2024年1月25日
医師会講演会
レイルと過活動膀胱 西野クリニック院長西野好則先生 三大老年症状は尿失禁、認知症、転倒骨折です。また介護で苦労するのは排尿障害、入浴、食事です。排尿障害では皮膚トラブル、尿路感染、QOLの低下、健康感の低下、様々なフレイルに至ります。フレイルとは要支援の状態で健康に戻ることが可能な状況を指します。フレイルの具体的な定義は様々で確定していませんが簡易フレイルインデックス(1)6ヶ月での2〜3kgの体重減(2)歩行が遅くなる(3)ウオーキングを週一回以上していない(4)5分前のことを思い出せない(5)ここ2週間分けも無く疲れた感じがするなどのうち3項目以上あればフレイルと言えます。排尿システムは畜尿と排尿で構成されますが過活動膀胱(over active bladder OAB)は頻尿をきたし膀胱容量も縮小します。早め早めにトイレにいくと膀胱容量は更に縮小しトイレが我慢できなくなります。また糖尿病はOABのリスクが2倍になります。過活動膀胱の治療は前立腺肥大のないことを確かめます。また血尿、膿尿、残尿も確認し他の病態を除く必要が有ります。ビベグロン(ベオーバ)は膀胱平滑筋の弛緩を図るβ3作動薬で2018年より処方できるようになりました。ベオーバは同効薬剤のベタニスを効果的にはこえていると思います。これまでは抗コリン薬が使用されてきましたが認知機能への影響や便秘のことを考えると第一選択はβ3作動薬が良いと私は考えています。尿失禁が改善すると日常生活の改善を実感できることになります。抗コリン薬を使用する際は半減期の短いウリトスを時間限定で使うことも有ります。