2025年2月11日
高齢者てんかんについて

高齢者てんかんについて てんかんは小児の病気と思われる人は今も多いと思う。実数で言えば高齢化少子化の影響もあり高齢者のほうが多くなっていると思われる。成人後のてんかんは減少し高齢になって発症が増えてくる。時系列でみるとUカーブになっている。高齢者てんかんは口から泡を吹いたり全身けいれんといった形は少ない。意識を失って急に動かなくなったり、記憶が抜けたり、急に動きが止まったり、夢遊病のように行動したり、視野に一過性の異常をきたしたり、認知症と間違われたり、お腹が痛くなったり、半眠りで口をクチャクチャしたりと様々で分かりにくい。ヒントは2回以上繰り返すと疑う必要がある。記憶が抜ける一過性全健忘は通常1回のみである。一過性脳虚血発作でも視野異常など類似の症状がある。他疾患を除外することは重要である。脳波で異常を捉えにくいこともあり単純に症状だけで診断治療を行うと誤ることがある。他医療機関で高齢者てんかんと診断治療された方で引っ越しされてきて治療継続で診ていてコントロールが悪く、投薬調整しても改善せず、高齢者では珍しい難治例かと考えていた例で、ある時一過性の著明な徐脈を認め洞不全症候群と診断した例がある。ペースメーカーを装着し発作は消失した。ただ高齢者てんかんは証拠をつかみにくいことも有り、条件がそろえば試験的に抗てんかん薬を投与し経過をみることも有りだと現実的対応として考えている。抗てんかん薬は通常を半量ぐらいで以前はカルバマゼピンでしたが最近はラコサミド、ペランパネル、レビチラセタムを使うことが多い。高齢で多剤服用されている場合は多剤への代謝上の影響がないとメイーカが説明しているラコサミドを使っている。