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2024年2月9日

セミナーPDと睡眠障害




パーキンソン病(PD)の睡眠障害 獨協医科大学 
鈴木圭輔教授  パーキンソン病の睡眠障害は6割にあり入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などがあります。またRBD(レム睡眠行動異常)が発症より何年も前から出現してきます。RBDは明け方に多いと言われ、本来レム期では骨格筋活動が抑制されるのですが、その抑制が外れた状態と言われています。神経変性疾患におけるRBDの比率はシヌクレオパチーを呈する病気に多くPDで15〜60%,多系統萎縮症90%、レビー小体認知症(DLB)86%です。レストレスレッグズ症候群(RLS)はPDでは健常者に比べて有病率が高くなっています。ドーパミン作動薬への反応性が高いと言われ、また周期性四肢運動を睡眠ポリグラフィーで見ることが有ります。PDとRBDの合併の特徴は転倒の増加、すくみ足、ドーパミン作動薬への反応性の不良、認知機能障害、起立性低血圧、色覚識別能の障害などが有ります。ゾニサミドは他の抗パーキンソン薬と違いジスキネジアを悪化することが無く、振戦に対して効果的です。また振戦が目立つタイプのPDで治療効果が出やすいと言われています。DLBの幻覚、妄想を悪化させることのない抗パーキンソン薬としても貴重な薬剤と言えます。

投稿者:KUSUat 23:39 | 日記

2024年1月1日

年の初めに


今年の目標は良性発作性頭位めまい症の新たな治療法を検証確立し広く知ってもらうことを目指そうと思います。 良性発作性頭位めまい症(BPPV)の治療は10年程前に,眩暈発作誘発刺激閾値をBPPV特有の減衰現象獲得刺激閾値が下回っているとの予測で試験的に始めました。改良を加えて最近は中等症や軽症ではほぼ全例で効果を確認出来ています。ただ重症での経験は少数で、確定出来るまでの症例数はない状況です。めまい診療の専門の耳鼻科医やめまい治療を熱心にやっておられる耳鼻科の先生に共同での研究を提案しましたが理解を得ることはありませんでした。そこで私の脳神経内科の恩師に最もめまい研究の実績のある先生を教えてもらい意見を伺うことにしました。その先生の話でBPPVの原因の半規管迷入の耳石片は微小耳石片の集合でこれが離合するとする説を踏まえると私の考えた方法が説明できる可能性があるとの指摘を受けました。そのことを念頭に更に改良を行い、最近例では一度の手技で治癒してしまう例が3例あり大きな自信を得ることができました。これからの研究は協力して検証、確立する方向で進みたいと考えています。この方法「微小頭位変換法」(減衰法から改め)が世の財産となるよう頑張りたいと思います。

投稿者:KUSUat 10:34 | 日記

2023年12月24日

今年をふりかえって


本年を振り返ってみると睡眠時無呼吸症候群(SAS)と脳卒中との重大な関係を広く知ってもらうことは道半ばにも達していない状況といえます。当院での症例では数が多くないことに加え年齢のバラツキがあり説得性に欠けるとということだと思います。それは分かっていて研究進展の切っ掛けとしての学会誌への提案でしたが脳卒中学会全体にあるSASに対する無関心と無視が影響したことは査読でのコメントより感じられました。循環器内科学会では3月にSASについてのガイドラインが改定され、その中には脳卒中との関連も記載され私の研究結果と相応するものでした。他の学会で取り上げられているという逆転現象です。ガイドラインの中には心房細動(af)でのSASの合併は8割に達するとの記載があり、afは脳塞栓症の最大の原因です。現在、脳塞栓症の患者さんの治療は急性期は血栓回収術やTPA治療ですが慢性期にはDOAC、ワーファリンを使用し再発予防をします。この治療は脳神経内科医と脳神経外科医が担っていますが、循環器内科を経ずに直接脳塞栓症を診ることになった場合、慢性期治療において重症SASを認識しないまま診療が進む可能性があります。この点から先ず私の周りにいる先生達にお話して興味を持ってもらい、そこから本来の脳虚血性病変との関連に広げてもらうことを期待しようとと思います。

投稿者:KUSUat 14:14 | 日記

2023年12月7日

自転車用ヘルメットのススメ


TVで映画「かもめ食堂」を観ていると片桐ハイリがヘルシンキの街で市場への買い物に自転車で行く場面があり黄色の自転車用ヘルメットを被っていることに気が付いた。2006年の映画なので随分以前から使われていることが分かった。日本ではモルモン教の勧誘に自転車に乗った若い男性の2人組を見かけるが、必ず自転車用ヘルメットを被っているのはルールがあるのだろう。自転車に乗る時のヘルメット装着が義務化され少しずつヘルメットを被る人が増えてきたように思う。私も7000円のヘルメットを購入した。ピッタリ合わすのにいろいろ試して時間がかかったが使ってみると違和感が無く軽く頼もしく感じられてきた。オートバイ用と比べれば自転車はスピードも遅くエネルギー量も少ないので、この程度で用を果たすのだろう。転倒して頭部を打撲するのはフレイルの人やパーキンソン病、脳血管障害の人では珍しくない。頭部打撲すると脳損傷をきたしたり慢性硬膜下血腫を生じたりと予後を本来の病気以上に悪化させる。よく転倒をおこす人には最近自転車用ヘルメットの着用を勧めている。街の中でもヘルメットをつけている人が増えれば着用に抵抗感が無くなると思う。

投稿者:KUSUat 16:24 | 日記

2023年11月19日

神経内科学会地方会


抗認知症薬についての発表が3題あったので概略してみる。コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)使用での食欲への影響 福井総合クリニック 林広美先生 ChEIは服用すると食欲低下をきたすことが問題となる。ChEIはドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類が使われているが、それぞれで食欲、摂取量、味、食事回数を5段階評価して検討した。リバスチグミンで食欲が最も保たれた結果であった。  ドネペジル著効のレビー小体認知症について 日赤名古屋第二病院 柳沢哲朗先生 80歳女性のレビー小体認知症の例でドネペジルが著効を示したがコリン作動性ニューロンの障害が考えられた。これは無名質の萎縮像からも推測された。アルツハイマー型認知症における著効効果と同様な機序であることを思わせる メマンチンで睡眠時間短縮がみられたハンチントン病の症例。藤田神経内科病院 藤田祐之先生 メマンチンはハンチントン病の舞踏運動の改善にに使用されることがある。49歳の女性でメマンチン投与量を増やすにつれて睡眠相の後退をみた。増量で舞踏運動は軽減するも睡眠相が後退したため減量したところ後退は改善を示した。

投稿者:KUSUat 23:19 | 日記

2023年11月12日

パーキンソン病WEBシンポ


パーキンソン病の自律神経症状 金沢医科大学脳神経内科 朝比奈正人教授 パーキンソン症候群の鑑別では正常圧水頭症では下肢に症状が強いことや多系統萎縮症では残尿測定が参考になります。進行性核上麻痺は上方注視の障害、パーキンソン病(PD)は嗅覚障害が特徴的でしょうか。便秘はいずれの疾患でも合併するので鑑別には参考にならないと思われます。PDの便秘は腸管通過時間延長、抗コリン薬の影響、刺激性下剤の長期使用、や直腸収縮力低下、腹圧をかけられないや運動量の低下、水分摂取の減少などで起きています。運動療法や定時のトイレ、食物繊維摂取、起床時の飲水、規則正しい生活、運動療法が試みられます。薬剤的には抗コリン薬の中止、抗PD薬での運動機能改善が図られます。L-dopa吸収を妨げるため酸化マグネシウムは就寝前の服用が勧められますが75歳以上やe-GFR 60未満では高マグネシウム血症に注意します。血圧調節障害では起立性低血圧、食後低血圧、臥位高血圧、抗PD薬による低血圧や高血圧があります。起立性低血圧に対してはゆっくり立ち上がるようにし臥床を避け、弾性ストッキング、下肢のisometric exerciseを行い、立ちくらんだ時はしゃがむようにして頭は下げます。臥位高血圧にはベットを頭部を高くして寝るようにします。食事性低血圧には少量頻回摂取、高温の食事を避け、飲酒を避け、朝のタンパク質は減らし、食後はコーヒーなどを摂ります。またαグルコシダーゼ阻害薬を試します。またチラミンを多量含むチーズ、大豆製品、そら豆、キムチなどの漬物、乾燥熟成燻製の魚がお勧めです。

投稿者:KUSUat 23:30 | 日記

2023年10月26日

脳神経外科学会総会 ランチョンセミナー


脳神経外科で診る三叉神経痛 東京大学附属病院脳神経外科 庄野直之先生 三叉神経痛の治療には先ず鑑別診断が必要である。発作性神経障害性疼痛を示すもので帯状疱疹後や外傷後のものは罹患歴で判断がつくが舌咽神経痛、中間神経痛はその症状部位の特徴をしっていなければならない。SUNHA(短時間持続性片側神経痛様頭痛発作)は重度の頭痛発作と同側の結膜充血や流涙などの自律神経症状を特徴とするが三叉神経痛と重複する部分もあるといわれる。ラモトリギンが有効であるといわれる。片頭痛や群発性頭痛、脳血管障害も当然視野に入れることになる。急激な眼圧上昇をきたす緑内障も意識しないと見落とすことになる。占拠性病変による圧迫では悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍、良性腫瘍による神経根圧迫がある。脳動脈瘤、動静脈奇形、海綿上血管奇形でも起こりうる。癒着性くも膜炎でも生ずることがある。三叉神経痛の特徴は一側の第2枝、3枝領域の反復する電撃痛である。通常トリガーがあり不応期がある。カルバムアゼピンが有効なことも診断には有用である。内服薬物療法ではカルバムアゼピン、ガバペンチン、ミロガバリンがある。急性増悪時には点滴でフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギンが使われる。微小血管減圧術が唯一の根治療法で術直後より痛みが消失する。ガンマナイフによる放射線療法は体の負担は少ないが数週間から数か月かけて痛みが消失する。 

投稿者:KUSUat 23:42 | 日記

2023年10月1日

熱中症について


熱中症について 今年は7月から9月にかけて酷暑日が続き熱中症と思われる患者さんが従来に比べて多かった印象があります。冷房のない工場での長時間の仕事で体調を崩した方は70代で37度台の発熱は1000mlの補液と体の冷却、五苓散の服用で36度台に解熱し改善しましたが翌日は仕事を休んでもらいました。加齢による調節力の低下が関与していたのではないかと思われました。また高齢者では自宅にいても暑くてもクーラーは使わないという人もあります。年とともに暑さに対する感度が低下して暑くても辛く感じないのではないかと思います。また水分補給も口を湿らせただけで渇きの感覚がなくなり十分量の水分を摂っていなかった可能性もあります。このような場合は最低限の補水量をペットボトルなどで(たとえば2本)見える形で摂るように工夫する必要が有ります。脱水症については尿検査で比重が高いことも判断の参考にしています。50代のかたで鉄製の屋根の上の作業で炎熱の中作業をしていて1.5時間でふらつき不快感で来られた方も補液と体の冷却を行い改善しました。この時の血液検査で腎機能の低下があり熱中症によるものかと疑いましたが一ヶ月後の再検査でも同等の所見を示しました。恐らく以前より腎機能障害があって炎熱の中での水の出入りの調節が悪くなって熱中症になったのかも知れないと思いました。いづれにしても熱中症はあらかじめ自らの弱点を認識して対策をたてることで予防できるはずですが一人暮らしや職場の事情、自分に対する管理意識の乏しさが障壁になっています。

投稿者:KUSUat 22:49 | 日記

2023年9月26日

耳管開放症と漢方


耳管開放症と漢方治療 兵庫医科大学耳鼻咽喉科 大田重人先生 耳管開放症は頻度は100人に4〜5人と言われています。耳管は中耳腔と上咽頭をつなぐ細い管のことです。中耳の調圧、換気、排泄などの機能を持っています。通常、嚥下運動で開き、直ぐに閉じます。これが閉じない状態を耳管開放症と言っています。症状は自分の声が耳に響く、呼吸が耳に響く、耳がつまる等です。はなをすすると咽頭内の液体が開いている耳管を通じて中耳に達し耳管も閉ざします。この状態を耳管ロックといい中耳炎の原因になります。診断は自覚症状と伏臥位前屈姿勢をとることで自覚症状が改善することを確認して行います。耳管は嚥下運動で開きますが積極的に閉じる仕組みが有るわけでは有りません。耳管周囲組織の圧迫て塞がるのです。伏臥位前屈では近傍静脈の拡張や周囲組織の重力による移動などで耳管が閉塞されるのです。漢方でいう虚証の状態は体力低下、体重低下もあり周囲組織の緊張やボリューム減少をきたし耳管開放症に悪影響を与えていると考えられます。漢方では補剤が期待され補中益気湯、加味帰脾湯などがあります。西洋薬ではATP(アデノシン3リン酸)が50%の有効率を示します。補中益気湯は著効例12%を含め6割で効果をみとめます。 最近は補中益気湯またはATPと補中益気湯の組み合わせの処方をすることが多くなっています。

投稿者:KUSUat 21:50 | 日記

2023年9月11日

パーキンソン病アップデートセミナー 進行期PD


進行期パーキンソン病(PD)治療をどうするか 仙台西多賀病院 武田篤先生 PDは65歳より増加し65歳以上では1%罹患していると考えられています。全世界的な高齢化で高年齢になるほど増えますからPDパンデミックという表現も有ります。65歳以上のPDではデイスキネジア、姿勢保持の不安定、転倒、すくみ足などが増えてきます。高齢PDは亡くなる3年ぐらい前に認知症のでることが多くなります。抑うつ不安が出、嚥下障害、自律神経障害が出てきます。認知機能では幻覚や妄想が出てきます。PDやレビー小体型認知症(DLB)ではドーパミン系の低下に加えてアセチルコリン系、ノルアドレナリン系の低下も考慮しておく必要が有ります。嗅覚の障害が将来の認知機能の低下と関連有るといわれます。起立性低血圧はノルアドレナリンが関与しています。心筋MIBGの陽性所見は交感神経の機能低下を示唆し予後が悪い傾向が有ります。治療は初期ではL-dopaから始めます。L-dopaを遅らせても運動合併証が遅くなることは有りません。L-dopaの効果を延ばすことが有用であるがオピカポンは1日1回の服用でよく眠前にのめば朝での悪化をコントロールできると思われる。DLBは50%にアルツハイマー型認知症を合併する。PDは診断10年で50%、20年で90%が認知症になる。DLBは7割PDは34%にアルツハイマー型認知症を伴う。合併例は死亡率が上昇する。  

投稿者:KUSUat 00:46 | 日記

2023年8月6日

夏休み (3)



投稿者:KUSUat 00:21 | 日記

2023年8月1日

夏休み (1)



投稿者:KUSUat 12:31 | 日記

2023年7月19日

ペマフィブラートについて (2)


スタチン投与下の高中性脂肪血症介入治療の意義  国立循環器病研究センター病院 心臓血管内科 片岡有先生  冠動脈疾患でLDL-Cの値を欧州では50mg/dL未満、日本では70mg/dL未満とすることが推奨されています。しかし70mg/dL未満に制御しても20%の患者でプラークの進展が認められました。またLDL-Cを下げていても中性脂肪が300mg/dL以上あるとプラークの進展がみられることがあります。中性脂肪と冠動脈プラークの関係は200mg/dL以上あればプラークの進展可能性が高くなります。LDLやカイロミクロンのレムナント(残り屑)は小さいので血管壁に取り込まれやすくプラークを進展させます。またレムナントは炎症を惹起します。LDL-Cの管理にもかかわらずプラークの進展があるのは残余リスクが存在すると考えなければなりません。HbA1cの高値、CRPの高値、中性脂肪の高値等あります。LDL-Cを下げるスタチン、エゼチミブは中性脂肪を10〜20%下げます。中性脂肪を下げるフィブラート系薬剤は中性脂肪高値に効果的です。ただし血中クレアチニン値を上げる作用があります。ペマフィブラート(パルモデイア)は中性脂肪を42〜43%下げ動脈硬化を防ぐApolipoprotein A-2を増やし、動脈硬化をおこすApolipoprotein Bを下げます。また炎症を抑えフィブリノーゲンも抑えます。高用量のスタチンは石灰化を促進しますがプラーク内の脂質が減少しプラークが安定することが関係していると思われます。罹病期間が10年以上になると薬剤効果は落ちるので効果判定のプロジェクトではそのような患者を除外した評価が必要と考えます。随時採血で中性脂肪200mg/dL以上は冠動脈疾患のリスクを上げていると考えるのが良いと思います。ペマフィブラートは使用し易く効果のある薬剤と認識しています。

投稿者:KUSUat 23:35 | 日記

2023年7月6日

レクチャー レビー小体認知症


レビー小体型認知症(DLB)について 東京医科歯科大学脳神経病態学 三條伸夫特任教授 現在認知症に関してはMCI(軽度認知障害)は経過観察で、認知症に至って治療が開始されます。ただこれまで症状が出現してから根本的治療をしてみて効果がないことが分かってきました。根本治療はMCIまたは前駆期より開始する必要が有ります。アルツハイマー型認知症(AD)ではレカネマブ等が使用できる状況になってきました。MCIもDLBではADと異なります。記憶障害は目立たないことがありRBD(レム睡眠行動障害)、自律神経障害、嗅覚障害、視空間障害、パーキンソン症状が特徴として考えられます。このためMBI(mild behavial impairment)という表現がDLBの場合適切と思われます。 DLBの診断では(1)注意力の低下、認知の変動(2)繰り返す幻視(3)RBD(4)パーキンソニズムの中で二つ以上該当すれば確定します。またこれらの項目の一つとバイオマーカーのDAT-SCAN(感度75%〜95%特異度15%〜95%),心筋MIBG(感度70%〜95%特異度90%〜98%),終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)でのRBDの所見の一つ以上で確定診断することも出来ます。またBLDは向精神薬に対して過敏性があり転倒、失行、一過性無反応、自律神経障害を誘発するリスクがあります。CT,MRIで側頭葉内側面は比較的保たれます。ただしADを合併することが有ることを忘れてはいけません。SPECTでは後頭葉の血流低下を認めます。後帯状皮質の血流は温存されこれをCingulate Island Signと呼び特徴的であるとされます。治療ではドネペジル3mgから始め効果良ければ増量せず続けます。ADもDLBもMMSEで一年間で4点以上低下するようであれば薬の増量を考えます。パーキンソン症状については基本はレボドパを少量より開始します。ドパミンアゴニストは精神症状を悪化させることがあり使いません。ゾニサミドは副作用が目立たず使い易い薬剤と考えています。

投稿者:KUSUat 23:29 | 日記

2023年7月3日

セミナーHIF-PH阻害薬の適正使用


慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血治療 兵庫医科大学循環器・腎透析内科学 倉賀野隆裕教授 CKDが原因の貧血では腎での造血ホルモンのエリスロポエチン(EPO)の産生低下によるものとEPO以外の原因によるものがあり鉄代謝の異常が考えられます。鉄欠乏性貧血では血清鉄が低下し同時にフェリチンも下がります。一方鉄利用障害では血清鉄は充足されておりフェリチンは正常または増加しています。CKDにおいては多くの患者で鉄利用障害を伴うことが分かっています。小児のCKDの統計ですがステージが悪化するほど鉄利用障害の率が高くなります。Hepcidinは肝臓で産生され鉄過剰で増加し鉄の低下で減少します。 過剰な鉄は脾臓、肝臓に沈着します。高フェリチン群は10年から20年後に心血管障害の形などで生命予後が悪くなる傾向があります。細胞死にはネクローシス、アポトーシスなど様々な形がありますが鉄代謝異常によるフェロトーシスという概念も提唱されています。WHOでは鉄欠乏、鉄過剰の診断ではフェリチン値を使うことを推奨しています。またTSAT(トランスフェリン飽和度)と組み合わせて使い診断治療精度上げることができる。低酸素誘導因子(HIF)はVEGF(血管内皮増殖因子)、EPO等の発現を誘導します。HIF-PH(プロリン水酸化酵素)はその物質を分解する酵素で、このHIF-PHを抑えるのがHIF-PH阻害薬です。現在2種類の薬剤が腎障害に伴う鉄利用障害による貧血の治療に使われています。

投稿者:KUSUat 23:11 | 日記

2023年6月14日

側頭動脈炎と後頭神経痛


側頭動脈炎とリウマチ性多発筋痛症は病理学的には巨細胞動脈炎と呼ばれる。いずれも高齢女性に多く激痛となることも多い。他の疾患を否定してからステロイドを使用し急激な改善をみれば凡そ診断確定出来ると考えている。程度は軽症のものがかなりあり本来の診断基準を満たさない不全型と思われる。側頭動脈炎は一側前頭から頭頂部にかけての痛みで浅側頭動脈に圧痛を認める。これまで浅側頭動脈と後頭動脈にも圧痛を認めた例を経験していてステロイド投与で改善した。後頭動脈は後頭神経と並走している。一方、後頭神経痛は頭痛の原因としてよく経験される。これは圧痛を確認し神経ブロックで改善すれば診断できる。最近、後頭部痛を訴え、圧痛を認めたため神経ブロックをした患者さんでブロックを行い、直ぐに頭痛が改善しない方があった。鎮痛薬を処方しても痛みは増強したため翌日再診し、やはり後頭神経部圧痛を認めた。これは後頭神経の圧痛でなく後頭動脈の圧痛の可能性があると考えなおした。浅側頭動脈の炎症を伴わない後頭動脈のみの炎症の可能性を考えた。後頭動脈炎という病名は存在しないが同部に起きた巨細胞動脈と診断してステロイド投与し改善をみた。疾患には不全型やバリエーションがある可能性を意識することは重要と思う。

投稿者:KUSUat 12:05 | 日記

2023年5月21日

脳神経外科コングレス プレナリーセッション


良性腫瘍 先ず下垂体腺腫がありますが、現在は腺腫として扱うのでなく腫瘍とみる考え方に代わっています。Pituitary Neuroendocrine Tumor(PitNET)という呼び方になっています。腫瘍は偽被膜に囲まれて存在することが約5割で、これまで被膜内の腫瘍摘出が行われていましたが被膜内にも腫瘍細胞がその4割に認められます。被膜も摘出することで内分泌的寛解率が高くなります。また海綿静脈洞内側壁にも6割で腫瘍細胞が認められるのでこれも摘出するのが良いのですが出血で困難になることがあります。また海綿静脈洞内の腫瘍を摘出するのはリスクを伴いますので例外的な熟達者しか出来ないと思います。プロラクチン産生腫瘍は薬物療法が第一選択でカフェルゴットが使われますが根治を目指すのか症状をコントロールするのか目標を決めて使用することが重要です。2年以上5年は使用します。この薬剤は病的賭博、性欲異常亢進をきたすことがあることを念頭におき使用します。心弁膜症はパーキンソン病での使用量に比し少量ですので起きることは少ないと思います。この腫瘍は出産、閉経でサイズを小さくする事が有ります。成長ホルモン産生腫瘍や甲状腺刺激ホルモン産生腫瘍なども薬物療法が考えられています。 頭蓋咽頭腫は全頭蓋内腫瘍の3.5%ですが発病は小児期と成人期の2峰性を示します。視力障害や水頭症には手術が第一選択となります。最近は内視鏡下経鼻手術が中心で、取り残しは定位的放射線療法(SRS)で対処します。

投稿者:KUSUat 22:55 | 日記 | コメント(0) | トラックバック(0)

2023年5月9日

パーキンソン病の対応


QOLを考慮したパーキンソン病(PD)治療 仙台西多賀病院 武田篤先生 PDは65歳から急増する疾患で、現在の世界的な高齢化の中でパンデミックな拡大をみせています。高齢者のPDは高齢発症の患者及びPDのlate stageにある患者を診ることになります。 運動症状がより重篤で進行が早い。すくみ、姿勢保持障害、転倒、嚥下障害のリスクが高い。抑うつ不安などの情緒障害が目立つ。認知機能障害があり幻覚・妄想が増加する。以上のような特徴があります。抑うつ、不安とADL障害が特にQOLに影響します。MAOB阻害薬ラサギリンは不安、抑うつ、アパシーにも効果します。ただ、うつ症状が強い時はSNRIを使うのがよいのですが、この時はMAOB阻害薬は併用禁忌です。認知症のある時アリセプトを使いますが同時に便秘、疲労感、めまいにも効果を示します。運動はPD治療に効果があり体操、ダンス、武道などもお薦めです。 

投稿者:KUSUat 12:30 | 日記

2023年5月1日

脳卒中学会シンポジウム(2)




シンポジウム抗血栓薬の使い方 非心原性脳梗塞において急性期の再発が多く直ちに抗血小板薬の投与が望ましい。効果発現時間はアスピリン30分〜60分クロピドグレル3日〜7日シロスタゾール3時間といわれ、アスピリン初回投与160mg〜300mgを開始する。効果を高めるため更にもう一剤使うDAPT(2種の薬剤による抗血小板療法)を行う。ただし3ヶ月以上の使用は効果より出血のリスクの方が上まわることが分かってきた。またDAPTは長期では単剤にまさるわけでなく出血リスクを考えると中止し単剤にすることが望ましい。ただ不安定プラークに対してはDAPTは長くする必要が有る。シロスタゾールは出血を増やさないことが知られている。シロスタゾールは抗血小板作用の他血管拡張や降圧作用もあわせもっている。クロピドグレルは不応性の人がいるが新たに出たプラスグレルはそれを考慮する必要がない。データの蓄積により選択肢が広がることになると思われる。心原性脳血栓症で急性期の抗凝固療法でワーファリン、DOACは効果は同等であるがDOACにおいて頭蓋内出血や死亡率が少ない。また発症3日目までと4日以後の開始で安全性は変わらない。またDOAC下でのTPA療法は可能である。慢性期の抗血小板薬使用は頭蓋内出血、消化管出血のリスクを上げるが注意が必要である。抗血栓症薬はアミロイドアンギオパチーや頭部打撲、活動性出血の場合は使用不可である。ワーファリンはDOACの3倍の出血リスクがあると言われている。DOACの使用も腎機能や年齢等を考慮し投与量の調節を行い出血イベントを抑える努力がなされている。

投稿者:KUSUat 09:01 | 日記

2023年4月16日

脳卒中学会シンポジウム




シンポジウム クラゾセンタン時代のSAHの治療
クモ膜下出血(SAH)は約7割が女性ですが近年は高齢化の進展で高齢者が増えています。SAH後4日から14日に起きてくる遅発性脳血管攣縮は脳主幹動脈の50%以上の狭小化をもって判定しています。症候性脳血管攣縮は予後不良因子です。末梢の動脈に関しては画像での判定が出来ませんが症状発現には末梢での攣縮が重要な役割をしていると思われます。薬剤による脳血管攣縮治療は1988年からオザグレル1995年からファスジルが使えるようになっています。今回再評価の試みをしましたが決定的な効果とは言い難いという評価でした。エンドセリンは日本での研究で見つけられた物質で強力かつ持続的な血管収縮物質で血管内皮細胞で産生されクモ膜下出血後に上昇します。今回取り上げた脳血管攣縮治療薬クラゾセンタンはエンドセリンA受容体に対する選択的阻害薬です。クラゾセンタンは昨年から使用可能となりました。恐らく微小循環障害に効果があると考えられます。使用非使用を比べ明らかな効果を示しましたがクラゾセンタンは水分を体内に保持する作用が強く、従来のように多めの補液や標準的補液でも胸水、腹水、肺水腫を生ずることがあります。胸水、肺水腫は20%の患者で遭遇しております。そのため全身管理にはかなりの労力が必要です。補液は絞って0〜500ml/日に減らすこともありますし、これまでは禁忌と考えられていた利尿薬フロセミドを使用し危機を脱することもあります。クラゾセンタンアは遅発性の虚血症状や脳梗塞を有意に減らしmRSが0〜2の割合が8割という効果を示しています。

投稿者:KUSUat 18:41 | 日記

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