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2013年06月24日

日本の富士山から世界の富士山へ

 静岡市の「三保の松原」から望む富士山です。もっとも富士山らしい”富士山”です。
三保の松原からの富士山
 富士山の世界遺産登録が決まりました。自然遺産ではなく、日本13番目の文化遺産での登録です。

 一時はこの景勝地「三保の松原」も富士山から45キロも離れているとして、ユネスコ諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」から除外を勧告されていました。

 最終的には「三保の松原」も含まれた登録決定となりましたが、それは土壇場での逆転劇だったようです。

 賢明なロビー活動の成果もあり、プノンペンで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会の各国代表の意見表明で、発言した19ヶ国の多くから、「三保の松原」を含めるよう求める声があがったそうです。

 そのひとつ、ドイツ代表の意見表明を紹介します。

 『富士山のイメージは、特に19〜20世紀の美術の発展に優れた形で影響を与えた。三保の松原は世界でもっとも優れた景勝地のひとつだ。含めるべき明確な勝ちがある。』

 含まれて本当に良かったと思います。この景色はいつまでも残しておくべきです。

 ちなみに、これで日本の世界遺産は、文化遺産が13件、自然遺産が4件の計17件となりました。
 この機に、おさらいしておきましょう。

[文化遺産]

01. 法隆寺地域の仏教建造物
   1993年 奈良
02. 姫路城
   1993年 兵庫
03. 古都京都の文化財
   1994年 京都、滋賀
04. 白川郷・五箇山の合掌造り集落
   1995年 岐阜・富山
05. 原爆ドーム
   1996年 広島
06. 厳島神社
   1996年 広島
07. 古都奈良の文化財
   1998年 奈良
08. 日光の社寺
   1999年 栃木
09. 琉球王国のグスクおよび関連遺産群
   2000年 沖縄
10. 紀伊山地の霊場と参詣道
   2004年 三重・奈良・和歌山
11. 石見銀山遺跡とその文化的景観
   2007年 島根
12. 平泉
   2011年 岩手
13. 富士山-信仰の対象と芸術の源泉
   2013年 山梨・静岡

[自然遺産]

01. 白神山地
   1993年 青森・秋田
02. 屋久島
   1993年 鹿児島
03. 知床
   2005年 北海道
04. 小笠原諸島
   2011年 東京

 世界遺産となった”富士山”。これからが大変です。登山人口の急増による混雑・危険度の増加、自然破壊、ゴミやトイレの問題など、課題は山積みです。

 山梨県や静岡県はこの夏から入山料の徴収を検討しているとのこと。お釣りのいらない1,000円で調整をしているようですが、ある試算では1,000円では登山人口の急増の歯止めには全くならず、効果があると思われるのは7,000円との言われているとのこと。ある意味、もっともと思われます。

 過去には、2004年に世界遺産に登録されたドイツの「ト゜レスデン・エルベ峡谷」が、交通渋滞緩和のため住民投票で4車線の橋をかけたところ、景観が損なわれたとして、2009年にユネスコは登録を抹消した例もあります。

 まずは、”富士山”の世界文化遺産登録をお祝いし、「三保の松原」が含まれたことを喜び、”富士山”が世界中から愛される山となっていくように見守っていきたいと思います。それでは。

<日本ユネスコ協会連盟>
http://www.unesco.or.jp/isan/

投稿者:森ちゃまat 23:59| お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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