2025 年5 月12 日
35周年に際して

35周年に際して 未だ脳神経内科(神経内科)が広く世間に知られていない時代でそれを標榜してクリニックを開いたことは振り返ってみると無謀な部分があったと今はよく分かります。結果的に時代の変化で自分が診ることが必要とされる疾患の患者さんが次第に集まってきたという印象です。最近は疾患に関連しての全体的なアドバイスを心掛けるようにしています。例えばパーキンソン病では体力をつけるように運動の継続や栄養状況の改善を勧めます。転倒で外傷を負って安静期間が長くなると症状が悪化しますので転倒予防にウオーキングポールの日常的な使用を提案します。てんかんの場合は服薬状況の確認は重要ですが万一の交通事故にそなえて性能の良い自動ブレーキシステムの車に乗るようにアドバイスします。認知症では周囲の人との関係で症状が悪化したり改善したりすることが多いので本人よりも付き添いの人の指導が主になることもあります。どのような疾患も広く状況を見て柔軟に対応することが求められていると考えます。現時点ではそれは達成されてはいないので日々めざしているつもりです。職員から花を贈られて気付いた35周年ですが来し方を振り返るきっかけとなりました。