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2011年04月26日

想像力

先日、紀伊半島の南端 和歌山県の現場に行きました。
現場宿では幸い鉄筋コンクリート4階で寝泊りしていました。
幸いと言うと誤解があるかもしれませんが、今のこの御時世
津波に対して関心が無い方がいらっしゃるでしょうか?

和歌山県というと、ほとんどが海岸線に沿った町並みで
三重県と同じく過去の津波被害に敏感な土地です。
国道を走っていると海抜10m以下の堤防やガードレールに
津波浸水を表す青色の破線テープが貼られています。

海上に目をやると、大きな旅客船やタンカー、貨物船が
多く見えて半島の先端であることが想像に難しくありません。
その昔、明治の頃にトルコの軍艦が嵐で座礁し、
この地で多くの犠牲者を出しながら幾らかの船員、軍隊が
現地の方に助けられたそうです。

想像できるでしょうか?

はっきり言って私は全くイメージがわきません。
さぞや悲惨な状況だったのでしょうが、文章読解力の無い
理数系男子である私には、単なる事実記録にしか読み取れず
現地に残された看板や石碑をサラリと読んで
デジカメにおさめて帰ってきました。

人間の感覚器官は“五感”(六感?)というくらいですから
皆さんもよく承知でしょうが、8割が視覚に支配されています。

いわゆる「百聞は一見にしかず」です。

東北地方の被災地では悲惨な状況が想像に難しくないのは
私たちがよく目にするテレビや新聞、はたまたネットでの映像の
おかげではないでしょうか。
“想像力が無い”と自覚している私でも心にザックリと刻まれました。


今日、何気なくテレビを見ていると
被災地で復旧活動をされていらっしゃる自衛隊方々の状況を知りました。

私は測量の現場で幾度と無く縦割り社会に疑問を持っていましたので
「どうせ指揮官(上司)の言うなり、お役目(指示)の元で
 システマチックに管理監督されているだろう・・・」と勝手に想像して
安易に納得していました。なんせ管理・監督の好きな日本人ですからね。
しかし、その関西系の“Y放送局”の報道によると・・
「個々の自衛隊員が自分の判断で(良かれと思うことを原動力に)
 被災地の復旧活動を半ば自発的に、なされている」
とのことで(私はそう解釈しました)涙が止まりませんでした。

なぜでしょうね。
この記事をキーボードで打っている今でも号泣してしまいます。


話を本筋に戻しまして・・・、
仕事の話を雑談として楽しんでいるとその友人知人から
「山に入るって想像が付かない」だとか
「道なき道を歩くんでしょ?」だとか「トンネルってどうやって掘る?」
「崖から落ちたら?」「怖くない?」「歩いて登る?」
「まさかそんな原始的な事やらないんでしょ?」
その他諸々質問や「マジかよ!?」的返事が止まりません。

仕方がありませんよね。想像付かないんですから。
山仕事だとか測量作業や地質調査を見たことないんですから。

電気の世界も具体的に視覚としてみたことがないので
ほとんどの人間は理解に苦しんでいますよね? 未だかつて
「この電子が右からファ〜ッと電線の表面を流れて・・・」なんて
“見て理解した”人間はただの一人もいませんからね。
当然、電子部品のメーカーさんでも電気を“見て理解できた方”は
皆無なはずです。いわば100%想像と理屈の世界ですね。

つまり、見えないから想像が難しいんですよ。慣れないんですよ。
でも、ちょっと考え方を変えて目を閉じて視覚8割から脱却しましょう。
そして想像力を働かせて見たことの無い世界や業界をイメージしましょう。
意外と難しくは無いはずです。

よく例えとして言うことですが・・・・
車で渋滞に遭遇したらその前の車の前を想像すればいいんです。
渋滞の先頭(?)を想像すればいいんです。
事故があったのか、単に右折車が止まっているだけなのか、
信号待ちなのか、工事なのか、はたまた自然に流れが悪くなったのか・・
そうするとどうですか?
不安感が軽くなって、目の前の車のストップランプやバンパーを
睨みつけるようなイライラから解放されませんか?

こんな分業の発達した文明社会で、簡単に大量生産が
なされてしまっている世の中では、自分の知らない世界や業界で
とんでもない荒業や神業がサラリとこなされていると思いがちです。
しかし、意外とビックリするくらいに原始的で単純なことを
とんでもないスピードでコツコツとこなしているだけの事が多いんです。
あの新幹線の先端やロケットの先端なんかも最後には人力でハンマーで
コツコツですから、ワープロでワンクリックのプリントアウトの方が
はるかにハイテクです。


想像力に乏しい方の発言は、自己のアピールだけで止まってしまって
他人のことを理解しようとか、聞こうとはしません。
なぜなら私がそうだからです。冷静な時なら大丈夫なつもりでも
いざ焦ったりするととたんに想像力に欠けて熱くなってしまいます。
「自分はこんなにがんばっているんだ!」とアピールするんですが
聞いている相手の気持ちが想像できていないので、
非常に迷惑な話ですよね。冷静になって反省すること多いです。

常日頃から「当たり前だろう!」と思っていることに疑問意識をもって
自分の価値観・想像力で確固たる意識と信頼感を得て、
不安要素を排除しているつもりですが
人間そう簡単には上手くいかないんですよね。

どうしても、半額セールに惑わされて飛びついちゃいます。
じゃ通常価格だの定価ってなんなんですか?と考えればいいのに
どうして熱くなって見えなくなっちゃうんでしょう・・・。

長く書きましたが、想像できますか?私の伝えたい事の雰囲気。


がんばれ皆 がんばれ日本

投稿者:事務所の主at 19:27| 雑感