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2024年12月21日

発疹のない帯状疱疹




発疹の無い帯状疱疹はあるか。帯状疱疹は一度罹った水疱瘡のウイルスが神経節などに潜んでいて免疫力の低下した時に増殖し感覚末梢神経を通じて広がり疼痛、発疹をきたす病態である。名のとおり末梢神経に沿い帯状に発疹群を生じる。臨床診断は正中線を越えない一側の帯状の発疹群の確認によってなされる。つまり。発疹が確認できないと診断ができないと考えられることが常識とされている。全ての病気について言えることであるが病態には極軽症から重症へと至る様々な状況があると考えられる。発疹のない帯状疱疹は病初期の状態であるか又は宿主の免疫力に阻まれ病勢を展ばせない状況でもありうると思われる。頭部においては三叉神経?枝領域と後頭神経領域は好発部位である。最近頭痛を訴える患者で他に頭痛の原因が考えにくく発疹は確認出来ないが帯状疱疹と考えるのが合理的な所見を示す患者が数人あった。一人は予言のとうり前額に発疹が出現し直ちに抗ウイルス薬を使い改善した。2人は発疹のない帯状疱疹とみなして抗ウイルス薬を投与し急激な頭痛の改善をみた。条件が揃えば発疹が無くても臨床的には帯状疱疹と診断して治療できると考えられる。

投稿者:KUSUat 23:10 | 日記

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