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2013年05月11日

交差点の新しい形 「ラウンドアバウト」

 欧米では良く見られるけれど、日本にはなかったあの”円形交差点”こと「ラウンドアバウト」がいよいよ日本でも、導入の兆しが出てきています。








 国内での導入のきっかけのひとつには、2011年3月の東日本大震災があったそうです。災害時に停電したり、信号機が破損した場合にも交通制御ができる点が注目されました。
 また、信号機の維持費用の削減効果もあり、さらに、車が自然に徐行するようになるほか、対向車と正面衝突がなくなる構造のため、重大事故が起きにくく、また、信号待ちがなくなるのでアイドリングによる二酸化炭素の排出も減るなど、今まで導入に取り組んでいなかったのが不思議なくらいです。

 ちなみに、あの世界的に有名なエトワール凱旋門があるフランス・パリの「シャルル・ド・ゴール広場」(旧エトワール広場)の交差点が、”円形交差点”こと「ラウンドアバウト」となっています。
 シャンゼリゼ通りの西側の始点でもあり、5本の道路が集まる広場の中心に凱旋門が建造されている広場で、環状の道路をもつ交差点だったのを、1907年に交差点内での車両の通行を、反時計回り(右側通行の場合)の一方通行にした「ラウンドアバウト」として整備し、現在に至っています。パリ市内の「ラウンドアバウト」は、よく映画などにも出てきていますので、見たことはあるかと思います。

 仮に日本に導入された場合は、左側通行のため、環道は時計回りになります。

 円形交差点をあらわす単語には「ロータリー」もありますが、一般的には、「ラウンドアバウト」は環状の道路で、信号や一時停止がない交差点を指し、単純な「ロータリー」と区別されるようです。

 よって、今年3月、長野県飯田市の東和町交差点に日本で初めて導入された”環状交差点”は、信号はないものの、今のところ一時停止が義務付けられているので、本来の意味の「ラウンドアバウト」ではまだないようです。
 交通工学研究会は「ラウンドアバウト」について、「環道交通流に優先権があり、かつ環道交通流は信号機や一時停止などにより中断されない、円形の平面交差部の一方通行制御方式」という定義を示しています。

 現在、日本の道路交通法上では「ラウンドアバウト」に関する規定はないとのことで、今後、どんなルールで改正されるのかに注目です。
 どんな交差点に導入すべきかとか、ドライバーへのルールの周知徹底をどうするかや、環道に合流するタイミングや環道から外れるタイミングなどドライバーの技術的な慣れの問題など、日本に合わせたルールでの導入が期待されます。それでは。

投稿者:森ちゃまat 23:41| お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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