2024年04月10日
教育講演 アトピー性皮膚炎
トピー性皮膚炎の長期寛解維持のストラテジー ひふのクリニック人形町 上出良一院長 アトピー性皮膚炎の始まりは皮膚角層バリアの損傷です。ガサガサの皮膚からアレルゲンが入り、それに対して生体が反応し炎症や免疫反応を生じます。痒みも出て皮膚を引?いて悪循環に入っていきます。口から入るアレルゲンに対しては生体の反応は皮膚経由に比べ本来少ないと言われています。離乳の前に皮膚からの侵入で感作されないようにケアすることが重要です。アトピー性皮膚炎ハイリスクの新生児で乳液タイプの保湿薬を使用しケアすると非使用群に比べ罹患比率を下げることが出来ました。アトピー性皮膚炎の治療には全身療法として内服薬、注射薬があります。今回は外用薬に新たな機序の薬剤が使えるようになり取り組み方も変化してくると考えています。外用薬ではステロイドは欠かせない薬剤の一つですが長所短所があります。一時マスコミによるステロイド悪者報道で社会問題となったことがありますが医療界からの説明努力で大きな誤解は少なくなる方向にあります。ジファミラスト軟膏は皮膚において炎症を引き起こすホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害する外用薬です。この薬剤は軽症から中等症で実績を示してきました。ステロイドで改善してきた状態をこの薬に引き継いでいきステロイドの長期使用による副作用を防ぐことも可能になってきました。これからこの薬の使用法の幅は広がると思われます。(文責 楠野)
投稿者:KUSUat 22:51| 日記