2025 年6 月8 日
神経学会 生活習慣と認知症

睡眠と認知機能は経験的にも関連があると思われているが睡眠を含めた各種生活習慣をモニターして関係性の有無を検討した。MMSEと睡眠時間、歩数、会話時間の関連を見てみる。睡眠時間は434分をピークにそれ以上でもそれ以下でも点数は低下している。会話時間も321分をピークに同様なパターンを示している。歩数は増加に連れて点数は上がるが8000歩まで上がると、それ以上点数はあがらず平行線を示す。短時間睡眠では脳内アミロイドの蓄積がおきていることがアミロイドPETで観察されている。金沢大学脳神経内科の研究で緑茶の摂取が認知機能低下を防ぐ可能性を報告されている。また臼杵市で行われた地域別の認知症罹患率の研究では現役で身体や脳を働かせている状況の割合人口が多い山側地域で罹患率が低いとの結果が出ている。以上のように睡眠を含めた生活習慣が認知症に関連していることが分かってきている。認知症予防の生活習慣として運動は8000歩以上、睡眠は6時間〜7時間、会話は1時間20分〜5時間20分、昼寝は40分以内で、引退ではなく無理のない現役生活が望ましいと思われる。