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2025年2月11日

高齢者てんかんについて




高齢者てんかんについて てんかんは小児の病気と思われる人は今も多いと思う。実数で言えば高齢化少子化の影響もあり高齢者のほうが多くなっていると思われる。成人後のてんかんは減少し高齢になって発症が増えてくる。時系列でみるとUカーブになっている。高齢者てんかんは口から泡を吹いたり全身けいれんといった形は少ない。意識を失って急に動かなくなったり、記憶が抜けたり、急に動きが止まったり、夢遊病のように行動したり、視野に一過性の異常をきたしたり、認知症と間違われたり、お腹が痛くなったり、半眠りで口をクチャクチャしたりと様々で分かりにくい。ヒントは2回以上繰り返すと疑う必要がある。記憶が抜ける一過性全健忘は通常1回のみである。一過性脳虚血発作でも視野異常など類似の症状がある。他疾患を除外することは重要である。脳波で異常を捉えにくいこともあり単純に症状だけで診断治療を行うと誤ることがある。他医療機関で高齢者てんかんと診断治療された方で引っ越しされてきて治療継続で診ていてコントロールが悪く、投薬調整しても改善せず、高齢者では珍しい難治例かと考えていた例で、ある時一過性の著明な徐脈を認め洞不全症候群と診断した例がある。ペースメーカーを装着し発作は消失した。ただ高齢者てんかんは証拠をつかみにくいことも有り、条件がそろえば試験的に抗てんかん薬を投与し経過をみることも有りだと現実的対応として考えている。抗てんかん薬は通常を半量ぐらいで以前はカルバマゼピンでしたが最近はラコサミド、ペランパネル、レビチラセタムを使うことが多い。高齢で多剤服用されている場合は多剤への代謝上の影響がないとメイーカが説明しているラコサミドを使っている。

投稿者:KUSUat 12:50 | 日記

2025年1月4日

年の初めに 2杖歩行を進める




年の初めに、今年は2杖歩行の推進を図りたい。ウオーキングポールを使うことで転倒事故を防ぐ事をフレイルや歩行障害の方にこれまで勧めてきた。その過程でウオーキングポールを使うと閉眼しても室内を歩き回ることが出来ることに気付いた。これが視覚障がい者の事故防止や活動範囲の拡大に繋げることができるのではないかと考えていたが、ようやく視覚障がい者と実際に接している方やウオーキングポールを作成している方と連絡が取れることになった。視覚障害の方が動作する際は周囲の状況確認と自らのバランスをとる必要があるがウオーキングポールを使うことでその両者を確保することができる。広い平らな地面であれば左右前後に走り回ったりジャンプすることも出来ると思われる。その為のポールの使い方やジャンプの仕方を試しているが、手法を整理して実際に使ってみてもらう必要があると考えている。またポールに追加の機能をつけることも有効だと思っている。例えば、すでにあるかも知れないが点滅LEDライトを付ければ周囲の人に視覚障害があることを分かってもらえ事故を未然に防ぐことも可能になると思われる。実際に試してもらい試行錯誤しながら手法や機材を開発していければ良いと思っている。

投稿者:KUSUat 16:31 | 日記

2024年12月21日

発疹のない帯状疱疹




発疹の無い帯状疱疹はあるか。帯状疱疹は一度罹った水疱瘡のウイルスが神経節などに潜んでいて免疫力の低下した時に増殖し感覚末梢神経を通じて広がり疼痛、発疹をきたす病態である。名のとおり末梢神経に沿い帯状に発疹群を生じる。臨床診断は正中線を越えない一側の帯状の発疹群の確認によってなされる。つまり。発疹が確認できないと診断ができないと考えられることが常識とされている。全ての病気について言えることであるが病態には極軽症から重症へと至る様々な状況があると考えられる。発疹のない帯状疱疹は病初期の状態であるか又は宿主の免疫力に阻まれ病勢を展ばせない状況でもありうると思われる。頭部においては三叉神経1枝領域と後頭神経領域は好発部位である。最近頭痛を訴える患者で他に頭痛の原因が考えにくく発疹は確認出来ないが帯状疱疹と考えるのが合理的な所見を示す患者が数人あった。一人は予言のとうり前額に発疹が出現し直ちに抗ウイルス薬を使い改善した。2人は発疹のない帯状疱疹とみなして抗ウイルス薬を投与し急激な頭痛の改善をみた。条件が揃えば発疹が無くても臨床的には帯状疱疹と診断して治療できると考えられる。

投稿者:KUSUat 23:10 | 日記

2024年11月8日

南加賀睡眠カンファレンス 循環器疾患とSAS




名古屋ハートセンター循環器内科部長 佐藤公洋先生
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の殆んどは閉塞性と言われています。afの約8割はSASを合併しています。SASで胸腔内圧が上昇すると交感神経が亢進し不整脈が生じやすくなります。また副交感神経も亢進し、不整脈が持続し易くなります。それと低酸素血症は伝導障害を起きやすくします。SASは循環器系診断治療において重大な意味が有ります。私の専門はカテーテルアブレーションですがafでアブレーションした場合の予後をみるとSASを伴わないものは再発が少なく伴うものは継時的に再発率が上昇してきます。その場合アブレーションした場所以外の部分から異所性刺激が出てきます。CPAP治療を行うと予後はSASを伴わないグループに重なるような経過をたどることがわかり、アブレーションだけで治療を終えてはならないということになります。高血圧症を含め循環器系疾患では終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)は重要です。ただPSGは手軽には行うことが出来ないため簡易PSGでスクリーニングするのが現実的です。ウオッチパット(WP)は従来の方式と比べると検出方法が違います。しかし信頼度は高いので、患者への負担が少なく簡便に施行できるため我々はWPを使用しています。CPAP適用となるものや精密PSGが必要となるものは専門医療機関で検査治療してもらうように図っています。

投稿者:KUSUat 23:21 | 日記

2024年10月13日

神経学会特別教育研修 認知症




認知症最近の話題としては抗アミロイドβ抗体薬が上市されアルツハイマー病(AD)によるMCIに対しての治療薬として期待される。診断するためのアミロイドPETや脳脊髄液Aβ測定などの新技術も保険適応となった。病理的にはアミロイド病理はタウ沈着へと移り変わるがタウ病理は神経原繊維変化として知られる。タウ病理はアミロイド病理が存在しないと進展しない。タウ、Aβ、αシヌクレインなどはseeding活性をもち、異分子は主にシナプスを介して細胞から細胞へ伝播(propagation)する。バイオマーカーとしてアミロイドPET,タウPETなど画像によるものや血中Aβ測定など血中バイオマーカー測定など有望な計測法が確立されつつある。これまで想定されていたMCIから認知症に移行する割合は近年予測を下まわる傾向にある。これには禁煙や高血圧、糖尿治療予防の影響が考えられている。日常診療においての認知症診断ではそれぞれの疾患の特徴が参考になる。前頭側頭型認知症の発症は65歳前が多い。ADではMMSEにおける3語の遅延再生が0点図形模写の構成障害が特徴となる。DLBでは図形が小さくなる。また認知症診断では難聴や薬物(睡眠薬、抗不安薬など)の影響を除外する必要が有る。物忘れ=ADではない。感情を伴う記憶は作られやすく残り易いということは考慮して判断する。家族が訴える物忘れは病気である可能性が高い。固有名詞を忘れるよりトイレの水の流し忘れや最近のニュースが残っているかなどを質問します。注意力の障害は進行性核上麻痺、レビー小体認知症に目立ちます。BPSDの薬物療法では環境調整、対応の工夫、便秘疼痛の対応など非薬物療法を先ず行います。抗精神病薬の使用も考えられるが安全性の高い漢方薬も検討する価値がある。抑肝散(興奮、攻撃性、幻覚、妄想)、抑肝散加陳皮半夏(食欲不振、)、人参養栄湯(食欲不振、フレイル)が考えられる。甘草を含むため低カリウム血症に注意が必要である。うつには補剤である補中益気湯、人参養栄湯、加味帰脾湯が考えられる。認知症の中でレビー小体認知症が介護度が高く自律神経障害がADより多い。RBD(レム睡眠行動障害)や嗅覚低下がある。パーキンソニズム治療にはレボドーパ、ゾニサミドを使うことが出来る。

投稿者:KUSUat 00:09 | 日記

2024年9月10日

睡眠時無呼吸症候群の検出




4年前より簡易PSG(終夜睡眠ポリグラフィー)を外来で普段診療している患者さんで行うと高率に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を認め半数がCPAP(持続陽圧呼吸)適応に入るという結果であった。念のため専門医療機関で精密PSGを依頼し結果は大きくは変わらなかった。使った簡易PSGはウオッチパットという製品で30年前にイスラエルで開発されている。多少の弱点はあるが自宅での装着が簡単で鼻カニューレを使わないので睡眠が障害されることが無く使い易いシステムである。これまでこの検査を呼吸機器関連の会社に依頼していたのが、このサービスが終了してしまい何らかの対応策を考えなければならなくなった。簡易PSGで重要視していたのは酸素飽和度の低下で、低下が大きい場合は精密PSGを強く勧めていた。SASは低酸素血症をきたすことで障害を生ずるので終夜酸素飽和度モニターが出来れば重症例を見逃すことはないと考えた。三栄メディシスで終夜記録できる機器を販売しているのでそのシステムを購入することとした。循環器内科の先生はSASに対する関心は高くスマートウォッチを使って参考にしているクリニックもあると聞いたので方向としては悪くないのだろうと考えている。

投稿者:KUSUat 10:22 | 日記

2024年8月6日

夏休み (2)





投稿者:KUSUat 19:04 | 日記

2024年8月5日

夏休み (1)





投稿者:KUSUat 17:14 | 日記

2024年7月24日

脳波計の更新




脳波計の入れ替えは今回で3回目になる。最初の脳波計はアナログで折り重なる記録紙にペンで脳波が記録される仕組みで記録された用紙で保管場所が狭くなっていった。2台目からはデジタル脳波計となり保管はCDに記録していった。今度の脳波計からはUSBに記録することになり、保管スペースが全く必要でなくなった。デジタル化で最も大きなことは各種誘導が検査後でも自由に目的に応じて選べることで画期的な機能と言える。また数値データを使い解析や分かりやすい提示をすることも可能になってきた。三台目の脳波計はメーカーが変わったがアーチファクト(脳波以外のノイズ)を除去する機能が優れているが未だその機能を使いこなす所までに至っていない。脳波計が手元にあると様々な機会で使うこと出来て有難い。

投稿者:KUSUat 23:38 | 日記 | コメント(0) | トラックバック(0)

2024年7月2日

新たなアルツハイマー病治療


アルツハイマー病治療について 金沢大学医学部脳神経内科学 篠原もえ子准教授 アルツハイマー病(AD)はアミロイド前駆体タンパク(APP)が切断されAβが神経細胞外にモノマーとして放出されオリゴマー、プロトフィブリル、フィブリル、Aβプラークとなり神経細胞障害を起こすとされている。レカネマブはヒト化IgG1モノクロナール抗体でありプロトフィブリルやフィブリルに選択的に結合する。高齢化に従いADの有病率は上がっていくと考えられていたが近年以前考えられていたほど上昇はしていないことが分かった。理由は禁煙や血圧の管理の進化など関与しているようである。認知症に占めるADの割合は67.8%で半数を超える。レカネマブ治療の対象はMCIまたは軽度認知症でアミロイドPETまたは脳脊髄液検査でAβの存在を確認出来た方になる。また2週間に1回通院して点滴を受けることになるので、それができる方が対象となる。副作用としては脳浮腫や出血があるが症状を伴わないことが多い。現在金沢大学では27人治療中で次第に人数を増やしていく予定です。

投稿者:KUSUat 00:25 | 日記

2024年6月2日

日本神経学会


脳梗塞へのブレインハートチームの診療 卵円孔開存(PFO)は成人で3〜4人に1人あると言われ、程度が強いと右心房から左心房へのシャントが生じます。つまり静脈系で生じた血栓が直接動脈系に流れ脳塞栓をきたします。子宮腺筋症(CA125が高値、)では凝固系が亢進し、プロテインC欠乏症でも亢進します。この時PFOがあると出来た血栓はシャントを通って脳塞栓をきたします。このような状況での経皮的卵円孔閉鎖術は凝固系の亢進があることを承知して対応する必要があります。婦人科、循環器科、脳卒中科がチームで診療を行う必要が有ります。非弁膜性心房細動(af)は特に左心房耳に血栓を作り易く、脳塞栓予防治療として左心耳閉塞術が考えられます。特に外傷をきたし易い状況の方やアミロイドアンギオパチーなど出血リスクの高い場合でワーファリンDOACが使用しにくい時、選択枝となります。経皮的に行う方法と外科的に行う方法が有りますが効果に関してはデータはそろっていない状況です。afからの塞栓症に対してカテーテルアブレーションの有効性についてはafが続く場合の予後は良くありませんのでアブレーションでリズムコントロールすることで予後の改善が期待できるとされています。急性大動脈解離(AAD)で脳梗塞をきたすことがあります。この時、大動脈解離を認識せずに血栓溶解療法を行うと大出血をきたします。AADによる脳梗塞の特徴は左片麻痺、20mmHg以上の血圧左右差、血圧低下、変動する意識障害、痛みの欠如などで該当する場合は頭部CTに続いて胸部頸部CTを行うことで診断することが可能です。またD-dimerの測定も有用です。

投稿者:KUSUat 22:38 | 日記

2024年6月1日

脳神経外科コングレス


慢性硬膜下血腫の治療 名古屋大学脳神経外科 永島吉孝先生 慢性硬膜下血腫の手術後再発率は10%〜20%と言われ医療費も倍を越えることになります。薬物療法としてはステロイド、トランサミン、五苓散等を使うことが有りますが主には術後の再発予防として使われます。手術は穿頭または開頭でなされますが穿頭によるものが再発率は少なく、術後ドレイン設置の方が再発は少なくなります。また7日目に血腫腔内に空気を残すものは再発が多いと言えます。血腫腔内の洗浄の有無は再発率に大きな影響は有りませんでした。ただ洗浄液が人工髄液と生理食塩水で比べると人工髄液で再発率は少ない傾向にありました。また洗浄液を体温に加温すると再発が少なくなりました。つまり加温人工髄液で洗浄すれば再発率を更に下げることができるとも考えられます。

投稿者:KUSUat 19:16 | 日記

2024年5月22日

抗てんかん薬の血中濃度測定


てんかん治療において抗てんかん薬の血中濃度測定は極めて有用である。血中濃度には有効範囲があるが、これを下まわっても実際の発作がコントロールされていれば問題はない。また濃度が範囲を上まわることがあるが高濃度で副作用が出る薬剤に関しては定期的な血中濃度測定が望ましい。てんかん治療は年余にわたるので服薬の継続は重要である。患者によってはきちんと服薬しなかったり、出来なかったりする方があるが実際の服薬の状況を他覚的に知るうえで有力な武器である。血中濃度と実際の効果がリアルタイムに平行するかは薬剤によって異なると思われる。薬剤が効果を発揮する組織に留まる時間が長ければ血中濃度が一時的に下がっていたとしても効果は持続する。また薬剤によっては血中半減期の長いものもあれば短いものもある。以上のようなことで年に2回少なくても1回は血中濃度測定を行うように努めている。

投稿者:KUSUat 23:51 | 日記

2024年5月16日

脳波検査について


脳波検査が臨床に使われるようになって半世紀以上は経過している。中枢神経系の疾患は多岐にわたり、様々な手法を用いて診断を絞り込む必要が有る。形態的変化を呈するものはCTやMRIで見ることが出来る。神経学的検査は病態把握には必須の手技で容易に行えて、得る情報量は多い。脳波検査はてんかん診療には欠かせない検査であるが脳の機能や活動性の評価にも有用である。画像に反映しにくい神経膠腫やクロイツフェルト・ヤコブ病の診断に大きな貢献をした経験がる。最近話題の高齢者てんかんでは脳波の典型的異常を捉えにくい為脳波検査なしでも診断が決定され抗てんかん薬が処方されることがあるが、一度は脳波検査を行いベースの脳機能の程度を見ておきたいと思われる。高齢者てんかんがアルツハイマー型認知症と間違われたりアルツハイマー型認知症には高頻度に高齢者てんかんを合併することが有るのでややこしいい。高齢者てんかんと診断され抗てんかん薬服用中の患者さんが引っ越しで紹介されてきたことがあったが、コントロールが悪く不思議に思っていた。高齢者てんかんは少量の抗てんかん薬でコントロール良好がほとんどなのです。この方は脈の乱れから検査を進め洞不全症候群であることが分かりペースメーカーで改善した。アルツハイマー型認知症の患者さんで友人と会話中に急に会話が止まって無反応になり再び元に戻った例はてんかんの合併と考え抗てんかん薬投与開始し発作は消失している。以上のような場合、脳波検査なしで診断を絞っていくのはかなりストレスとなる。最近、脳波計が故障してしまい新しい脳波計を購入となったのですが注文生産とのことで現在納入待ちでもうしばらくの辛抱です。

投稿者:KUSUat 00:30 | 日記

2024年4月18日

パーキンソン病セミナー(精神症状)


パーキンソン病に伴う精神症状のマネジメント 伊敷病院理事長 植村健吾先生 パーキンソン病に伴う精神症状は病初期あるいは前段階より出現してきます。不安症であったりうつ状態アパシーなどを呈します。病理学的変化は脳幹より大脳へと進展し症状は顕著となってきます。パーキンソン病治療は運動症状改善に主眼をおくことが多いのですが抗パーキンソン薬は精神症状の悪化を引き起こす傾向にあります。治療的には運動症状と精神症状はシーソーの関係にあり精神症状が強い場合は抗パーキンソン薬を減らし精神症状の改善を図らないと上手く行かないことがあります。精神症状を改善し意思疎通を図ってから運動症状の修復を目指します。薬剤では非定形的向精神病薬のセロクエルや抗認知症薬のリバスチグミンなどを使います。どの抗パーキンソン薬も精神症状を出す可能性があります。なかではL-dopaは最も精神症状が少ないので最後まで残すことになります。ただ最近使われるようになったL-dopaの24時間持続投与は通常経口投与が2/67に対し11/74で幻覚が出現し易いといわれます。幻覚があっても気にならないようであればそのまま様子を見ます。ケアの面でいうと身体症状と精神症状では後者が余程困難ですので身体症状を後回しにして精神症状を優先して対処します。幻覚症状にたいしては非定型的向精神病薬が有効ですが不眠の改善も有効でゾルビデムやクロナゼパムが使われます。この剤はドーパミンを増やす作用があると言われています。

投稿者:KUSUat 22:50 | 日記

2024年4月10日

教育講演 アトピー性皮膚炎


トピー性皮膚炎の長期寛解維持のストラテジー ひふのクリニック人形町 上出良一院長  アトピー性皮膚炎の始まりは皮膚角層バリアの損傷です。ガサガサの皮膚からアレルゲンが入り、それに対して生体が反応し炎症や免疫反応を生じます。痒みも出て皮膚を引?いて悪循環に入っていきます。口から入るアレルゲンに対しては生体の反応は皮膚経由に比べ本来少ないと言われています。離乳の前に皮膚からの侵入で感作されないようにケアすることが重要です。アトピー性皮膚炎ハイリスクの新生児で乳液タイプの保湿薬を使用しケアすると非使用群に比べ罹患比率を下げることが出来ました。アトピー性皮膚炎の治療には全身療法として内服薬、注射薬があります。今回は外用薬に新たな機序の薬剤が使えるようになり取り組み方も変化してくると考えています。外用薬ではステロイドは欠かせない薬剤の一つですが長所短所があります。一時マスコミによるステロイド悪者報道で社会問題となったことがありますが医療界からの説明努力で大きな誤解は少なくなる方向にあります。ジファミラスト軟膏は皮膚において炎症を引き起こすホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害する外用薬です。この薬剤は軽症から中等症で実績を示してきました。ステロイドで改善してきた状態をこの薬に引き継いでいきステロイドの長期使用による副作用を防ぐことも可能になってきました。これからこの薬の使用法の幅は広がると思われます。(文責 楠野)

投稿者:KUSUat 22:51 | 日記

2024年3月22日

良性発作性頭位変換動揺症とは?




良性発作性頭位変換動揺症は正式な病名ではありません。現在、良性発作性頭位めまい症(BPPV)に対して微小頭位変換法という手技を行い効果をあげています。その経緯の中で目の回らないめまい、頭部を急に動かした時の短時間のフワッとするめまい(目は回らない)に対しても微小頭位変換法が有効であることが経験され、このような症状を持つ場合にも積極的に取り組もうと考えています。BPPVが遷延化した場合、回転性めまいではなく頭位変換時に一瞬のふらつきがあり目は回らないという発作が繰り返す場合が有ります。最近、2年間、半年間、3か月持続した起床時などに一瞬のふらつきが出現する複数の患者さんで微小頭位変換法を行い早くて1週間、遅くて4週間でほぼ治癒するという経験が有ったのです。またBPPVの患者さんに微小頭位変換法を勧めたところ、それまで時々あった起床時などの一瞬のふらつきがなくなったと知らせてくれる方もありました。起床時などに一瞬フラッとする目の回らないめまいはかなりのひとが経験していると思います。これらをBPPVの不全型と考え微小頭位変換法を行うことで治療できるのではないかと考えています。また目は回らないのでめまい症ではなく良性発作性頭位変換動揺症という新たな疾患概念にした方が混乱しないかも知れません。だだし治療法は同一で微小頭位変換法(6分間法)とホームエクササイズとして微小頭位変換法(2分間法)を行います。

投稿者:KUSUat 20:57 | 日記

2024年3月9日

脳卒中学会




脳卒中後てんかんのパラダイムシフト 国立循環器病研究センター脳神経内科 猪原匡史先生 脳卒中後てんかんは高齢者てんかんの半数を占めると言われています。脳卒中による脳損傷に由来し1週間以内に出現するものをerly seizure,以後に出るものをlate seizureと言います。ただ実際は1週間できちんと分けられるのではなく移行していると考えられています。てんかんの診断は24時間以上あけて2回以上の発作で診断しますが高リスクのものでは一回でもてんかんと診断し治療に入ります。てんかんの起き易さをスコアでとらえますが脳出血ではCAVE score 脳梗塞ではSeLECT scoreが使われます。erly seizureがあると重篤性が高くなり脳表病変で起きやすいとされています。またスタチンは発作抑制的に働きます。脳卒中後てんかんの約半分でMRI上ジデローシス(ヘモジデリン沈着)をみますが、対象群では5%にあるのみです。診断ではけいれんの無いものが多く脳波による検出も長時間でないと検出率を高めることができないという問題があります。脳波所見は棘徐波結合や律動的なデルタ波などです。脳血流SPECTで発作に近い時間での贅沢還流現象をとらえることも有用です。これには時間をおいて2回検査するやりかたや、一回の検査で反対側と比べる方法などが有ります。脳表病変は脳波が有効で、深部病変はSPECTが有効だと考えられます。治療は抗てんかん薬が有効で一次薬としてレベチラセタム、ラモトリギン、トピラマートやゾニサミドなど最近の薬が副作用が少なく効果もあります。脳卒中後てんかんは再発が多く機能予後、死亡リスク、認知症リスクを悪化させます。てんかんが脳卒中を起こすことも言われ、抗てんかん薬が脳卒中を起こし易くしている可能性も考えられています。

投稿者:KUSUat 19:33 | 日記

2024年2月9日

セミナーPDと睡眠障害




パーキンソン病(PD)の睡眠障害 獨協医科大学 
鈴木圭輔教授  パーキンソン病の睡眠障害は6割にあり入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などがあります。またRBD(レム睡眠行動異常)が発症より何年も前から出現してきます。RBDは明け方に多いと言われ、本来レム期では骨格筋活動が抑制されるのですが、その抑制が外れた状態と言われています。神経変性疾患におけるRBDの比率はシヌクレオパチーを呈する病気に多くPDで15〜60%,多系統萎縮症90%、レビー小体認知症(DLB)86%です。レストレスレッグズ症候群(RLS)はPDでは健常者に比べて有病率が高くなっています。ドーパミン作動薬への反応性が高いと言われ、また周期性四肢運動を睡眠ポリグラフィーで見ることが有ります。PDとRBDの合併の特徴は転倒の増加、すくみ足、ドーパミン作動薬への反応性の不良、認知機能障害、起立性低血圧、色覚識別能の障害などが有ります。ゾニサミドは他の抗パーキンソン薬と違いジスキネジアを悪化することが無く、振戦に対して効果的です。また振戦が目立つタイプのPDで治療効果が出やすいと言われています。DLBの幻覚、妄想を悪化させることのない抗パーキンソン薬としても貴重な薬剤と言えます。

投稿者:KUSUat 23:39 | 日記

2024年1月1日

年の初めに


今年の目標は良性発作性頭位めまい症の新たな治療法を検証確立し広く知ってもらうことを目指そうと思います。 良性発作性頭位めまい症(BPPV)の治療は10年程前に,眩暈発作誘発刺激閾値をBPPV特有の減衰現象獲得刺激閾値が下回っているとの予測で試験的に始めました。改良を加えて最近は中等症や軽症ではほぼ全例で効果を確認出来ています。ただ重症での経験は少数で、確定出来るまでの症例数はない状況です。めまい診療の専門の耳鼻科医やめまい治療を熱心にやっておられる耳鼻科の先生に共同での研究を提案しましたが理解を得ることはありませんでした。そこで私の脳神経内科の恩師に最もめまい研究の実績のある先生を教えてもらい意見を伺うことにしました。その先生の話でBPPVの原因の半規管迷入の耳石片は微小耳石片の集合でこれが離合するとする説を踏まえると私の考えた方法が説明できる可能性があるとの指摘を受けました。そのことを念頭に更に改良を行い、最近例では一度の手技で治癒してしまう例が3例あり大きな自信を得ることができました。これからの研究は協力して検証、確立する方向で進みたいと考えています。この方法「微小頭位変換法」(減衰法から改め)が世の財産となるよう頑張りたいと思います。

投稿者:KUSUat 10:34 | 日記

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