2010 年07 月15 日
団地の女学生
ゲイムーブメントをひっぱてきた伏見憲明さんの小説『団地の女学生』
ゲイであり女子社会に受け入れられて育った伏見さんならではの
世界がすごいんです
ここまで女性心理の裏の裏まで描き切った本は中々ありません
あの中村うざぎさんが
人間って本当に薄汚くて愚かで滑稽で、
むちゃくちゃ可愛い生き物だよなぁ
と本のオビで絶賛しています
読後感はまさにその通りです
埼玉県下の巨大団地で起きる2つの物語!
あの女の凋落を私こそが見届けなければ!と語る38歳の訪問ヘルパーは
落ち目となった人気ミュージシャンの女友達に嫉妬の炎を燃やす話と・・・
40代の出会い系にはまるゲイの男性と
自分の老いを受け入れられない老女の交流を描いた物語。
人間のどろどろとした心理がこれでもかと描かれているのですが
読後は、なんだか4つ葉のクローバーを見つけたような爽やかさ
なぜならば、著者が語るこの本のテーマは
ほとんどの人が自分の一番になりたいものになれない。
その後の人生をどう生きるか
だからなのです
その後の人生を受け入れて前を向いて生きたい大人に読んでもらいたい本です
この本に似合う曲は原由子&桑田佳祐「みんないい子(わるい子ヴァージョン)
投稿者:マツえもん、修造at 15 :09| ブックソムリエール