2011年02月01日
スノーボール・アース
またまた雪に関する話題で恐縮ですが、今回は雪と云うより氷に関する話題です。
2004年に早川書房より発行された「スノーボール・アース」という本があります。
著者はアメリカの科学雑誌「ニューサイエンティスト」の編集者をしているガブリエル・ウォーカーと云う人です。この本は第58回毎日出版文化賞を受賞しています。
スノーボール・アースとは「全地球凍結仮説」として一般的には知られています。
過去に地球が赤道付近まで氷に覆われていた時代があったという説です。
過去に氷河期というのが何度かあり、北アメリカ大陸やヨーロッパ大陸の多くが氷で覆われていたと云うことは既定の事実として知られていますが、赤道まで氷に覆われていたとの仮説は関係する科学者の間で意見が分かれているとのことです。
ただ最近では、かなり広範囲に地球が氷で覆われていたことは定説になりつつあるようですが、本当に赤道直下まで氷に覆われていたか否か、またその時期は何時で期間はどの程度であったかが論争の中心になってきているようです。
この本は、スノボールアースを強く主張する地質学者を中心にして、その活動や学会における論争等を活き活きと描写しています。
地球の原型が出来て46億年、その後も隕石等が頻繁に原始地球に衝突を繰り返し、熱いマグマで覆われた地球(マグマオーシャンと云われています。)が段々と冷えていき、大陸地殻や海洋地殻が形成されて現在の地球の姿が徐々に出来てきました。
また、生命の起源は約36億年前と推定されていますが、最初の頃の生物は単細胞であったと考えられていますが、これらの単細胞生物が多細胞生物に進化する契機となったのもこの全地球凍結でないかとの仮説も併せて紹介されています。
いずれにしても、気の遠くなるような時間をかけて現在の地球が出来上がり、また多様な生物が生まれてきたことを思うと、宇宙、自然というものに畏敬の念をおぼえるのは私ひとりではないと思います。
宇宙、地球、自然科学に興味のある方は、是非一度読まれることをお勧めします。
投稿者:Sinちゃんat 18:00| 日記 | コメント(0) | トラックバック(0)