1回、会誌を出しています。
・会誌を作るために年会費1000円を集めています。

入会資格は
ミステリが好きなことと、50歳未満であること。

公式HPはeまちタウンにあります。
http://www.emachi.co.jp/circle/tc00006077/

質問、見学希望、入会希望は
kei2@muh.biglobe.ne.jp
までメールをください。

上記通常の活動以外に謎屋珈琲店とコラボしたイベントを開催しています。
5/12(火) 19時〜 謎屋deビブリオバトル
6/23(火) 19時〜 謎屋deフーダニット

投稿者:keita2at 08 :39 | お知らせ | コメント(0 )

2014 年10 月9 日

10/11有栖川有栖さんの講演会in石川県立図書館

10月11日に有栖川有栖さんの講演会が石川県立図書館であります。
有栖川さんは本格ミステリの第一人者。
『月光ゲーム』でデビューして、
次々とミステリの傑作を世に送り出してきました。
講演のテーマは「ミステリーと怪談・落語」。
ミステリーが好きでない人も、楽しめるのではないでしょうか。


http://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/gyouji/2014/20141011/20141011.html

投稿者:keita2at 07 :42 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2013 年5 月6 日

第4回ビブリオバトル

今全国で話題のビブリオバトルが石川県立図書館で開催されます。

5月19日(日)14時からで、テーマは「おいしい本」です。
発表者を募集しているそうです。

http://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/gyouji/2013/20130519/20130519.html


投稿者:keita2at 21 :48 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年7 月10 日

ビブリオバトルin石川県立図書館

ビブリオバトルin石川県立図書館が7月29日(日)14時〜15時半に開催されます。

ビブリオバトルは2007年に京都大学研究室の輪読会から生まれたものです。
自分のおすすめ本を5分間紹介して、参加者から2分ほど質疑応答があります。
それを5〜6人が繰り返します。
最後に参加した人たちで、一番読みたくなった本に手をあげて
「チャンプ本」を決定するというイベントです。

本好きにはとても楽しいイベントだと思います。

http://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/gyouji/2012/20120729/20120729.html

投稿者:keita2at 07 :01 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月24 日

綾辻さんと有栖川さんの連名のサイン本

うつのみやで綾辻行人さんと有栖川有栖さんの『ミュージックジョッキー3』のサイン本をゲットしました。
お二人の連名のサインです。
うつのみやでは時々サイン本を売っています。
東京とかではかなりの頻度でサイン本が入手できると思いますが、
金沢ではなかなか手に入らないので、うれしかったです。

投稿者:keita2at 06 :44 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月22 日

最近読んだ本

金沢ミステリ倶楽部の例会であげられた最近読んだ本です。
最初に近況報告で、こんな本を読んだとか、このドラマを見ているとか語ります。
そこであげられた本を次読む本の参考にすることがあって、
『ユリゴコロ』と『アルバトロスははばたかない』はひとつのブームになりました。

『さよならドビュッシー』『少女には向かない職業』『看守眼』
『アリスミラー城殺人事件』『ギロチン城殺人事件』『瑠璃城殺人事件』上遠野浩平の事件シリーズ
『ベルリン飛行指令』『使命と魂のリミット』
『アルバトロスははばたかない』『団十郎切腹事件』『別冊黒い画集』『マスカレードホテル』『邪馬台国はどこですか』
『犯罪』『罪悪』『ビブリオ古書堂の事件帖』
近藤史恵の掃除人キリコシリーズ
『密室殺人ゲームマニアックス』『天使が開けた密室』『まもなく電車が出現します』『水没ピアノ』『シンフォニック・ロスト
『ユリゴコロ』『約束』
『母の遺産』
『迷走パズル』『鋼鉄都市』『幽女の如き怨むもの』『ロープとリングの事件』『サイモン・アークの事件簿3』


投稿者:keita2at 06 :29 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(1 )

2012 年5 月21 日

マニアックな本棚

ミステリ晩餐会の写真は終わりましたが、男の手料理を披露してくれたHさんのマニアックな本棚です。
ディクスン・カーの原書やら、探偵小説の貴重書など、並んでいます。





しかしこれは膨大なコレクションの一部でしかないのです。
もしも泥棒が入ってこれらの本が盗まれたら、
今回の参加者以外いないだろうという話になりました。


投稿者:keita2at 10 :14 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(2 )

2012 年5 月20 日

豚ばらロール

ミステリ晩餐会、最後の逸品は豚ばらロールです。

味がしっかりしみていて、ビールが進みました。
男の手料理でここまで作れるのはうらやましいです。
次回の開催が楽しみです。

金沢ミステリ倶楽部では「スイーツ例会」も企画にあり、
ミステリと違う方向に走ってない、
っていう意見もあったりして。

でも月一回の合評会は真面目に開催しているので
そこはそれ。

投稿者:keita2at 06 :46 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(3 )

2012 年5 月19 日

ゴアンプロウンとサフランライス

ゴアンプロウンとサフランライスです。
男の手料理をごちそうになりました。
ミステリ倶楽部の晩餐会でした。

ぴりっと辛くて、ビールが進みました。
簡単に言えば、エビカレー、かな。

投稿者:keita2at 06 :13 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月17 日

手羽元の黒酢仕上

ミステリな晩餐会の続きです。
男の手料理「手羽元の黒酢仕上」です。

甘めに仕上がっていますが、ビールに合います。

投稿者:keita2at 09 :10 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月15 日

若鶏のボンベイ風

ミステリ晩餐会の男の手料理「若鶏のボンベイ風」です。
サフランライスと一緒に食べました。
カレーなのです。

投稿者:keita2at 23 :41 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

真鯛のアクアパッツァ


金沢ミステリ倶楽部ホームパーティの一品
「真鯛のアクアパッツァ」です。
当日近江町で買ってきた新鮮な鯛が使われています。

投稿者:keita2at 07 :59 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月14 日

ホームパーティ

金沢ミステリ倶楽部公認のホームパーティが開催されました。
主催者の男の手料理を食べようという会です。
ミステリに出てくるレシピで、かと思いましたが、
オーブンがないとのことで、普通に手料理でした。
参加者は主催者プラス5名。


追記をみる

投稿者:keita2at 06 :45 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月10 日

ミステリに登場するレシピ

ミステリを読んでいると、おいしそうな料理が出てくることがあります。
そんなミステリに出てくる料理のレシピを巻末に載せている本があったり、
クリスティのミステリに出てくる料理のレシピを集めた本があったりします。
というわけで、金沢ミステリ倶楽部のメンバーのある男性が海外ミステリに出てくる料理を作り。メンバーでホームパーティを行うことになりました。
ミステリクラブでのパーティなので、もしかして事件が起こるかもしれませんね……。
料理は写真を撮って載せたいと思います。

投稿者:keita2at 05 :56 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月8 日

黒後家蜘蛛の会の贋作ゲーム

アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』を合評しますが、
ネットで検索していたら、贋作のゲームがありました。
フリーソフトで、贋作ノベルゲームを作ろうということから完成したようです。
黒後家のメンバーがイラストとして登場するので
面白そうです。

http://www.geocities.jp/kgtzzz/kurogoke/

投稿者:keita2at 06 :52 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年5 月3 日

黒後家蜘蛛の会

今月の金沢ミステリ倶楽部の合評会はアイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』です。
SFで有名なアシモフの書いたミステリ短編集で、創元推理文庫で5冊まで出ています。

内容は、ニューヨークのミラノ・レストランで月1回、「黒後家蜘蛛の会」という名の例会が行われます。
メンバーは
ジェフリー・アヴァロン(特許弁護士)
トーマス・トランブル(暗号専門家)
イマニュエル・ルービン(作家)
ジェイムズ・ドレイク(有機化学者)
マリオ・ゴンザロ(画家)ゲストの似顔絵を描きます。
ロジャー・ホルステッド(数学教師)
の6名で、毎回その中の一人がホストを務め、
そのメンバーが呼んだゲストの話の中に出てくる「謎」をメンバーみんなで解こうとします。
でも最終的に真相にたどりつくのは、いつも給仕のヘンリーでした。

これぞ「日常の謎」ミステリです。
ただ中にはパズルやクイズ的なものもあります。
アシモフの様々の分野に関する膨大な知識からネタが生まれています。

これは公然の秘密ですが、「黒後家蜘蛛の会」で一番面白いのは、
実はアシモフのあとがきです……。

SFミステリの名作『鋼鉄都市』も合評してみてもいいかもしれません。

投稿者:keita2at 16 :57 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月26 日

今年度の予定

金沢ミステリ倶楽部は、金沢で活動する推理小説ファンの会です。
ミステリだからUFOとか、宇宙人とか調べるのかと聞かれることもありますが、
それは違います。
基本推理小説を読んで合評するのがメインです。
しかしその前の近況報告が一番盛り上がっています。
最近読んだ本や、見たドラマ・映画、したゲームなどを各自が語ります。
そこで聞いた中から次読もうと思うこともあり、
いろいろな情報が得られます。

ちなみに今年度の予定です。
次回の予定 5/19  第2回(46)  短編合評『黒後家蜘蛛の会 』(アシモフ)
6/16  第3回(47)  長編合評『 ある閉ざされた雪の山荘で 』(東野圭吾)
7/21  第4回(48)  長編合評『 Xの悲劇 』(エラリー・クイーン) 
8/18  第5回(49)  短編合評
9/15  第6回(50)  長編合評
10/20 第7回(51)  短編合評
11/17 第8回(52)  長編合評
12/15 第9回(53)  短編合評
1/19  第10回(54) 今年のペストミステリ+短編
2/16  第11回(55) 短編合評
3/16  第12回(56) 長編合評&打ち上げ

この予定が時々ツアーや映画鑑賞に変更になります。
打ち上げでは、サイン本やお宝の洋書など放出されたビンゴがあります。
また新年会か忘年会も最近しています。

現在メンバーは大学生から40代に、特別会員を加えて、22名です。


投稿者:keita2at 05 :31 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月24 日

桜散る公園で

4月21日(土)に今年度最初の例会を開催しました。
参加者は9名でした。
3月に発行した会誌の合評会でした。
会誌は12本の創作と、8本のエッセイが入っています。
参加者の作品を中心に話が交わされました。
その際基本的な文章の書き方についても話がされ、
勉強になりました。
例会後、桜散る公園でメンバー差し入れの善光寺の甘酒を
飲みました。
アルコール分はゼロでしたが。
もう一週間早ければ、桜満開でしたね……
次回5月の例会は、アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』の一編を読んで合評します。

投稿者:keita2at 06 :22 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月22 日

東野圭吾のミステリへの愛

東野圭吾はミステリをとても愛している証拠として、『白夜行』の帯に関するエピソードがあります。
『白夜行』の初版の帯には、
「ミステリを超えた畢生の大叙事詩」と書いてありましたが、
次の版以降「ミステ リの枠を広げた」と訂正されています。
これは「ミステリを超えた」では、ミステリがまるで他のジャンルに比べ下に見られていることを証明しているかのようで、
あくまでミステリ作家としてのスタンスを貫き通したい氏には、承伏できかねる宣伝文句であったからです。

投稿者:keita2at 06 :01 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月21 日

東野圭吾作品の映像化

東野圭吾作品は次々とドラマ化・映画化されています。
『プラチナデータ』も嵐のニノで映画化されます。
どうして東野圭吾作品が次々映像化されるか、その理由は?

「原作にとらわれず、動機でも人物設定でも自由に変えてください]と言われていたが、一つだけ変えないでほしいといわれたのが、「トリック」だった。(『容疑者Xの献身』映画プロデューサー)
「映画化を任せた以上私は、監督、脚本家、さらには役者を信じることにしている。誰もがいいものを作ろうとしているはずだからだ。わざわざ面白くないものを作ろうとは誰も思わない。熟考の末、最も面白いと思って作ったストーリーが原作と違っていてもかまわない。むしろそれは望むところだ」(東野圭吾)

作者の柔軟さのおかげなのでしょうか。
あとはもちろん、集客が見込めるからですが。

投稿者:keita2at 07 :57 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月20 日

東野圭吾と本格ミステリ論争

 直木賞を受賞し、当時のミステリの賞を総なめにした東野圭吾の代表作『容疑者Xの献身』は2005年8月末に刊行されました。
 この作品に対して、「
容疑者Xの献身」が本格ミステリか、どうかという「本格ミステリ論争」が起こり、2006年に推理作家、評論家たちが論争を繰り広げました。

ちなみに本格ミステリとは
「主に犯罪に関する難解な謎が、徐々に解かれていく経路の面白さを主眼にした小説」という江戸川乱歩の有名な定義でことたりる。
「経路の論理的な面白さや、作者の詐術や伏線の妙を」と補足してもよい。
(「赤い鳥の囀り」 有栖川有栖 ミステリマガジンno.606)

ところで東野圭吾本人は、「たくさんの勲章をいただいた。本格論争の材料になったようだが、それもまた勲章と考えることにしている。自分としては、本格ミステリかどうかは、読者各自が決めればいいと思う」
とあっさりしたものでした。


投稿者:keita2at 06 :24 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月19 日

金沢ミステリ倶楽部のお知らせ

今週21日(土)13:30から金沢ミステリ倶楽部例会を開催します。
メンバーを募集中で、ミステリが好きで50歳未満の方なら
誰でも大丈夫です。
見学だけでも歓迎しますので、連絡をください。
金沢だけでなく、石川県内、富山・福井の方もOKです。

投稿者:keita2at 18 :55 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

東野圭吾と金沢の「茶房放課後」

東野圭吾のデビュー作で乱歩賞受賞作の『放課後』は、金沢と深い関係があります。
『たぶん最後の御挨拶』のp30に
「小説のタイトルは『放課後』に決まっていた。旅行で金沢へ行った時、駅の近くにそういう名前の喫茶店があったのだ」と書かれています。

昭和50年代の職業別電話帳で調べて「茶房放課後」が此花町にあるということがわかり、地図を調べました。
昭和50年はゲームセンターでしたが、51年には「茶房放課後」となっています。なお60年には工事中になりますが、ここに「放課後」は移動しています。61年の地図まで同じ場所にありましたが、62年の地図になると駐車場になっています。
『放課後』は1985年、昭和60年の作品で、1984年以前に見たということは、きっと東野圭吾は「茶房放課後」を見たのだと思います。
現在この場所には、ライブワンがあります。その「さかもと」という書店に位置に昔「茶房放課後」がありました。

東野圭吾は金沢と何か因縁があるのか、加賀恭一郎は、自己紹介で『加賀100万石の加賀です』と言います。

詳細地図はこちら

投稿者:keita2at 06 :25 | お知らせ | コメント(3 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月17 日

東野圭吾のすべて

いまや出す本、出す本ベストセラーになる東野圭吾について語り合う会をしました。
東野圭吾のファンの人は、東野圭吾をミステリ作家だと思っていなくて、どうして自分の好きな東野圭吾は殺人の話を書くのだろう、と思ってるのだと、ある方が言っておいでました。

2012年2月18日、金沢ミステリ倶楽部第43回例会を行い、メンバーの参加者は10名でした。

東野圭吾は高校生までまったく本を読まない少年でしたが、ミステリファンの姉から小峰元の『アルキメデスは手を汚さない』を渡されて、そこからミステリにはまりました。
次に松本清張の『高校殺人事件』を読むと、高校の時に清張はほとんど読んでしまったそうです。
就職して二年目に、長井彬の『原子炉の蟹』の後ろに乱歩賞の応募要項があることをみつけて、そこから乱歩賞への挑戦が始まりました。
3度目の正直で『放課後』で受賞しました。
この『放課後』というタイトルは金沢に旅行で来た時に、駅前にあった喫茶店の名前からつけたそうで、それがどこにあったのか、調べてみました。
昭和50年の住宅地図には「茶房放課後」という喫茶店が出ていて、現在のライブワンの「はしもと」という本屋の場所にあったことがわかりました。
『放課後』で乱歩賞を受賞したのは良かったのですが、その後出す本出す本、売れなくて、一年間本を出さないことにし、ようやく出したのが『秘密』で、話題になり、映画化もされました。直木賞候補にもなりましたが、落選し、その後『容疑者Xの献身』で受賞するまで5回も落選しました。それには某選考委員の私怨があったそうです。
『容疑者X』は「このミス」など様々なタイトルを総なめで五冠を達成しましたが、『容疑者X』は本格か否かという論争が起きました。
多くの推理作家や書評家を巻き込んで論争されましたが、東野圭吾は「それも勲章。本格かどうかは読者が決めればいい」と涼しい顔でした。
「このミス2005」のインタビューで
「「東野圭吾」という名前を信頼できるブランドにしたい。別に大ブームにならなくてもいいから、「こいつの小説を買っときゃ損はしないだろう」という信頼性を勝ちとりたいなと思っています」と語っていましたが、それ以来ずっと東野圭吾ブームは今でも続いています。

投稿者:keita2at 14 :47 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月16 日

2011年のベスト

2011年のベストミステリということで、2011年に読んだミステリ・コミック、見た映画・ドラマ、やったゲームなどそれぞれのメンバーのおすすめ作品をあげて話しました。
2012年1月21日第42回例会で、参加者は15人でした。
それぞれコメントもあったのですが、タイトルだけ羅列します。

『鍵のかかった部屋』 貴志祐介

「幽霊妻」 大阪圭吉

『狐火の家』 貴志祐介

『長い廊下のある家』 有栖川有栖

「邪馬台国はどこですか」 鯨統一郎

『ゴーグル男の怪』 (ドラマ)島田荘司

『絹靴下殺人事件』 アントニーバークリー

『貴族探偵』 麻耶雄嵩

『谷崎潤一郎犯罪小説集』

『モーツアルトの子守唄』 鮎川哲也 

『空飛ぶ馬』 北村薫

『ビブリア古書堂の事件手帖ー栞子さんと奇妙な客人たち』 三上延

『春期限定いちごタルト事件』 米澤穂信

『少女たちの羅針盤』 水生大海

『ビブリア古書堂の事件手帖2栞子さんと謎めく日常』 三上延 

『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

『世界は密室でできている。』 舞城王太郎

『エンドレス・ガーデン』 片理誠

『ウエディングドレス』 黒田研二

『黒い仏』 殊能将之

『フリッカー式』 佐藤友哉

『密閉教室』 法月綸太郎

『この闇と光』 服部まゆみ

『貴族探偵』 麻耶雄嵩 

処刑人??(DVD)

幻夜(DVD)

『インザプール』&『ララピボ』

ミタさん(ドラマ)

インセプション(DVD)

谷崎精二のポオ小説全集

創元文庫のカーもの5点(死時計、緑のカプセル、殺人者と恐喝者、幽霊屋敷、帽子蒐集狂)の読み返し、乱歩作品拾い読み(魔術師、吸血鬼、初期作品数点)

森英俊訳の『これが密室だ』(新樹社・1997年)

『更年期少女』『孤虫症』 真梨幸子

『ふたり狂い』 真梨幸子

『ルームメイト』 今邑彩

『謎解きはディナーのあとで』 東川篤哉

『二流小説家』 デイヴィッド・ゴードン

『卵をめぐる祖父の戦争』デイヴィッド・ベニオフ

『毒入りチョコレート事件』 アントニイ・バークリー

『小説作法』 スティーヴン・キング

『乱れからくり』 泡坂妻夫

『三狂人』 大阪圭吉

『本棚探偵の生還』 喜国雅彦

『贖罪』 湊かなえ

『少女たちの羅針盤』 水生大海

『鞄図書館』 芳崎せいむ

『ユリゴコロ』

『痺れる』

『彼女がその名をしらない鳥たち』

『9月が永遠に続けば』

野崎まど『(映)アムリタ』

湊かなえさんの『花の鎖』

「相棒9」「新9係」「ハンチョウ」「科捜研の女」「美しい隣人」「ジウ」「家政婦のミタ」

「砂の器」映画「アンフェア」「八日目の蝉」「探偵はBARにいる」「ステキな金縛り」「SP」2作

ゲームの「トレジャーリポート」

アニメ版の「カイジ」 

池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』

池井戸潤 『下町ロケット』…WOWOWドラマ版

西尾維新 『化物語』

奥田英郎 『ララピポ』

今野敏  『果断 隠蔽捜査2』

有川浩  『クジラの彼』

東野圭吾 『夜明けの街で』

桜庭一樹 『私の男』

司馬遼太郎『燃えよ剣』

京極夏彦 『ルーガルー』

アニメ  「涼宮ハルヒの憂鬱」

奈須きのこ『空の境界』

吉田修一 『悪人』

北側歩美 『金のゆりかご』

有栖川有栖の『山伏地蔵坊の放浪』

『ビブリア古書店の事件貼』 三上延

『ビブリア古書店の事件貼2』 三上延

『写楽閉じた国の幻』 島田荘司

『ゴーグル男の怪』 島田荘司

『青年のための読書クラブ』 桜庭一樹

『完全恋愛』 牧薩次

『葉隠三百年の陰謀』 井沢元彦

『ドS刑事』 七尾与史

『卵をめぐる祖父の戦争』 デイヴィッド・ベニオフ

『二流小説』 デイヴィッド・ゴードン

映像作品は「少女たちの羅針盤」と、「少女には向かない職業」

PD・ジェイムズの『女には向かない職業』 

『民宿雪国』 (樋口毅宏 祥伝社)

『ユリゴコロ』(沼田まほかる 双葉社)

『七つの海を照らす星』(七河迦南東京創元社)

『刑事コロンボ 完全捜査記録』(宝島社文庫)

映画「恋の罪」(監督/園子温)

映画「悪魔を見た」( 監督/キム・ジウン)

映画「アウトレイジ」(監督/北野武)

映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」(監督/バンクシー)

映画「今度は愛妻家」(監督/行定勲)

ドラマ「相棒」

飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』

古野まほろ『天帝のあまかける墓姫』

歌野晶午『密室殺人ゲーム マニアックス』

ジョンスラデック『見えないグリーン』

ジェフリーディーヴァー『ウォッチメイカー』

東野圭吾『容疑者Xの献身』

東川篤哉『放課後はミステリーとともに』

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』

七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』

依井貴裕『夜想曲』

小野不由美先生の「ゴーストハント」

『折れた竜骨』 米澤穂信

『ユリゴコロ』 沼田まほかる

『名探偵に薔薇を』 城平京

『雪が降る』(藤原伊織)

『連続殺人鬼カエル男』(中山七里)

『さよならドビュッシー』(中山七里)

 『ゲームの名は誘拐』(東野圭吾)

『セカンド・ラブ』(乾くるみ)

戸板康二の中村雅楽シリーズ。

都筑道夫『雪崩連太郎全集』

渡辺温 「父を失ふ話」、「可哀相な姉」。

夢野久作「いなか、の、じけん」。

ヘレン・マクロイ 『割れたひづめ』『歌うダイアモンド』 

『アルバトロスは羽ばたかない』(七河迦南)

『丸太町ルヴォワール』(円居挽)

『マスカレードホテル』(東野圭吾)

『開かせていただき光栄です』(皆川博子)

『二流小説家』(デイヴィッド・ゴードン)

『スイス時計の謎』(有栖川有栖)

『放課後探偵団』

『結末のない事件』(レオ・ブルース)

『フライアーズ・パードン館の謎』(フィリップ・マクドナルド)

『太陽黒点』(山田風太郎)

『ゼロの焦点』(松本清張)


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2012 年4 月15 日

おしゃべりサロン「乱歩の時代の挿絵師たち」

平野氏によるおしゃべりサロン「乱歩の時代の挿絵師たち」を第41回例会としました。なお竹中英太郎が名付け親で金沢に嫁に来たという方がいらしていて、参加者一同仰天しました。すごいサプライズでした。(2011年12月17日)

投稿者:keita2at 06 :15 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月13 日

能登ミステリツアー

石川県のミステリファンとしては、松本清張の『ゼロの焦点』の舞台となった「ヤセの断崖」を見なければならないだろう、ということで、能登ミステリーツアーを企画しました。それに穴水での牡蠣フルコースをセットにしました。

11月19日第40回例会として開催し、参加者は4名でした。

能登ミステリツアーは、2年前の構想では「コスモアイル羽咋」と押水の「モーゼの墓」を加えていたのですが、「コスモアイル羽咋」は入館料のわりには…、「モーゼの墓」はたどり着くまでがたいへん、というご意見をいただき、外してしまいました。
さて車で金沢を9時に出発すると、下道を通って一路「ヤセの断崖」に向かいました。あいにく雨が降っていましたが、道中の紅葉はとてもきれいでした。
11時過ぎには「ヤセの断崖」の駐車場に着き、地震後整備されたと思われる通路を歩いていくとヤセの断崖に着きました。柵があって、最初左手向こう側に見える崖が「ヤセの断崖」かと思いました。実際アベックが向こう側の崖をバックに写真撮影をしていました。やがてNさんが到着すると、柵より先が「ヤセの断崖」らしいとわかりました。
柵の向こうに行かないのが鑑賞マナーであるとの看板があり、残念ながら行けないと思いましたが、女性お二人はチャレンジャーで、(以下省略)。看板に書かれたことは守りました、(と報告には書いておこう)。記念撮影をしましたが、実はもっと笑える写真が(自粛)。
辻口シェフのケーキよりおいしいとNさんが友人から聞いたケーキ店「シュクレ・ブラージュ」に行きました。
ケーキ店「シュクレ・ブラージュ」は、かわいらしいケーキが多く、お客さんが次々と来ていました。
Nさんとお別れすると、Dさん車先導の元、穴水の「もりそば」に向かいました。途中工事のため道路を完全に封鎖していて「もりそば」にたどり着けないかと思いましたが、迂回路があり、13時10分頃には到着しました。
座敷で牡蠣を焼ける炭火のいろり?があり、各自ザルみたいな入れ物に盛られた牡蠣を焼きました。牡蠣は焼けると口を開け、手袋をしてナイフでさらにこじ開けて食べますが、熱い汁が手袋を通して手について熱かったです。問題は、焼けていても開かない牡蠣もあり、無理矢理こじ開けるとすでに焦げていることがありました。牡蠣は焼きたてで、おいしかったです。まほかるとドラマの話が交わされている中、あっという間に男性陣の牡蠣はなくなっていました。能登ワインはなかったのですが、日本酒はありました。焼き牡蠣の他には、もずく、牡蠣めし、そば、たくあんが出ました。満腹でした。
来年は香箱蟹ツアーとか、氷見とれたて魚ツアーとかがいいという話が出ました。そうなるともはやミステリ倶楽部ではなく、グルメ倶楽部ですが…。日帰りでは酒が飲めないので、合宿という話もあり、富山の船でしか渡れない宿に合宿したらいいという話が出ました。ミステリ倶楽部が船でしか渡れない宿で合宿したら必ず事件が起こるはずです。
ご参加いただきました皆さん、有難うございました。
なお、帰宅して「シュクレ・ブラージュ」のモンブランとロールケーキを食べましたが、クリームがとろける、とろける、おいしかったです。金沢のおすすめのケーキ店番外に載せたいく
らいでした。


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2012 年4 月9 日

緑のカプセルの謎

不可能犯罪の巨匠ディクスン・カーの『緑のカプセルの謎』を読みました。不可能犯罪というより、心理トリックを扱った探偵小説です。
2011年10月15日、第39回例会で合評し、参加者は8名でした。

◆合評「緑のカプセルの謎」(ディクスン・カー)(文責H)
今回は、1930年代のカー作品を選択して、皆さんに読んでいただくことにしましたが、読後の感想はいろいろ伺うことができて、担当者としてもうれしかったです。
さて、読み合わせの対象は、ディクスン・カーの「緑のカプセルの謎」です。
みなさんカーの長編を読む機会は少ないという事で、それぞれの理由を挙げていらっしゃいました。まずは、「長いし、事件が一つなので、チョウめんどい」というご意見や、「外人の名前ばかりが出てくるので、すじが分からなくなっちゃうんじゃないかな」というご意見。このあたりが今風でないところで、昨今のミステリー界の共通の「翻訳ものは受けない」世評を映し出していると思われました。
しかし、今回の皆さんからは、外人の名前系のマイナス意見は、「初めはそうだったけど・・・」という但し書き付きでした。登場人物が多くないことや、話の筋が素直な流れで、あちらこちら飛んだり戻ったりという流れになっていなかったので読みやすかった、というご意見に集約されましたので、担当者としては一安心といったところでした。
作品についての感想は、「時代を感じることはなく、よくまとまっている」や、「謎が提示されて、それを解いていく形になっている」といった、カー作品をお褒めいただくコメントが多かったので、これまた安堵するところでした。
また、本作は、カーの代名詞でもある「密室殺人」ではなく、
どちらかといえば地味な仕上がりの「心理トリック」ものでしたので、そのあたりが皆さんにどう受け止められるか、というところが気になっていましたが、おおむねそういう点のご指摘はなく、これまた無事通過という感じ。安どのため息が続きます。
会合は、ディクスン・カーのその他の作品を読んだ人の意見を募るところになり、皆さんからいろいろなご意見が出てきました。
「カーは、いろいろな知識を埋め込んでいくので、長編は長い感じを受ける。だから短編の方が好きだな〜。」
「この本にも出てくるけれど、途中で知識の披露(密室の講義だったり、ここでは毒殺の講義だったり)があるので、カーという人は知識が深いんだね。」
「クイーンは、謎ときに集中していくけれど、カーは、もっと読み物的な文章も加えてるよね。」
「作中の人物では、ハウスキーパー的な存在の人たちに対しては、やけにあっさりとしか触れていない。もう少し描写があってもいいんじゃないの。」
などなど。皆さん幅の広い視点からのご指摘です。特に最後に挙げましたコメントは、若い年齢のメンバーからで、やはり時代の違いがあるのでは、という感慨を受けた次第です。よく、黄金時代ミステリー(クィーンやクリスティの活躍していたころを、こういう表現でまとめることが多くあるので)は、今の作品から比べると、確かに職業的な身分蔑視の傾向があるようで、おおむね「家の家政婦や調理人、ホテルの従業員などは目に触れない存在」というひとまとめの対象にしていることが多いようです。よって、有名なミステリー定義の中にも表れる、「女中たちは犯人になりえない」といった定義内容の必然になっていたのでしょう。ハウスキーパーなどの雇い人の意見など、警察も探偵も気にもしないんだ、といった具合ですね。こういう懐かしい知識の披露も、30年代作品を読んでいく場合なればこそ、と思った次第です。今ではテレビドラマでも「家政婦は見た」という視点が作品テーマになっている時代ですからね。

投稿者:keita2at 18 :01 | その他 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月8 日

三本指の男

以前ATGの「本陣殺人事件」を見ましたが、
それ以前の片岡千恵蔵が背広姿の金田一耕助を演じた「三本指の男」を見ました。

9月17日金沢ミステリ倶楽部第38回例会を開催し、参加者は10名でした。

●途中寝てしまった。○○を忘れていた。
●中尾彬の「本陣殺人事件」を前回観なかったが、何十年前かに深夜番組で観た。古文書の文章の続きがどうしてわかったのか不思議。原節子、きれいだった。寝ているのに眼鏡をしていた。杉村春子は若いのか年寄りなのかわからなかった。後半いらないかも。
●『本陣殺人事件』を読んだが、名前と顔が一致しなかっ
た。○○にビックリした。ラストあっけにとられているうちに終
ってしまった。
●○○○が変装してたのにビックリした。廊下での飛ばしあいに笑った。原節子すごいと思った。あまりおどろおどろしく
なかった。
●○○○、こんなのもありかと思った。二人死んでいるのにみんなあっさりしている。おばさんだけががっかりしていた。
●中尾彬の現代版には違和感を覚えたが、より横溝正史らしい感じがした。着物ではないけど、片岡千恵蔵の金田一はより金田一らしい気がした。賢蔵の内面が描かれていて、自殺の推理が理解できた。○○○○にあら、と思った。
●雪降ってないくらいで「本陣」らしいと思った。コトジとか証拠を素手で掴むんじゃないと思った。眼鏡の人の髪型がどうなっているのか不思議だった。犯人が何をしたかったのかわからない。○○○○○。廊下で投げるシーンが面白かった。○○○の変装にビックリした。
●片岡千恵蔵が6本も金田一の映画を作っているのを知らなかった。途中で寝てしまったが、クライマックスは目が覚めた。横溝風が出ていた。昔の映画は大スター中心でカメラを回すので、片岡、原のアップが多かった。現場の家がセットでもしっかり作ってあった。懐かしい雰囲気だった。宮口精二が相変わらず渋かった。
●前回は中尾彬のジージャンで、今回は片岡のスーツでビックリした。最後廊下のシーンが笑いそうだったが、他の人は笑ってなかったのでこらえるのがたいへんだった。巴投げがすごかった。警察官が弱すぎ。原作が記憶から消えてしまった。
●○○○が変装しているとは思わずビックリした。凶器を運ぶシーンが忠実に再現されていて良かったが、金田一がこれは自殺ではないと断定したのがよくわからなかった。
● ○○○。(結末について示唆にとむご意見)
ちなみに好きな金田一耕助の俳優を聞いたところ、石坂浩二7
票、古谷一行1票でした。石坂浩二も古谷一行も観たことないメンバーが数人いて、「若いねぇ」との声が

投稿者:keita2at 18 :14 | その他 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年4 月7 日

仮面舞踏会

栗本薫さんといえばグインサーガシリーズで有名ですが、
名探偵伊集院大介が活躍するミステリもマニアックな人気があります。
その伊集院探偵が活躍する『仮面舞踏会』を合評しました。
合評したのは、2011年8月20日金沢ミステリ倶楽部第37回例会で、参加者は14名でした。


この作品を提案したのは、現在のネット社会について当時としてはかなり早く取り上げた作品であり、伊集院大介という名探偵を知っていただくにはちょうどいい作品かと思った次第でありました。
栗本女史は謎解きや理論よりも、その文体や雰囲気を中心に描いていました。したがって、本格好きな方にはかなり不満の残る作品であったかもしれません。しかしながら、広義のミステリとしては、伊集院大介という絶対的な名探偵が解決していく過程を見るのは、まるで水戸黄門(笑)を見ているようで、大変に心惹かれる作品だと思うのは私だけだったでしょうか。後味はともかくとして。
○パソコンの2chをみている。人の悪口しかない。あまりいい印象がない。ウンチクの印象が強い。拒食症の患者さんはすごい。したがってこの話は有りうると思う。(人のせいにするな
ど)伊集院大介の博識はすごい。
○久しぶりに(この本を)読んだ。パソコン通信の初期の雰囲気がいい。ヲタク自身から自分の事を書いているのがむずがゆい。この事件はどう収束するのだろう(この小説の後日談的に)と感じた。大介のイメージは秀才でひょろっとしたイメージ。稔クンからのイメージは感情が爆発するような感じをうけた。
○チャットは楽しいけどやめられます(ご自分の体験談も交えて)。やめた方がいいです。大介は普通の探偵の感じがした。ぶっちゃけ解説がウザイ。
○この作品は初めて読んだ。ヲタクという表現…(すいません記憶がありません)。チャットの速度感を感じていた。昔は「相手は誰だろう」という外へ向かう感情でネットをしていたのだが、いまは「私は○○です」と内向きの感じでネットが進んでいる。歌野正午「密室殺人ゲーム」など現実とネットの二重構造を書いた作品もある。
○二人のヲタクの会話でつまずいた(面白くなかったってことですか(´;ω;`)…しかし)夫は伊集院大介に感心した。
○ヲタクの人たちはまめなんだろうか?(このミステリは)言葉だけで事件が解決してしまった。言葉のマジックをみているようだ。
○空想と現実の区別がつかない状況での殺人。いまよくある犯罪だといえばそうかも。一人しか殺されないので、そういう意味でも姫はいったいどうなったのか。つかみどころのない感じ
がする。
○読んだのは二回目。どうして稔君はダフネがいいとおもったのかな?ちょっとおかしい人を感じたのか?ぶっちゃけ何この気味悪いヲタク!と感じた。なんだろう?この世界は。主人
公とか周りの人が伊集院を讃えるのは栗本の手法かな。
○絶版で手に入れられず読めなかった。みんなの話を聞いて読みたくなった
○栗本さんのミステリは初めてかも。パソコン通信とはなんぞや。フロッピーディスクに(データを)落とした時点でついてはいけないかも(技術が古すぎて)。(伊集院は)ネットの状況だけでいろいろと決めつけていいのか?黒幕が○○として、主人公がその決着をつけないままなのはいかがなものか。
○栗本は天狼星でやめた。チャットで相手に感情移入してしまう。自分が手を下さずに殺人(自殺なのかもしれないが)というのは面白い。チャットで皆を集めて「さて」と言い。
○解決していないと思う。伏線が貼られていたはずなのに多くがそのまま残されている。ダフネさんは途中から別人のようになっている。別人オチかと思ったらそうではなかった。心理分析をされる手管がちょっと苦手。ロジックやトリックを解いて欲
しい。
○あんまり説得力がなかった。どろどろしたものも好きじゃない。ミステリなんだから、証拠とかなんとかあって解決だと思うけれど、よくわからないまま終わった。
以上…、あ、かなり批判的な意見が多く、担当者としてはかなり気まずい。あえて言うならば、前述もしたけれど、ミステリのなかに水戸黄門的なものがたまにあってもいいじゃないですか、と言う感じです。伊集院が解決していく様、ある意味ウザイですが、それはまあ、西洋のミステリにもあることなので、よしとしてください。読後感が悪いのは否定しませんが、伊集院が登場することはそもそも、まるでウルトラマンが登場して怪獣を退治するのに近いものがあるのだと、割り切って読むと、かなり楽しめます。
うーん、苦しい。
最後に伊集院シリーズはそのほとんどが本格ではありません。また人間の暗いところを描くものがほとんどです。つまり、現実に起こりうるかもしれない事件を書いているのかもしれません。
現実の殺人はその全てが暗く、後味が悪いものです。西洋のミステリ、特に本格ものは非現実な世界を描き、社会派は警察組織を、あるいは犯罪組織を描いてきました。伊集院は我々にだって起こるかもしれない、日常の事件を見せてくれているのかもしれません。
(といろいろ弁護してみました 文責 A・K)


投稿者:keita2at 09 :00 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年3 月29 日

映画「本陣殺人事件」

ATG製作の横溝正史の「本陣殺人事件」を観ました。
ATGの「本陣殺人事件」は1975年の映画で、
中尾彬が金田一耕助を演じています。
監督は高林陽一です。

2011年7月16日に第36回例会を開催しました。
参加者は10名でした。
見終わった後一人一人簡単に感想をお聞きしました。
◆こんなファッションの金田一なんだと思った。
トリックを映像で見るとわかりやすかった。
琴爪で指紋が残っていてすぐわかるだろう。
切った手で何をしたのか?(←指紋を残した)
◆わかってからひっぱるひっぱる。
解決してから30分ほど続く。
◆原作を2年前に読んだが、全く覚えていなかった。
犯人もトリックも。原作に忠実なんですね。
◆スマートな金田一だった。
三郎が背中を切ったのをどうやったのか、
何度読んでもわからない。指紋でばれそう。
横溝正史で機械密室物はこれくらいだと思う。
面白いし珍しい。映画ひっぱりすぎ。
◆懐かしい感じ。金田一は石坂、古谷のイメージがあった。
それらは生首が飛び出すなどビックリさせる演出だったが、
「本陣」はおとなしめだった。すーちゃんの顔が一番恐かった。
◆角川映画のイメージが強く、作り方が違う。
原作を読んでいまいちトリックがわからなかったが、
映像で見るとわかった。ただむずかしくて、
ちょっと何かがうまくいかないとうまくいかないトリックだと思った。
三郎が喜々として手伝っているのが不自然。
小説から省略されているからか。
◆原作、視覚的に見るとよくわかった。
やはりすーちゃんが恐かった。
三郎の本棚が原作を読んで期待して見たが、普通の本棚だった。
◆はじめて見た。中尾彬が若い。
小説は時間の制約がないが、映画は時間の制約があるので、省略されているのはしかたない。
映像の宿命。映画としてがんばっていた。
スタッフが原作に惚れて作ったという感じ。
◆原作は長編というより長めの中編なので、よく引き延ば
せたと思う。
ドラマ化したら1時間くらいになりそう。
機械的トリックは映像化すると面白い。
映画であまり「殺人事件」というのはないので「本陣殺人事件」というタイトルが映画らしくない。
「三本指の男」の方が映画らしいタイトルだ。
◆昔劇場で観た時、入場するとちょうどトリック解明部分でビックリした。
機械トリックは映像で見ると面白い。
『斜め屋敷の犯罪』も映画化してほしい。(←CGになりそう)

投稿者:keita2at 07 :08 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年3 月26 日

毒入りチョコレート事件

アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』は
多重推理物の先駆的なミステリです。
6月18日に金沢ミステリ倶楽部の第35回例会報告を開催し、
『毒入りチョコレート事件』を合評しました。
参加者は11名+見学2名+中学生1名。

◆34年ほど前に購入して読んだが、内容を忘れていて再読した。
わかりづらい。読みづらい。最初の100ページ難航した。
バークリーは昔『毒チョコ』くらいしか訳されていなくて、それを読んで「つまらない作家」だと思っていた。
しかし最近バタバタ翻訳され、見直されてきた。『絹靴下殺人事件』はシェリンガムが活躍するミステリで、CSIのドラマにしてもいいくらいストーリー展開も速い。
バークリーは面白いと思った。
『毒チョコ』の6人6通りの解決というのは、必ずこれという真相ではないので、面白い。
◆最初なかなか入っていけなかった。
推理に入るといろんな展開があり、楽しめた。
イギリスは紳士淑女だが、意外な裏が暴かれていくのに惹きつけられた。
6人の推理を表にしないとと思ったら、最後に表が出てきた。
ラストの予想はついたが、グレーな部分を残して終ったのが良かった。
◆外国の翻訳物をあまり読まないので、頭に入らなかった。
1人1人の推理が面白く、まさかの結末だった。
もう何年かしてもう1回読みたい。バークリーの違う作品も読んでみたい。
◆外国人の名前が難しい。ダマーズがかっこいいと思った。
いつの時代でも「男はしょうもない、女はこわい」と感じた。
◆「偶然は裁く」を先に読んでいた。その短編の解答のままで良いと思う。
昔『金田一さん、あなたの推理は間違いだらけ』というあら探しの本がヒットしたが、視点を変えるとこんな解答、あんな解答が出てくるというのが面白いと思った。
しかしやはり短編の方がすっきりする、と思う。
しかし『毒チョコ』のラストがさえないおじさんがみんなをギャフンと言わせるのが面白い。(←コロンボに通じる)
◆1回目読んだ時はそんなに真新しいとは思わなかった。
『ジャンピングジェニー』を読んで、シェリンガムのあまりにも探偵らしくない行動に、どうかしてると思った。
その後『毒チョコ』の2回目を読むと、やはりシェリンガム、へんだと思った。
実在の犯罪事件を取り入れているので、細かい注釈があったらいいと思った。
◆ミステリを書く時、解決を決めて、手掛かりを用意して、どう論理展開させ、説得力を持たせるかと考えるが、
『毒チョコ』はあまり説得力がなかった。
そのわりにまわりがそうだと納得するのが笑えた。ブラッドレーが自分を犯人と推理するのも面白かった。
最初に手掛かりがかいてあれば良かった。
(当時のミステリは後から手掛かりを書く。それが特にクイーン以降フェアに書くようになった)
◆外国人の人物がわからない。息抜きしないと読めなかった。
探偵が「これだけ楽しませてくれた犯人に乾杯」と言うが、頭おかしいと思った。
登場人物達が何か言われるとすぐカチンと来るので、心が狭い、人間的に小さいと思った。
実際の犯罪事件の犯人に喩えた文が出てくるがわからなかった。
◆新しい手掛かりが次々出てくる。『聯愁殺』(西澤保彦)もそんな感じだが、最後は違った。
◆バークリーは初めて読んだが、複雑ですぐついていけなかった。
犯罪研究会の人が自分が犯人だという推理が面白かった。
犯人はどうなったのかと思った。
◆ロジャーの立ち位置がわからない。手掛かりが少ない。
スピーチ口調で書かれているのでわかりにくい。
結局犯人は誰か、謎とは何なのかを書いている。
◆特定のクラブを作って所属するのは外国でよくある。
メンバーを互いに批判しながらいる。(金沢ミステリ倶楽部は…)こういう終わり方は余韻があって、1930〜40年代当時いくつかの作品にも見られる。
◆『ピカデリーの殺人』でチタウィックが解決してと書かれているので、ブランドなどの別解答は書かれているが、この結末がバークリーの意図した結末。
『第二の銃声』にダマースの名前が出てきて、ブラッドレーは登場する。
『毒チョコ』だけ読むと、シェリンガムのことがよくわからないが、他の作品を読めばシェリンガムはバークリーの作った名探偵ならぬ迷探偵であることがわかる。
それまでのミステリでは神のごとき名探偵が手かがりを元に事件を解決するが、それが本当に唯一の正解なのか?ということから生まれた多重解決(推理)ミステリの先駆的な作品で最近のミステリ(たとえば古野まほろ)に対しての影響が大きい。
『毒入りチョコレート事件』はもしかしたらバークリーの最初に読むべきミステリではないかもしれません。
基本的に出版された順番に読むと、シェリンガムの名(迷)探偵ぶりと、バークリーの考え抜いたプロットのミステリを楽しめます。
バークリーは探偵小説を書きながら、その中で探偵小説の批判をしたと言えます。
『毒チョコ』以外の作品では、シェリンガムは自分の推理を仲間とディスカッションしながら(読者に包み隠さず)推理していくので、必然的に多重推理になってくるのだと思います。
是非他の作品も読んでみて下さい。
個人的には特に『ジャンピングジェニー』を。


投稿者:keita2at 22 :49 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年3 月23 日

とむらい機関車

大阪圭吉さんは生誕百周年を迎えた本格探偵小説作家です。
その代表作である「とむらい機関車」を合評しました。
2011年5月21日に例会を開催し、参加者は12名でした。


作品自体が、初期の江戸川乱歩と同世代で、昭和10年の作品であり、当会も今回から新たに2名の若い会員のかたも増えて、正直担当者としては、読みにくい、古臭い、わかりにくい等の声も多く聞かれるのではと懸念していたのですが、現代表記に改めてあったこともあり、意外と読みやすかったという反応が多かったように思いました。
作品としては、戦前本格作品ですが、現在の新本格物とは違い、話し言葉主体の作品ではなく、いわゆる説明文が多いのが特徴の作品です。
以下皆さんのご意見を書かせていただきます。(ネタばれもあ
りますが、御了承ください)
◆初めて読む作家の作品。何故、機関車に轢かせて豚を殺すのかという謎から始まって、最後の落ちが犯人の好きだった相手に出あうためという意外性があり、探偵役の戸山助役の謎ときの過程も面白かった。
◆大阪圭吉という名前から大阪弁でかいてあるのかと思った(笑)。内容は読みやすかった。キャラクターも無理が無くわかりやすいので、話の展開も無理がなかった。作者が鉄道マニアということもあり、リアリテイーがあっていい。70年以上前の作品という古さは感じなかった。
◆しっかりした話の構成だった。構成としては、江戸川乱歩や、横溝正史の「鬼火」にあるような、実はこんな話があって、不思議な殺人の死体がでて、ある程度条件をふっておいて、それは実はこうだったというオーソドックスな構成だが、楽しく読めた。
◆作品は古いが、現代表記でるびもふってあり読みやすい。謎の提示も、死体の描写(機関車に轢かれた豚や、人間の死体の描写など)もしっかりかかれていた。
奥の障子から覗く犯人役の女性が、エロチックだと表現しておきながら、陰気な親子だとも書いてあり矛盾した表現になっていたのが気になった。
◆読んでいて、懐かしさを感じた。これがCSIだったら、死体の破片ひとつひとつを拾いあげて、死体現場に番号札をおいて調べるだろうが、そんな時代と違う古きよき時代の
ミステリーというものを感じた。
◆漢字が難しかった(みもちおんな=妊婦)。作
者が電車好きなのがよくわかった作品。金田一耕助の作品のような情景が浮かぶ作品(実際もほぼ近い年代の作品です)。読みやすかった。
◆70年以上前の作品というが、そんな古いものとは
思わなかった。残酷なバラバラ死体や肉片のシーンは怖かった。豚を殺して最後は人へ、犯人の母親も殺してしまうのではと想像して怖い気がした。親子の関係や描写もよく書かれていた。また、他の作品も読んでみたい。
◆この作品については、久しぶりに読ませてもらった。本格ものとして、犯罪の証拠となる花屋のことや、豚を殺した動機など伏線も張られていていい作品。ただ、葬儀の習慣など、昭和初期の風俗や、風習を知らないとできない作品。
犯人の犯行動機のひとつとなった象皮病については、専門的な立場からいわせていただくと、伝染病ではないが予防策を当時の政府はなにもしておらず、犯人の娘のようなある意味不幸な被害者が多かった時代だというのがよくわかった。
◆作者は列車が好きで、列車の描写が好きという印象を受けた作品。豚の死体描写は難しく、起承転結がむずかしかった。
◆江戸川乱歩以前の作家ということで、名前だけは知っていて、作品ははじめて読んだ。豚をどうやったらつないでおけるのかとか、何故、豚を殺さないといけないのか、何故豚でないといけないのか、ホワイダニットのミステリだが、今の新本格の作家なら登場人物の間でディスカッションが行われそう。最初黒豚で次白豚というのに何か意味があるのかと思ってしまった。動機が都市伝説となっている。
◆動機が悲しさをそそる作品。都筑道夫さんによればホワイダニットがモダンミステリだが、「とむらい機関車」にはそれがある。ディスカッションこそはしていないが、「なぜか」をメインにしているのが良い。同じ動機の某ミステリを昔読
んで感動したが、それと同じだと思った。

(補足)何故殺したのが豚でなければならなかったか、豚を殺さないといけなかったのか、これについては、私の私見ですが、以下に述べさせていただきます。

まず豚を殺さないといけなかったのは、娘が恋こがれていた機関手の長田泉三氏を、豚が死んだ際に機関室に飾る葬儀用の花輪を買うために店に来させるためであり、娘に泉三氏をあわせるためであることは話のとおりだと思います。人を殺したのでは、足がつきやすいですし、警察の取り調べもあり、あとがやっかいです。動物の故殺なら昔も今も法律上は器物損壊罪程度ですみます。
それと、何故先に豚を殺して線路に放置しておかなかったか、それでは、事故死というより、最初から作為的に轢かせたとわかり、足がつきやすいとも考えたからではないかと思います。
では、何故、犬や猫ではなく豚でないといけなかったのか、これは、私の想像ですが、ひとつには、犬や猫では、体が小さく、よく見かける通常道路で轢かれて死んで転がっているのとは違い、列車でバラバラにさてもよくわからないこと。
豚は、ある程度体も大きく、組織や肉は人間によく似ているとされ(CSIシリーズでも検視で、死体に傷をつける実験などで、吊るした豚の死体にナイフを指して傷口のできかたを見るシーンがでてきます。)実験に使われています。ですから、誤って轢き殺したのが、あたかも人間であったかのような罪悪感を、話の中で長田泉三氏は持ったのかもしれません。それに、雑食性の豚と違い犬や猫では、菓子でついてこないし、貧しい葬儀屋では、犬や猫に与える肉や魚を買う余裕もなかったのではとも考えられます。
それに、本作品のなかにもあるように、犯人の身近に養豚場が存在し、屠殺用の豚が多くいて、何匹か逃げても目立たなかった
ことも犯人が豚を犯行道具に選んだ動機だと私は思います。
犬や猫では、今も昔も室内で飼うペットですから行方不明になっただけで大騒ぎでしょうから(笑)。
以上は、私なりに推理してみた解答です。この時代の作品は兎角、何故このようなトリックが使われたのか、犯人や作者の意図がわからない作品も多く、本作品も、いまとなっては、天国におられる大阪先生にその真意をお聞きするしかないわけですが、今現在生きているものが、いろいろ想像してみるのもまた楽しいと思います。
それなりに全体の印象として、参加された皆さんには楽しんでいただけたようで、担当者としては安心した次第です。機会があれば、鮎川哲也ものや、「妖婦の宿」など犯人あてを紹介したいと個人的には思っております。(文責Y氏)

投稿者:keita2at 07 :10 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年3 月20 日

金沢ミステリ倶楽部会誌vol.4発行

金沢ミステリ倶楽部も4年目に入り、
2012年3月に会誌vol.4が出ました。

 A5で作ってきた会誌を
今回はB5の二段組にしましたが、 
148ページというボリュームになりました。 
例会報告があり、
創作が12編、エッセイが8編が入っています。
 
来年度は4月21日が第一回例会です。
マニアの人から、初心者、東野圭吾好きな人など
メンバー募集中です。
現在メンバーは20代〜40代まで23名います。
ミステリが好きで、 50才未満の方どうぞ。

投稿者:keita2at 16 :54 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2012 年3 月16 日

冬の鬼

2011年4月23日道尾秀介さんの短編集『鬼の跫音』の中の「冬の鬼」を合評しました。
2011年度第一回目の例会でした。

道尾さんは2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー、『向日葵の咲かない夏』が本格ミステリとして注目を浴び、文庫版が70万部を超えるベストセラーになりました。4度直木賞候補になり、2010年5回目の『月と蟹』で受賞しました。今回は2009年の短篇集『鬼の跫音』の中から「冬の鬼」を読んで皆さんの感想をお聞きしました。

・1月8日からスタートして、日が戻っているのでどんなストーリーかと思ったが、1月1日の日記がオチになっていた。時間があれば後から読んでみたい。
・日付に気付かずスラスラ読んだ。どんどやきに1人で行ったり、身体を洗ってやったりという場面が後でなるほどと思った。Sはストーカーっぽい。
・日付が逆になっていて、最後カーと来る。1月8日の鬼の跫音というのが、逃れられていない。ずっと聞きづける。ここまでしてくれる人がいるとは。『向日葵』読んだけど、全然意味わか
らなかった。
・結果がわかってから読み返すと、伏線が意外な意味を持ち、
違う意味になっている。1月9日以降どうなるのか。
・1月1日から読んでいくと1月8日はとてもこわい。聞きたくないこととは何か?後からわかるという仕組みが面白い。
・今読んでもわからない。途中から逆行していることに気付いた。『向日葵』止まっている。読みやすい文だと思った。
・達者で頭がいい作家。文が磨いて書いてあり、実力のある人だと思う。トラップが仕掛けられているが、(略)の箇所がフェアでない。1月8日は何?この先はおどろおどろしい悲劇に?乱歩になる?S殺して死骸と暮らす?
・初め読んで谷崎潤一郎かと思いながら、あれあれあれ。日付に気付かなかったが、後から読み返して気付いた。ここでは言えない漫画を思い出した。
・『告白』は自分勝手な主張がされていたと思ったが、これは私小説に不気味な粉を振ってホラー仕立てにしてみたという感じ。怪しい感覚を描くのが流行りなのか。人間を描いているか。
・跫音(あしおと)、鴉の漢字が何か意味があるのか。(跫は恐を連想させる?鴉も禍々しい感じ?)
・音が一番こわい
等々感想が話されましたが、ネタバレになるのでこれくらいで。ちなみに女性の一人称の日記なので女性の方々にいかがです
かとお聞きしたら、誰も好きではなかったけれど、上手だというご意見でした。最後に1月8日の日記の解釈に関していろいろな意見が出ました。その中でCさんの1月7日の記述から導いた一つの結論にかなり説得力があり、それでスッキリして散会となりました。
ちなみに担当はこれを読んでクリストファー・ノーラン監督の映画「メメント」を思い出しました。ストーリーを終わりから始まりへ、時系列を逆向きに映し出していき、意外な真実が暴き出されます。また夢野久作の「瓶詰地獄」も無人島からの手紙が時系列によりインパクトを与えるという点で思い出されました。
道尾さんのミステリは騙しのテクニックが見事で、『向日葵の咲かない夏』『シャドウ』『片耳の猿』『ラットマン』『カラスの親指』と是非読んで騙されていただきたいと思います。本格好きな方には怪奇現象もすべて論理的に解決される『骸の爪』がオススメです。


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2012 年3 月15 日

ホームズとルパンを語る会

すっかり、更新さぼってましたが、金沢ミステリ?楽部は、現在進行形で活動中で、
もうすぐ会誌vol.4も完成予定です。
北陸三県、広くメンバーを募集中です。

さて2011年3月19日の例会報告を、って一年前ですが。
原点に返って
「ホームズとルパンについて語る会」ということで例会を開催しました。
担当のもつさんのその時の例会報告です。


 ホームズについては、最初に出会ったミステリだった、という方が四人。NHK等で放映されたドラマの印象も強いようで、三人の方が思い出を語ってくれました。作品としては「バスカビル家の犬」「踊る人形」などが評価が高かったようでした。さすが世界のドイル、うんちくも数多く披露され、特にホームズの特技、柔術(バリツ)については興味を持っている方が多かったようです。
 現代的な感覚でホームズものを読むと、本格としては少々物足りないといった感想もありました。これはすべてのミステリ古典に共通する難しさかもしれません。Anjueさんの小学生の息子さんがドイルを面白く読んでいるというお話や、Iさんが生徒に「ホームズの冒険」のカセットブックを生徒に聞かせたところ喜んでいた、というお話を聞くと、いや、ホームズも古典もまだまだ安泰と安心します。
 Cさんがホームズの大ファンであるとおっしゃって、「まだらのひも」の原題には、ふたつの意味(ひもとジプシーの一団)を持つ「band」が使われており、「ひも」という訳し方では半分ネタばれしてしまう、という、まさにシャーロキアンな知識を教えてくださったのには感動しました。また、最初に出会ったのがルパンでなくホームズだったそうで、おそらくどちらに先に出会うかということがどちら派になるかに影響を与える、というご意見には同感しました。

 ルパンについては、アニメ「ルパン三世」のイメージが断然強いようでした。ルブランが(勝手に)ホームズとルパンの対決を描き、なおかつルパンを有利にしている(「ルパン対ホームズ」)のはどうなんだ、というごもっともなご意見が。作品では「ルパンの冒険」「虎の牙」「813」が面白かったとあげられていましたが、全体的にルブランを読んでいる方は少ないようでした。

 進行は、「少しホームズ・ルパンを知っている」→「かなりファン」→「まったく初心者」の順で話し、最後に「まったくの初心者」としてKさんに感想をまとめていただきました。「今度読んでみようと思った」とおっしゃってくださいましたが、あの状況でそれ以外の意見はなかなかいえないですよね(笑)、予定調和を押しつけて申し訳ありませんでした。(個人的には読んでも読まなくても、どっちでもいいと思います。)

 どうしてルパンがフランスであれほど人気を博したか、というHさんに、「(イギリスとフランスの対決という)時代背景ではないか」と薄っぺらい意見を言いましたが、更にフランスの国民性もあるのではないかとも思いました。フランス文学というと、サガンやカミュといったアンニュイな印象がありますが、もう一方でデュマやヴェルヌなどの大冒険小説の流れもあります。冒険大好きなフランス人が、ホームズが発表され、そのおもしろさに気がつかなかったはずがないと思います。夢中になって(もしかしたら隠れて?)読みながらも、それが憎っきイギリスのものだというジレンマ。それを解消したのがルパンではないかと思います。ルパンはミステリというだけでなく、冒険小説としての文脈でも語られるべきかもしれません。・・・こっちの意見も浅かったですね(笑)。すみません。


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2011 年3 月10 日

黄色い壁紙

シャーロット・パーキンズ・ギルマンの短編『黄色い壁紙』を合評しました。

2011年1月22日に第30回例会を行い、参加者は12名でした。
 今回は大人数の参加でした。
 合評した『黄色い壁紙』ですが、事前に皆さんに質問をお送りし、当日に備えてきていただきました。質問は、
 Q1 今回の「黄色い壁紙」のような狂気と超自然の裡にあるような怪奇小説で、ご存知のものがありましたらぜひ教えてください。
 Q2近代的なゴースト・ストーリーは怪異の源を人間の内側に求めていくようですが、ゴースト・ストーリーに限らず、いわゆるミステリ全般で、そのような作品、ご自身がよくできた作品だと思われる作品を教えてください。(できれば日本のもの、海外のもの両方を)
というものをお願いしてありました。

 みなさん普段あまり読まないタイプの作品だったのか、様々な感想をいただけまして(Q1・2の答えと、感想を合わせて言っていただいた感じです)、
「感情のテンションがずっと一定なので、どこでおかしくなったのかわからない。そこがうまくてこわい」といったものや、
「子どもを産んでおかしくなったのか、壁紙にとらわれておかしくなったのか。霊的なものよりは狂気の世界に傾いていて、きれいにまとまっていると思った。主人公の女性もわかりやすく書いてある」
「壁紙をはずしたのではなくて、自分の皮膚を剥いだのでは?」
「後半にいたって、夫のジョンが何か犯罪をかくしているのではと思った」
「自分の内面性を分析して書いていくのは主題としては古いかも。でも巧みに書いている」(これは実際昔の小説です)
「なぜこんな本を書こうと思ったのか、変身願望なのか?さっぱりわからないが、乱歩なんかとシンクロした読後感があった」
「本格好きとしては、この部屋に何かがあった、とか、ジョンがこの部屋で殺人を犯した、とか思った。想像させる材料としては面白い」
「読んでる私がおかしくなりそう(笑)。ミステリっぽくないし、オチがない」
「淡々と書いていて、下品じゃない」などなど、盛りだくさんでした。

 また、この作品を読んで思った他の小説としては、乱歩を挙げる人が何人かおいでました(『芋虫』、『鏡地獄』、『赤い部屋』などなど)。
 他には、新耳袋から『山の牧場』、ハリー・クレッシング『料理人』、恩田陸『私の家では何も起こらない』、サラ・ウォーターズ『エアーズ家の没落』、S・キング『シャイニング』、小池真理子『墓地を見おろす家』、夢野久作『ドグラ・マグラ』、ポー『黒猫』『アッシャー家の崩壊』『落穴と振り子』、綾辻行人『人形館の殺人』など、さすがミステリ倶楽部、たくさんの作品が出てきて、とても参考になりました。
 戦前の日本は、狂気や自分の内面を見つめる本が多かった、との意見もありました。
 漫画では、楳図かずお、伊藤潤二、花輪和一などの名前があがりました。
 『黄色い壁紙』は、いわゆる謎解き推理小説では全然なく、本に紹介されていたように、この作品で描かれているものは「狂気」と「超自然」の裡にあるもので、何人かの方から「よくわからなかった」という感想をいただいた時には、内心へこみました。
 しかし、選んだ担当者は、この作品を好きですけども、じゃあわかっているのか?と聞かれると、どうなんでしょう、この文章自体が好きなもので、主人公に自己投影して、この作品を味わうことが好き、というか楽しい、そういう楽しみ方をしているものですから、説明を、と言われると、なんとも難しいですね。
 描かれているもの、文章、それらを味わってみて、好きか嫌いか、で判断するしかないのかな、と思いました。

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2011 年3 月8 日

死神の精度

伊坂幸太郎さんの『死神の精度』を合評しました。

2010年12月18日、第29回例会を行い、参加者は10名でした。

◆合評「死神の精度」(伊坂幸太郎)
伊坂作品自体が初めての方も何人かいらして、
やはりミステリというよりエンターティメント作家というイメージが強いようでした。
しかし、作品には概ね高い評価、感想がいただけました。
共通の感想として、「テンポがよく読みやすい」「会話が面白い」
「設定の割にSF的ではない」「短編だが、全体を通してミステリになっている」
「生きる執着がなく、シニカルである」などがありました。
他には、「文字だけで音楽や風景が浮かぶ」
「文章が音楽のようなので残酷な描写も生々しくない」など文章の技術を評価する感想もありました。
「成熟社会ならではの作風で、時代小説と比較するとライトで悪い意味ではなくエネルギッシュさがない」という感想には、
確かにクールな情熱と熱い情熱は表現方法が違うので、
自分自身が伊坂作品の後は司馬遼太郎や山崎豊子の大作に挑みたくなるのも然りか、と感じました。
「死神が映画ターミネーターのように徐々に人間性をもってきている」という死神の成長(逆に退行になるのか?)を評価した感想もありました。

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2011 年3 月7 日

ゼウスの息子たち

高岡市のカレーうどんツアーを行いました。

2010年11月20日に金沢ミステリ倶楽部第28回例会を行い、8名の参加でした。

◆カレーうどん(富山県高岡市 吉宗)カレーがたっぷり入り、
うどんも二玉ほど入っている感じのかなりの分量のカレーうどんでした。
うどんを食べ終わった後で、ご飯を入れるとカレーライスになって二度楽しめました。
しかしライスまで食べると、本当に苦しくなりました。
カレーうどん850円、ライス100円でした。
その後、会場をガストに移して合評しました。

◆合評「ゼウスの息子たち」(法月綸太郎)
犯人当てとして読んだのですが、犯人はわかるけど、理由がわからないという意見が。
雑誌「ミステリーズ」掲載時には50%の正解率だったそうです。
感想として「導入の神話が興味深い」「理由はわからないが、作家の傾向から犯人はわかった」
「犯人当てで謎がはっきりとけるとすっきりする」
「ダイイングメッセージで犯人の名前を言えば良かったのに(それを言っちゃ…)」
「座布団1枚、だまされた」「星座・神話が好きなので楽しく読めた」
「ギリシア神話は神が人間くさい。トロイの遺跡のように現実にあったことか神話かわからない」
「だましてやろうという書き方で、してやられた」「名前がミスディレクション」
「メイントリックは双子トリックだが(略)。シンプルな不意をつくトリックをちゃんと論理に絡めている点が好印象だった」

◆合評「ミュージック」(シオドア・スタージョン)
「感想を言うより味わう作品」「精神病院が舞台だけに最後まで妄想かも」
「自分の指の血をすすって妄想しているのかも」
「こういう人は隔離しないといけない。外に出してはいけない」「文章が綺麗」「好きなタイプの作品」


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2011 年3 月6 日

江戸川乱歩を語ろう


2010年10月23日、おしゃべりサロン「江戸川乱歩について語ろう」という会が石川県立図書館で行われ、金沢ミステリ倶楽部はそれに第27回例会として参加しました。
参加者は9名でした。
講師の池田さんは、

・学校での少年探偵団の読み聞かせをしている話、
・毎日新聞の小学生のよく読む本にまんが日本の歴史、三国志、に次いで少年探偵団シリーズが3位に入ったこと、
・「地獄の仮面」の男子生徒に人気の場面とその元になった大人版「吸血鬼」を朗読しての比較、
・谷崎潤一郎の「金色の死」と乱歩の「パノラマ島奇譚」の関連性、
・乱歩が谷崎にサインを求めたら断られたこと、
などを語りました。

そして参加者に好きな乱歩作品と乱歩との思い出を書かせると1人1人意見を求めました。
参加者が自然に気楽に語れて、またその場にはかなり詳しい方々が(詳しすぎるほど詳しい方々が)いたので、楽しかったです。

 しかしなんと言っても今回の見せ場は、10月8日に江戸川乱歩朗読会で「人間椅子」を朗読してくださったMROアナウンサー西川章久氏の目の前での池田さんの朗読でした。
しかも「地獄の仮面」の男子に人気のある母子が閉じこめられた棺桶の中で、おなかがすいたから…というシーンで、会場もシーンとしていました(笑)。

KCTのアナウンサーの方でミステリ好きの方がいたら、ミステリの朗読をしていただきたいです。

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2011 年3 月4 日

大阪ミステリツアー

大阪ミステリツアーは、ミステリ作家たちが、これでもかと登場し、サインしてもらいまくりのツアーでした。

2011年9月25日に大阪の紀伊国屋梅田店で本格ミステリ作家クラブの記念イベントがあるということで、能登ミステリツアーの予定を変更して、大阪ミステリツアーとさせていただきました。ただ大阪は遠いということと、帰宅が遅くなるということ、そして皆さんの様々な理由で、参加者は2人だけとなりました。
金沢を朝6時頃に出発して大阪には10時前に着きました。
梅田駅の中にあるだだっ広い書店です。そこではイベントのセッティング中でした。
作家ごとのコーナーが設定されていて、その前の背の高い小テーブルでサインをしてもらえて、別の小さな部屋でトークショーをするという店員さんの話でしたが、それは無理があるだろう、大混乱に陥りそうな気がしました。
しかしイベントまで時間があるので、カッパ横町の古本街を見て回りました。古本屋さんが並んでいるのですが、値段的には高めでした。講談社文庫の乱歩全集全巻揃いがなかなか素敵でした。
本格ミステリ作家クラブの記念刊行物が3冊出ていますが、それに寄せ書き的にまとめてサインをもらってもいいですよ、と店員さんが言っていたので、それで行こうということになりました。

さて時間になるとトークショーの小部屋は人でいっぱいになりました。それよりもサインだろうと書棚の近くで待っていると、帽子をかぶった見たことある人が書店の中をすっすっと歩いていきます。あれ、綾辻さんだ!
その後続々と作家たちが登場しました。
結局急遽机と椅子が用意され、とりあえず麻耶雄嵩さんと有栖川有栖さんがすわりました。Uは麻耶さん、Iさんは有栖川さんに並び、それ以降は別行動となりました。

「ミステリーオールスターズ」に麻耶さん、有栖川さん、
戸川安宣さん、芦辺拓さん、汀こるものさん、
小森健太郎さん、辻真先さん、北村薫さん、
綾辻行人さん、法月綸太郎さんにサインをもらいました。

近藤史恵さんに『サクリファイス』文庫版にサインをもらいました。

門井さんがいて、図書館のレファレンスサービスを元に日常の謎ミステリ『おさがしの本は』にサインしてもらいました。特に取材したわけではなく、近くの図書館の様子を見て書いたそうです。ただその本に出てくる本は購入したとのことです。

辻真先さんに『完全恋愛』に「牧薩治と辻真先の両方の名前を書いていただけますか」とお願いすると、快くサインしてくれました。

とっても贅沢なイベントで、そこかしこにミステリ作家がいました。行った甲斐がありました。大阪とか京都なら車でも行けそうなので、ミステリ的なイベントがあったら皆さんと行けたらいいと思いました。
ドタキャンしてしまった能登ミステリツアーは、また後日行いたいと思います


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2011 年3 月3 日

「告白」(湊かなえ)

映画にもなった湊かなえさんの『告白』を読んで合評会をしました。

2010年8月21日第25回例会が行われ、参加者は9名でした。
◆近況報告
・ドラマ「相棒」のDVDゲット。『告白』、乱歩読んだ。『アクターズスタジオインタビュー』を読んでいる。
・井沢元彦の『修道士の首』を読んでいる。殊能将之の『鏡の中の日曜日』金沢も出てくる。乱歩も読んでいる。WOWWOWで「陰獣」のフランス映画を見た。迫力なかった。
・フィギュア お気に入りのウィーグル(¥980)をご持参。ブックオフで本を買い取り依頼し1400冊で2万円。『1Q84 BOOK1、2』ミステリとファンタジーの融合。清涼院『Wドライブイン』、山本兼一『火天の城』、横山秀夫『臨場』、奥田英朗『町長選挙』、法月綸太郎『パズル崩壊』、我孫子武丸『人形はこたつで推理する』、司馬遼太郎『城塞』、ガンダムWOセカンドシーズン、一気に見たら体調崩した
・Iさんの売れ残りの本をもらった。犬がかじった本。高木彬光『刺青殺人事件』、藤沢周平『霧の果て』
・『動物のお医者さん』を読んだらいろいろ謎があってミステリだと思った。「サマーウォーズ」見た。
・貴志祐介『硝子のハンマー』、愛川晶『道具屋殺人事件』が文庫になった。津原『奇譚集』が好みの話。マンガ「jojo」読みたくてブックマーケットで状態の良い本を購入。はまっている。
・有栖川有栖の『闇の喇叭』乙女が炸裂。『プラチナデータ』ピンとこない。石持浅海の『八月の魔法使い』は会社を舞台にしている。
・ゲーム「ゼルダ 大地の汽笛」全クリ。「ルパン」の謎ゲーム、マンガ「秘密トップシークレット8」、ドラマ「ジョーカー」「逃亡弁護士」「デスパレートの妻たち」第5シーズン。「デスパ」はシーズンに必ず殺人か死体が出てくる。13話が良かった。
・有栖川有栖の『スウェーデン館の謎』の雪の足跡トリックがシンプルで良かった。『ブラジル蝶』『英国庭園』まで読んだ。カーター・ディクスンの『恐怖は同じ』。タイムスリップして過去で殺人事件に巻込まれるが、ミステリより拳闘シーンが盛り上がる。マンガ「秘密トップシークレット8」良かった。『家庭教師ヒットマンリボーン』24巻までヤフオクで購入。面白い。

◆合評「告白」(湊かなえ)
 今回、輝かしい様々な賞を受賞している一般的にも評価が高く人気の小説の担当をおおせつかった私。ものすごく緊張しました。参加人数も多く、記憶力のない私には正確な報告とはいえませんので、間違っていましたら訂正等よろしくお願いします。
●「告白」を読むきっかけ
 今回の合評をきっかけに読まれる方もいたのですが、前評判や、周りから薦められて、映画の宣伝効果という方が多かったです。
 ちなみに私は表紙で気になっていたのと(タイトルも素敵です)、UさんとNさんのお話を伺って読もうと思いました。
●感想
◇結末で爽快感を持った方・・・U,S,K
 小生意気な良識のない少年Aにしてやったりと、いうところでしょうか?
 それとも、子どもを殺された母親の成功した復讐劇に万歳・・・なのでしょうか?
◇不快感を持った方・・・H,N,Y
 H… 読後感が最悪。罪のない5歳の子どもが何も考えない中学生に殺されるなど残酷で救われない話。こんな話を本屋がお勧めしていいのか?ドラマチックな展開だが、ミステリを商品として書いてるとしか思えない。 中学生レベルで破壊力のある爆弾は作れるのか? 読ませる力量はあると思う。
 N… 救われない重い話。面白いが人にはお勧めできない。
 Y… 本格ミステリではない。シリアス、リアリティがある。新しいタイプのミステリなのかな。
●面白かったが・・・
 N… 一人称のそれぞれの視点で書かれていてそれぞれの章で、感情移入のバトンタッチがあった。2回目を読んでそれぞれの置かれている立場、状況がわかった。
 I… いろんな視点で描かれていて、人によってこんなにも考え方が違うのか。(特に母親のところがリアル)あと、HIVに関しての知識を披露していただきました。
 K… 中学生が正義でいじめをするとは思えない。正義のいじめはあるのか?
 U… 先が読めなくて面白かった。「聖職者」という短編から連作で長編を完成させた作者の才能に感心する。すごい!
 D… 単純にエンターティメントとして面白い小説。一話ずつが一つのミステリとして完成された上で全部がつながっている見事な構成力。子どもを殺された母親が自分が直接手を下さずじわじわとターゲットを追い詰めていく怖さ、残忍さ。執拗さ。執念を感じる。不確かな計画犯罪。成功するかどうかもわからない復讐劇を影で操作している・・・・ドラマチックですね。

投稿者:keita2at 07 :05 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2011 年3 月1 日

悪魔人形

2010年7月15日第24回例会が開催され、江戸川乱歩の「悪魔人形」のCDドラマを聞きました。
12名の参加でした。

◆近況報告
・汀こるもの「リッターあたりの」(U酷評)を読んだら面白かった。(「若者向け」という声が)。佐藤友哉の「フリッカー式」ミステリじゃないけど面白かった。映画『アフタースクール』がだまされた。ミステリーズ新人賞、応募したがダメだった。Pamera(キーボード入力の端末)を購入した。
・ドラマ化があったので、加賀恭一郎シリーズを『悪意』まで読んだ。『どちらかが彼女を殺した』が袋とじで自分の考えをまとめてからと思ってまだ開けていない。清張の本も一冊読んだけれど、タイトルは忘れた。
・『告白』を読んだ。救われない話だと思った。森鴎外の「モルグ街」の訳を読んだら面白かった。
・最近読んだ本は「写本室の迷宮」(後藤均)。作品の中に別の作品が入っている構成で斬新だが、密室もので、密室トリックの説明が、解決も含め詳しくされておらず全体的に難解な印象。乱歩については、土曜日の夜に「陰獣」がWOWWOW放送されるので次回観て感想を報告する予定。岸田るり子の『密室のレクイエム』は面白くなった。ドラマの『新参者』『臨場』が終ってしまった。
・ミステリではないけど、村上春樹の『神の子どもたちはみな踊る』を読んだ。「かえるくん」の話がなるほどと思った(?)
・映画『告白』『四匹の蠅』を見た。『四匹の』はアルジェントだったが、ホラーでなくてミステリだった。『キャタピラー』の上映があるので、『芋虫』を読み直した。友達が持っていた『ハンバーガー殺人事件』というのが、ブローディガンの遺作で、ネットで購入しようと思ったら、7000円もしてビックリした。
・『映アムリタ』が途中まで萌系の小説かと思ったらホラーのようになった。『カッコーの卵は誰のもの』『月の恋人』は道尾秀介だったので、ミステリかと思って読んだらラブストーリーだった。『ユージニア』『花まんま』『おさかな棺』『キマイラの新しい城』『しあわせの書』を読んだ。司馬遼太郎の『関ヶ原』に時間が取られたが、関ヶ原は血が騒ぐ。『幻影師アイゼンハイム』を見て良かった。『奇術師フーディニ』も見たが、タイトルは似ているが別物だった。『ターミネーター4』は『2』に次いで良いと思った。クリスチャン・ペールが
・何冊読んだかも覚えてない。『明日の空』読んだ。『バイバイブラックバード』は…(U略 あとでよく考えたら、とんでもないこと言ってましたよ)『1Q84 BOOK3』を読み始めた。村上春樹にしては巨乳の話とか出てきて、とっかかりにくいと思っている人にも読みやすいです。
・『夜行観覧車』読んだ。ゲーム「ゴーストトリック」が「トリック」が「取り憑く」ということで、死んだ人が物にとりついて死んだ運命を変える話です。ドラマは『科捜研の女』『うぬぼれ刑事』『ハンチョウ』見ている。オダジョーの新作が楽しみ。コールドケース、CSI等見ないと。
・『アフタースクール』を夫と見ていて「おおっ」と。『ガス人間第一号』の劇場版の録画を見たら最後ちょっと意外だった。ドラマ『ジョーカー』『天使の分け前』見ている。貴志祐介の『狐火の家』を読んだら面白かった。夫のおすすめの『硝子のハンマー』も読もうかなと。桜庭一樹の『読書日記』3冊読んだら、好きそうな本を紹介していてよかった。国書刊行会の「短編小説の快楽」シリーズのキャロル・エムシュウィラーの『すべての終わりの始まり』がエイリアンとか出てきて面白かった。大倉さんとかの落語ミステリが好きだが、愛川晶の『道具屋殺人事件』が面白かった。不可能犯罪が当たり前に起こる街『蝦蟇倉市事件2』を読んだ。桜坂洋の作品が一回読んだら大したことないと思ったが、もう一回読んだらなるほどと思った。シオドア・スタージョンの『海を失った男』を読んでいる。「ミュージック」という短編が短いので、合評したらいいかも。
・『8の殺人』『カッコーの卵は誰のもの』を読んだ。乃南アサの『ピリオド』が面白かった。ドラマ「ジョーカー」見ている。友達にミステリ倶楽部に入っていると言うと、『どちらかが彼女を殺した』の犯人を聞いてこいと言われた。袋とじもヒント程度であまりはっきり書かれていない。
・『バイバイブラックバード』のサイン本を見せびらかす。発売日に仙台の書店に伊坂のサイン本は平積みになるそうだ。『明日の空』読んだ。『イニシエーションラブ』っぽい。(それより後味はよいbyNさん)ちなみにツイッターによると『イニシエーションラブ』は三部作で、麻耶の『隻眼の少女』と一緒に第二作目が出るそうだ。麻耶の『貴族探偵』が探偵らしいの貴族探偵が全く推理しないで、執事とかメイドに推理させるのが笑える。特に図入りの話が論理的で好きだった。

◆合評会スペシャル『悪魔人形』
今回は東京創元社相談役の戸川氏からお借りしたCDドラマ『悪魔人形』を聴きました。
速水奨、山口勝平、千葉繁、こおろぎさとみ、冬馬由美、冨永みーな、納谷悟朗等豪華声優陣によるものでした。
71分もあって長かったですが、皆さん聴き入っていました。一言感想です。
・いろんなことがほとんど放置されている。乱歩らしい。
・『悪魔人形』の別バージョンを聞いたことがある。もっとアダルティだった。二十面相がもっと紳士的だと思っていたのに。
・二十面相は後半、雑になる。変装もカニの宇宙人だったり、空飛ぶ宇宙人だったり、何をしたいのか分からない時がある。泥棒をしたいのか、少年探偵団をいじめたいのかわからない。『悪魔人形』は乱歩らしい作品。ミステリアスで大人が読んでも面白い。
・小学校の時ポプラ社の少年探偵団を読んだ。昭和50年代のラジオドラマで唐十郎とかが出ていたが、良かった。悪魔人形は人を人形にするが、黒蜥蜴では人を剥製にしている。
・結論がよくわからなかった。結局人形にされた人たちは仮死状態にされたの、とか。
・子どもの頃にポプラ社の少年探偵団を借りるが、表紙が怖くて読まなかった。語り手の声が良かった。
・小学生の時ほとんど読んだ。今聞くと小林少年が殺されるはずないと思ってハラハラはしなかったが、雰囲気は楽しめた。大人向けの乱歩作品とはかけ離れている。
・声が「今ウソップになった」とか気になった。昔の犯罪は殺伐としていない。コスプレを楽しんでいるようだ。明智先生が虎にまでなって。
・江戸川乱歩という名前がおかしくて、読まなかった。聞いていて面白かった。豪華声優陣だった。
・学生時代に講談社の全集読んで好きになった。子ども向けでも自分の好きなものが出る。「さわる」とか「ムッチリした女性」とか。暗闇で迫るのは『孤島の鬼』だな、とか。きらびやかだけどチープだ。
・乱歩知らなかった。明智の声が、『名探偵コナン』の明智警部では(そうですbyK)。私も人形になりたいと思った。老後の心配をしなくてもよいから。
・小林少年が女装するというと明智探偵が喜々としてすすめるのがちょっと危ない関係かと思った。
各自の一言感想の後も「小林少年は観音様にもなっている」「少年探偵団は誰でもなれるのか」「ポケット小僧というのがいて必ず車のトランクに隠れろと言われる」など少年探偵団シリーズの話で盛り上がりました。

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2011 年2 月28 日

そして扉が閉ざされた

第23回例会(2010年6月19日)の参加者は9名でした。
堂島ロールを食べながらの近況報告をしました。

◆近況報告
・ワールドカップ語りたい。『小暮写真館』、読むのにけっこうかかった。『夜行観覧車』あっという間に読めた。
・ワールドカップ語りたい。『告白』映画の前に読んだ。ゾンビもので『ワールドウォーゼット』、今年のベストかもしれない。
・金沢を舞台にNHK解説員が書いた本を読んだ。
・『新参者』結末が知りたくて読んだ。Nさんが言っていた「チェイス」見たら面白かった。午前中に「告白」見てきた。小学生に見せたいけどR指定で残念。ゲーム「琥珀色の遺言」話をいろいろききに行かなければならない。
・中野ブロードウェイに行った。フィギュアがいっぱいだった。『告白』『スカイクロウ』一気読み。『そして扉が閉ざされた』すぐ読めた、ブックオフで『そして』を探したのと同じくらいの時間で。『坂の上の雲』全8巻、どのようにドラマ化したのかがミステリー。
・『新宿鮫』読んだ。←「捨てた」(Hさん)「2が良い。悪者がかっこいい」(Iさん)「後の方が上手、長いが」(Nさん)
・畠中恵読んだ。『刻まれない明日』最後の章の謎解きががっかりした。読む人は最終章だけ読まない方がいい。宮部みゆきと司馬遼太郎が好き。
・Nさんから貸してもらった『映アムリタ』がすごく面白かった。衝撃的だった。←「何を言ってもネタバレ」(Nさん)  他の人から貸してもらった『深海のYRR』、p500の上中下巻で長い。パニック小説。

◆合評『そして扉が閉ざされた』(岡嶋二人)
岡嶋二人は『焦茶色のパステル』で乱歩賞を受賞してデビューしました。日本には珍しい合作者で、泥臭くない都会的なミステリを書きましたが、やがてコンビを解消しました。『焦茶色のパステル』『あした天気にしておくれ』『99%の誘拐』『クラインの壺』などがオススメです。今回読んだ『そして扉が閉ざされた』は核シェルターに閉じこめられた男女4人が自分たちの中から過去の殺人の犯人を探さなければならない状況に陥るミステリです。
・設定が面白かったが、活かされていない。犯人はおーっとなった。なぜ閉じこめたのか最後までわからない。
・面白かった。2日で一気読みした。設定が面白い。タバスコが偶然すぎて、話を混乱させるためだけだった。
・閉塞感の中で謎が解き明かされるのが良かった。青春物だが、大学生というのが嫉妬で許せない。
・途中でトリックがわかった。単独で閉じこめるのは無理だろう。インターフォンとか詳しすぎる。閉じこめられたらもっと本能で出ようとするのでは。
・早く読める構造。サスペンスがある。会話がだるくて、中だるみした。トリックはなるほどねと思った。性格をクリスティーのように書き分けている。特徴だったところがない今風の若者。母親の登場が無理っぽい。暴くための設定にしすぎた。
・本格だから、○○○(略)と思って読んだらなるほどだった。凶器がうまくいくか。母親がどうやって下に運んだのか。
・深読みかもしれないが、凶器をなぜ○○○(略)。終わり方に無理がある。青春ミステリで読みやすい。
・忘れていて再読してビックリした。クローズドサークルで好き。現代では閉じこめる理由は書かれない場合が。食べ物がカロリーメイトばかりではイヤ。トリックを活かすか、人間ドラマを描くか。
・トリックがすごい。会話が多くて読みやすい。
・男二人がケンカしたり協力したりケンカしたりとどうなっているんだと思った。
・『おかしな二人』にまずトリックがあってそれに合わせて人物を設定していったと書かれていた。「人物は駒でしかない」とも。
・鮎美さんには煙草を吸ってほしくない。
・「好き」が動機になっている。
などなどいろんな意見が出されて盛り上がりました。トリックは評価が高い一方、核シェルターに閉じこめる設定に疑問を持たれた方が多かったようです。

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2011 年2 月27 日

幽霊の出るテラスの謎

2010年5月15日金沢ミステリ倶楽部今年度最初の
例会(通算第22回)が開催され、参加者は10名でした。
◆近況報告
・浦沢さんの「ビリーバット」を読んでいる。様々な時代にビリーバットが現れる漫画。綾辻さんが選んだ推理短編集で山田風太郎の『黄色い下宿人』を読んで面白かった。
・最近のミステリの賞の傾向として叙情的なものが見られる。『プールの底に眠る』(殺人よりもぼくと彼女との関係が謎)『祈りと叫び』(上手。砂漠など世界を舞台に短編ミステリに仕上げている)
・クリスティー展に行ったが、クリスティーの肉声が聞けた。タイプライターがあった。(クリスティーのしおりのおみやげが皆さんに配られた)神田で、ん万円使った。『マイアミ沖殺人事件』を買った。戸川さんのお世話になった。息子さんは『そして誰もいなくなった』を読んでいる。
・『スイス時計の謎』を読んだ。ドラマで『臨場』が科学捜査を扱っていておすすめ。
・「本格推理」と書いてあったので、斉藤栄の『金糸雀の唄殺人事件』(?)を読んだ。綾辻さんの『水車館の殺人』も読んでいる。地図が…。
・『ななつのこ』少しずつ読んでいる。ほのぼのしている。『新参者』ドラマと並行して読んでいる。ドラマMOTHERの先が気になる。映画「トリック」「シャッターアイランド」見た。「シャッター」は結末がわかった。
・ドラマ「臨場」「新参者」「チェイス」「タンブリング」見ている。DVDで「ブレードランナー」「ペットセメタリー」「タイタンの戦い」見た。『蝦蟇倉市事件1』途中まで読んでいる。読みやすい。うのあきらの本を見に行った。『無実はさいなむ』『終わりなき夜に生まれつく』の真鍋さんの表紙の本を探している。
・去年は乱歩賞一次を受かったのに、今回は一次も受からなかった。横関大という人が乱歩賞に決まったが、4〜5回最終選考に残っていた人なので名前を覚えていた。知らない人だがうれしい。桐野夏生の『東京島』を読んだが 面白かった。
・斉藤栄の作品に出てくる犯人の金沢の住所が自分の家と同じだったことがある。夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』全4巻『撓田村事件』『毒薬の輪舞』(二転三転の結末)、『クリスマステロル』(どんでん返しが作家が小説を書かないというものだった)、『一応の推定』(感想を書いた紙が貼ってあった)を読んだ。ビリー・ワイルダーの『シャーロック・ホームズの冒険』を見た。
・KくんオススメのDVD「放送禁止」を見た。ドキュメンタリータッチのフィクションで、3巻目のストーカーの話がオススメだった。1巻目は大したことないと思ったが、ネットでネタバレを見たらすごく奥が深くてそんな話だったのかと思った。DVDで「幻影師アイゼンハイム」を何気なく見ていて、ラストビックリした。
大倉さんの『白戸修の狼狽』を読んでいる。大倉さんの『無法地帯』の登場人物たちが出てくる短編もあって面白い。

◆合評会は「幽霊の出るテラスの謎」(E・D・ホック)でした。
エドワード・D・ホックのサム・ホーソンシリーズは、ノースモントという町で不可能犯罪ばかり起こり、医者のサムが解決するという設定。今回はその中から「幽霊の出るテラスの謎」を合評した。結末を伏せて読んだ後、テラスから男がどのようにして消えたのかを皆さんに聞いてみたが、今回は誰も思いつかないようだった。結末部分を読むと、一応伏線があり、はでなトリックが使われていて、皆さん納得した様子だった。島田先生の大ファンのKさんもこのトリックには満足だった。現代を舞台にこのトリックではバカミスになるが、この時代ということで許される。
テラスの仕掛けは重要な意味があるかと思ったが、ミスディレクションだった。タイトルもミスディレクションだった。消えた人が幽霊だったら意外だが、ミステリではなくなってしまう。練習をしているが、誰かに見られる可能性もある。練習してまでする犯罪はしない方がいいと(何か、忘れました)に書いてあった。
しかしそこまでしてその方法で殺す必然性は、とは言わないことに…。
ホーソンでは『投票ブースの謎』がおすすめ。『有蓋橋の謎』は図でもないとわからない。『消えた空中ブランコの謎』がオススメ。巨大ミミズクが人を殺したという『巨大ミミズクの謎』が気になる。
ノースモントといい、セントメアリーミードといい人がたくさん死ぬ。
ホックは昨年度読んだ都筑道夫さんと共通点が多い。ニック、レオポルド、ホーソンと数々のシリーズキャラクターを生み出したこと、ホワイダニットも力を入れていたこと、パズラーといわれる短編をたくさん書いたこと、など。

投稿者:keita2at 21 :21 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

第21回例会(3月20日) 

2010年3月20日に第21回例会を行いました。  
映画「シャーロック・ホームズ」を観て、
打ち上げ会を行いました。

参加は13名の参加により、
新解釈のホームズの映画を観ました。
マッチョなホームズの、アクション映画っぽいのに
これはこれでいいかという感じでした。

打ち上げ会はバイキング+飲み放題でしたが、
話が弾み楽しい会となりました。
その後数名はカラオケに流れましたが、
そこで歌われた歌は…。

投稿者:keita2at 16 :17 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2010 年11 月27 日

殉教カテリナ車輪

 2010年2月20日午前11時より、石川県立図書館3階多目的ホールにて、第20回例会が行われました。
 今回ご参加いただいた方は、7名でした。
 1.まず最初に、今回の長編『殉教カテリナ車輪』について、
皆様にご感想、ご意見を伺いしました。
 (未読の方のために、真相に関わる部分は割愛させていただきました)。
・歴代鮎川哲也賞の最高傑作だと思います。
考え抜いた挙句にがんばって完成した、という作品ではなく、
作者の才能が所々に溢れています。
そのため物語としての面白さ以上に、才能を見る楽しさがありました。
・平易な文体で読みやすかったです。
その割に文学的な文章が所々にあり、
後半でその文体を崩しているという点も好評価でした。
第○○章の不自然さには気付きました。
・美術を扱っているという点が新鮮でした。
・以前に読んだことがあるはずですが、すっかり忘れていました。
折原一の某作品、ダビンチ・コードを思い出しました。
それぞれ人物のキャラが立っていますが、
特に奥さんのキャラクターが頭に残り、これはミスリードかとも思いました。
・作者がミステリー好きだということが良く分かります。
最初のミステリーに関する語りを面白く読みました。
第○○章の「ある描写」は不自然だと気付きました。
会話が多くて少し変だと思いました。
ちなみに、もったいなくて袋とじは開けていません。
・最後まで読んでいませんが、手記になってから突然話が面白くなりました。
会話の繰り返しが多く、そこがイマイチだと思いました。
専門用語が出てきても、親切に解説が書いてあり、好感が持てました。
・絵自体は何の変哲もなく、つまらないものですが、
意味が分かってくると面白いと思うようになりました。
第○○章の不自然さには気付きました。
最初に語られた井村の「傷」が後半で消えているのがおかしいと思いました。
『まかしの風景画』とうイギリスの作品を思い出しました。

2.次に、鮎川哲也賞についてお話を伺いました。
・今年度の第21回鮎川賞に応募するため、現在執筆中です。
鮎川賞受賞作は、(『殉教カテリナ車輪』を除いて)『卍の殺人』『ななつのこ』『凍える島』『未明の悪夢』『建築屍材』『写本室の迷宮』『千年の黙』『鬼に捧げる夜想曲』『密室の鎮魂歌』『ヴェサリウスの柩』『雲上都市の大冒険』『七つの海を照らす星』『午前零時のサンドリヨン』を読んでいます。
・受賞作は、『ななつのこ』『凍える島』『七つの海を照らす星』を読んでいます。候補作では、『ヘビイチゴ・サナトリウム』を読んでいます。
・鮎川賞は読んでいません。今回の『カテリナ車輪』だけです。
・受賞作は、『殺人喜劇の13人』『未明の悪夢』を読んでいます。最終候補に残った作家の作品、二階堂黎人『吸血の家』、西澤保彦『仔羊たちの聖夜』、篠田真由美『琥珀の城の殺人』、柄刀一『3000年の密室』を読んでいます。
・受賞作は半分くらい読んでます。ベスト1は貫井徳郎『慟哭』です。
鮎川賞の傾向として、ミステリー好きの人が喜ぶという傾向があるように感じます
(乱歩賞は万人ウケするという傾向なのとは対照的)。
・受賞作は、『「卍の殺人」〜第6回まで、『写本室の迷宮』『鬼に捧げる夜想曲』『密室の鎮魂歌』、『雲上都市の大冒険』、を読んでいます。
個人的ベスト1は『ななつのこ』です。候補作では、『世紀末大バザール 六月の雪』を読んでいますが、おもしろくなかったです。
『慟哭』も読んでおり、こちらは面白かったです。
変わった趣向を凝らしてみると受賞が狙えるのでは。
美術に対抗して、DVDを添付して歌で勝負してみてはどうか(笑)。
・『殉教カテリナ車輪』以外は読んでいません。 
 また、残念ながら例会に出席できなかったMさんからは鮎川賞関連は、氷川透『密室は眠れないパズル』を読んでいるとお返事をいただきました。

投稿者:keita2at 07 :11 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2010 年10 月19 日

江戸川乱歩展

今石川県立図書館で
展示「江戸川乱歩の世界」をしています。

乱歩の直筆原稿「悪魔の紋章」や
「貼雑年譜復刻版」、
乱歩の翻訳書などが並んでいます。

入場無料なのですが、
すごい展示だと思います。

23日(土)には
おしゃべりサロン「江戸川乱歩を語ろう」が
あります。

http://www.library.pref.ishikawa.jp/booklist/2010/20101001tenji/20101001.htm

投稿者:keita2at 22 :56 | お知らせ | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

2010 年8 月27 日

第19回例会報告(2010年1月20日)

 今回は都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。
 参加者は9名で、
近況報告は
・「CSI」を見ている。「CSINY」と併せて本格好きの人におすすめ。「CSIマイアミ」はハードボイルド。『13の暗号』を読んで暗号に凝っている。乱歩の「二銭銅貨」とか良かった

・『ダークナイト』を見たら、バットマンがいなかったらミステリだと思った。「リベリオン」もあるSFを原作にしていた。パソコンのダウンロードゲームをしている

・『大聖堂は大騒ぎ』ドタバタで面白かった。『自殺じゃない』も読んだ。『バタフライエフェクト』見てみたい。「ホームズ」のDVDを買った

・『殉教カテリナ車輪』を読んだ。『ヴィーナスの心臓』を読んで、「達也が嗤う」ですごいと思った。『1Q84』をブックオフ待ちだったが、友達が貸してくれて読んだ。映画『母なる証明』良かった
・『赤い指』が面白かった。ゲーム「ウイッシュルーム」が良かった。コナンと金田一のコラボのゲームが壮大なトリックで良かった。「CSI科学捜査班」は6まで全部見た。「デスパレートな妻たち」はシリーズが進んでも犯人がわからなくて…。「相棒」も見ている

・「相棒」は見ている。カーのイギリスの洋書を購入した。「ボーンアイデンティティ」の映画が楽しみ。『ミステリージョッキー』が面白い。ロースンの「天外消失」を入れたかったが、版元の関係で入れられなかったと書いてある。しかし早川が『36の短篇』を『天外消失』と改題して出したら売れている
・電子ブックで『地獄の奇術師』を入れて読んでいる。「相棒」元旦スペシャルが歴史ミステリの王道パターンで良かった。歴史物が好きだと実感。『時の娘』を飲み屋でお姉さんに渡してしまい、ネットで買い戻した。飲みに行く時に大切な本を持っていかないように

・『犬の力』上下良かった。『鉄の骨』面白かったが面白かったが、直木賞をとった。自分の面白いと思う本は面白い。本屋大賞候補の『船に乗れ』を読んでいる。『Another』は綾辻さんの自信が文から感じられた。『サンドリヨン』は新人にしてはよく書けている

・『Another』はすごい。ホラーだけど本格。ぶ厚さは感じずサクサク読める。『探偵小説のためのエチュード水剋火』は妄想女と女子高生陰陽師の探偵の話で、怨霊とか出てくるが、伏線張りまくりで、読者への挑戦状があり、論理的に解決するのに驚いた。おすすめはしないけど

今回は短編の合評で、都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。

「謎と論理のエンターティンメント」を実践したなめくじ長屋の捕物さわぎの一編です。

「寝たきりの病人を殺すのに、どうして座敷がいっぱいになるような大きな石で、圧しつぶさなければならなかったのか?」

そこをポイントに解決編の「その五」直前まで読んで、解決を考えてもらいました。

読み終えた人からフランドールのロールケーキを食べて、その後各自の推理を伺いました。

するとさすがミステリ倶楽部の方々、かなり良い線まで推理されました。作者の意図とは違うけど、ほとんど正解でした。面白かった、時代小説は読み慣れていないので読みにくかったなど感想がありました。

その後『黄色い部屋はいかに改装されたか』のポイントを読みました。

「トリック無用論」「ホワイダニット」「トリックよりロジック」「名探偵復活論」といったことを書いたエッセイで、第三の波の作家たちにも影響を与えたのではないかと笠井さんも書いておられました。

この中で「論理的な謎はなにも殺人とはかぎりません。読者が合理的な解決を欲するような謎なら、なんでもいいわけです」と言い切っています。

それって北村薫さんによって人気が出て、今も人気の「日常の謎」派ミステリのことですよね。

モダーンディティクティヴストーリーは「ホワイダニット」だと言い切った都筑さんは、なんと先見の明があったことでしょうか。

ただ犯人側による一発大トリックは印象が強くて残りますが、不可解な状況を論理的に解決するという場合は、よほどでないと印象が薄くなるような…。


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2010 年8 月24 日

第18回例会報告

2009年11月21日(参加者6名)

例会定例の長編読書会の開催に従い、今回は担当者としてジョン・ディクスン・カーの『火刑法廷』を選択しました。

カーを選んだのは、とりあえず今まで自分が一番よく読んだ作家であることと、ミステリー黄金期の代表的作家の一人の世界を、金沢ミステリー倶楽部のメンバーが、どのように受け止めるかに興味を持ったからでありました。

当日ご参加された方々は、8名。季節柄ご家族にインフルエンザに罹られた方がいらっしゃるなど、厳しい状況の中でしたが、和気藹々の雰囲気で始まりました。

さて、皆さんカーをご存知ではありました。さすがにミステリーファンを標榜される方々です。関心の度合いは様々で、特に若い世代の方にはあまり評判が芳しくありません。これは翻訳小説のネックともいうべき、翻訳文章が日本語として「イマイチ」なものが多く、わが国の作家の作品に比べて、文章力が弱く、読むにも気合を込めづらい、という明らかなハンデに起因します。これは翻訳ものの共通の弱点ですが、さらに、幾つかの欠点の指摘がありました。

カー作品は、メインたるべき「ミステリーの謎解き」に至るまでのストーリー展開に冗長な部分があるので、読むのに「だるい」というお説が提示されました。うなずかれる方数名。純粋な謎解きが興味の中心である、という方には、いっそうこの様な「舞台回し」の展開がつらく感じる、というところなど、散々です。

さらに、今回の選択本は、「なんだこの結末」という要素もあり、皆さんには、「読んでよかった」「得した感じ」には程遠い感想を抱かれたご様子です。選者としての力量に、甚だ不十分であることを露呈したところです。申し訳ございません。

やはり、現在の世界に通じる舞台に題材を得ている作品に、関心が深まるのが当然であり、黄金期と称された時期の作品とはいえ、今から70年近く前に書かれたものは、現代世界に舞台を置いた作品だとしても、本日現在の読者にとっては古色蒼然の感はぬぐえないかもしれません。

この視点からすれば、1940年代が黄金期、という事自体が、チャンチャラおかしい話です。やはり、今こそが価値がある、のも分かりますし、まぁ、ノスタルジックな味わいも行き過ぎると不味くなるのは当たり前の話です。

翻訳文章については、早川文庫版の文章のほうが、ポケミスに比べて翻訳時期が今に近いため、言葉遣いなどで、文庫版のほうが読みやすいというご意見もありました。これは私にとっては反対の視点でしたので、改めて私の時代が過ぎ去っていることも痛感した次第です。

いずれにしても、翻訳作品は、日本人作家の作品よりも、会話文章などでの味わいに欠けるなど、ハンデを持つことは皆さん共通の感想と思いました。

『火刑法廷』作品自体は、「超自然」の要素を入れた、カーとしてもチャレンジな一品で、この部分の理解、好み、に分かれるところが大きい作品だということは、今回の会合でも一致しました。

カーの文章は、皆さんのご指摘のとおり、「遊びの多い」文章だと思います。カーは、頭で描く作家だと思います。

その結果、思いついたサービス精神の発露は、書かないではいられない、というところもあるのではないでしょうか。

この傾向は、カーが好む中世を舞台にした作品では、特に顕著に現れます。読者にすれば、「おーい、どこに向かってるんだよ」と言いたくなる脱線振りも散見されます。

『火刑法廷』でも、魔女伝説などの部分や、登場人物の背景説明の部分ではガンガン多方面に展開していく部分がありますので、こういった作風展開は、読者にとっては好みの部分になると思います。自分の感覚に合うか合わないかの作品評価の要素ですね。

骨子の粋を味わうには、「カーは短編こそ見るべきものがある」というご意見を出された方もいらっしゃるくらい

です。これは、私もそう思うと同時に、「体力が自分にあれば、イカツク、しつこい長編も味わえる」とも思うのです。

長々と申し述べましたが、今回の感想としては、「カーは文体では古くなっている。だけど殺人の設定などの要素はさすがだ。」「翻訳もの地位が弱くなっているのは、日本語作品のレベルが高く、翻訳フィルターを通さなければならない部分、魅力が薄れるので、ある意味で当たり前だ」という帰結のように思います。

カーというミステリー作家の認識は、他の作品も含めて論じられるべきでしょうし、その中には、皆さんのフィルターに引っかかるものが有ると思います。またの機会に味わっていただければと思います。

『火刑法廷』自体は、・・・・まぁ、カー好きだけで論じたとしても、是々非々意見は分かれる作品だと思います。

ご参加いただいた皆様、有難うございました。(H氏)

 

(補記)そこまで不満だらけの例会ではなかったです。
『火刑法廷』は悪夢のようなラストに至るまで緻密に組み立てられたカーの代表作です。
それは皆さんの認めるところだと思います。

第三の真相がなかなか面白くて、実際カーが晩年の作品に書いているのはカーの遊び心を感じさせます。

ただ『火刑法廷』自体より、訳のこととミステリが文学者から低い地位にみられているということで話が盛り上がりました。


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