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2023年1月25日

頭痛診療の進歩


頭痛診療の進歩 医師会雑誌特集を参考に 頭痛には放置すると危ないものとそうでないものがあり危ないものは二次性頭痛に分類される。クモ膜下出血、脳出血、動脈解離、血管炎、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、可逆性脳血管攣縮症候群やウイルス細菌感染は診断し早期に適正な治療を行わなければならない。副鼻腔炎や急性緑内障でも頭痛を生ずる。アルコールによるものや鎮痛剤の乱用によるものもある。低髄圧症候群は診断が難しいが起立時の頭痛が特徴である。低髄圧と髄液の漏出が確認出来れば診断がつくが確認出来ない時は治療に難渋することになる。一方、一次性頭痛は片頭痛が最も多い。最近新たな薬剤が出てきてコントロール困難な場合でも対応が可能になってきた。三叉神経血管説によるCGRPに対する抗体を月に一回皮下注射することで発作を抑えることができ画期的といってよいと思われる。緊張型頭痛は片頭痛と紛らわしいこともあり合併していることもある。判断がつかず片頭痛、緊張型頭痛の両者に効果のあるアミトリプチリンを使用しながら経過を見る場合も経験している。群発性頭痛は酸素吸入で発作が治まれば診断がつくが片頭痛と鑑別しにくい場合もある。発作性片側頭痛や持続性片側頭痛はインドメタシン(現在はプロドラック)が著明な効果を示すことで診断できる。

投稿者:KUSUat 13:52 | お知らせ

2023年1月3日

年の初めに


年の初めにこの一年の目標や期待を揚げることは大切なことと思っています。実際何でもかんでもすることは出来ませんし、やはり興味のあることが主になります。現在最も興味のあることは脳卒中と睡眠時無呼吸症候群の関係です。高血圧症は脳卒中と密接な関係にあり特に夜間における高血圧は大きなリスクになると言われていました。生涯の四分の一から三分の一の時間は睡眠に費やされます。従来、睡眠中の血圧は臨床では殆んど把握されていませんでした。そこで夜間血圧を測定するシステムが使えるようになったため10年ほどまえから高血圧の患者で夜間血圧を測定することを始めました。すると脳梗塞の方や眠りの浅い方で夜間の血圧の上昇を示す傾向があることが分かってきました。しかし4年前にそのシステムサービスが終了になり、代わりのものを探していました。2年半程前に酸素を購入している会社から簡易型の終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)の紹介を受けました。就寝中の酸素飽和度、脈拍数、一時間当たりの無呼吸低呼吸回数が測定できるシステムで装着が容易なことが特徴でした。夜間の高血圧の原因として睡眠時無呼吸症候群(SAS) が考えられるので夜間の酸素飽和度のモニターだけでも参考になると考え導入することにしました。それで高血圧の患者さんでコントロールの悪い方から順に測定をしてみました。するとCT、MRIで脳虚血性病変のあるグループとないグループで比べると、あるグループがないグループの3倍重症SASが多いというう結果が出てきたのです。中等症も精査すると脳虚血性病変群ではCPAPの適用範囲に約半数が入るという結論でした。今年はこの事実をより多くの人に知ってもらい脳卒中の予防治療が少しでも進化するよう頑張ってみたいと思います。

投稿者:KUSUat 13:23 | お知らせ

2022年12月27日

ゆらぎ現象の一年間


ゆらぎ現象という言葉が有って、事象は平均的に出現するものではなく不均等に立ち現れるものだというふうに理解していました。日常診療でいうとある期間に同じ病気の患者さんが何人も来られることを経験します。今年はパーキンソン病の患者さんが何人か続きました。しかも同日に二人受診されることもありました。そして時期を過ぎると新たに来られる方がしばらくなくなるという具合です。天候や季節に影響される病気では理解できるのですが、そうでない病気で法則性をつかもうとすると頭が混乱するため、ゆらぎ現象だと無理やりみなしている面もあります。一昨年は聴神経鞘腫、昨年は脳下垂体腺腫が短い期間に複数ありました。来年は何が現れるか分かりませんが十分な対処をしていきたいものと思います。今年はもう少しとなりましたが、いろいろ大事な事を始めることになった年でした。

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2022年12月16日

パーキンソン病の嚥下障害


パーキンソン病の嚥下障害 国立精神・神経医療センター病院 山本敏之先生 パーキンソン病に於ける嚥下障害は後期進行期ではよく見られる。20〜44%が肺炎により死亡している。特に誤嚥している患者では肺炎リスクが高い。パーキンソン病の45.8%レビー小体病の83.4%が肺炎に罹患するという。パーキンソン病患者は咳嗽反射の閾値が高く咳が出にくいうえに随意の咳も気流が遅いという状況にあります。これらは誤嚥を起こし易い条件と言えます。嚥下機能の低下は重症度には必ずしも相関してはいません。自覚が乏しく不顕性誤嚥を起こします。パーキンソン病の誤嚥の原因は錐体外路徴候によるものの他嚥下筋群運動障害(αシヌクレイン蓄積)舌咽神経・上喉頭神経感覚障害(αシヌクレイン蓄積)食道入口部開大障害、姿勢障害、中枢パターン発生器の異常などが関与しています。誤嚥の可能性の判別では1年で体重が減って痩せたか、服薬時むせるか、食事中に動きの悪い時があるかをチェックします。対策としてはウェアリングオフがあれば食事時間をオン時間にもっていく、嚥下訓練をする、胃瘻などがあります。抗パーキンソン薬で運動障害が変わらなくても嚥下が改善することはあります。L-dopaの血中濃度は空腹時服用では2時間で下がりますし、食後服用では立ち上がりは悪いが濃度は長めに維持されます。このような特徴も考え服薬タイミングを決めていきます。頻回投与は時間管理が難しくなる点が問題となります。ラサギリンはオン時間を増やし有用です。嚥下障害があると薬が停留し吸収ができない状況が出現し日内変動の原因となることもあります。たとえば貼付薬で症状改善をはかってから服薬するという方法もあります。顎を引き頸部伸展を改善すると有効なこともあります。また梨状陥凹の残留は頸部を回旋して嚥下することで改善します。頭部挙上訓練や嚥下おでこ体操も有効です。一度栄養失調になったパーキンソン病患者は改善し難いので姿勢を改善したり、とろみをつけた食事を工夫したり、嚥下訓練をしたり薬物療法以外の対応も必要と考えられます。

投稿者:KUSUat 18:43 | お知らせ

2022年12月1日

講演 振えの対処について


振えの診断治療 名古屋大学神経内科 坪井崇先生 振戦の診断は部位やパターン、その他症状に加えMRIや血液検査等を参考にして行われます。パーキンソン病は動作が緩慢で固縮を認め安静時の振戦が特徴です。動かすと一時止まり、その後振戦が強くなります。このような振るえをReemergent tremorといい7割に認められます。書字は書き出すときちんと書けます。本態性振戦では動かしても変化はなく書字は高度に障害されます。動作や運動時に出現する振戦は生活に支障を来します。パーキンソン病ではlevodopaが有効であるが用量が多い。プラミペキソールや非ドーパミン系のゾニサミドが使われます。トリヘキシフェニジルも使われますが高齢では認知機能への影響も考えます。脳深部刺激(DBS)も効果があります。70歳以下でlevodopaが効果ありウエアリング オフやQOLの低下がある場合考慮されます。集束超音波療法(FUS)は62%で改善が見られます。ただ日本では片側のみ認められています。本態性振戦ではベーターブロッカー、プリミドンが使われます。本態性振戦があるとパーキンソン病の発症率が高くなるという報告もあります。

投稿者:KUSUat 00:11 | お知らせ

2022年10月10日

脳神経内科領域でよくある病気


失神の診方 金沢医科大学脳神経内科 朝比奈正人教授  失神は一過性の意識消失発作で姿勢を保つことが出来なくなる状況で自然に回復するもので脳全体の低還流によって起きることを言います。多種の原因で生じますが血管迷走神経失神(VVS)は代表的なものです。若い女性に多く起立時に生じます。立ちくらみ、視野の白濁や暗黒、顔面蒼白、冷や汗、悪心などを伴います。長時間起立や痛み、恐怖、緊張で誘発されます。悪化要因では脱水、午前中、飲酒、貧血があります。診断では問診が大切です。前段階として起立時であったかは診断的に重要です。失神中の時間や回復の流れは注意する部分です。心原性失神とVVSの差は前者では60歳以上で男に多く労作時に多く姿勢に関わらず出現するに対して後者は40歳以下で女に多く立位で起き20秒以内が特徴です。VVSの生活指導は起きたらすぐに座り込むか足を組むなどして下肢に力を入れるようにします。長時間の起立や暑熱環境を避け、脱水に気を付けます。食事は炭水化物を減らし塩分を増やします。運動して特に下肢筋力の増強は大事です。頸動脈失神(CSS)は動脈硬化の危険因子がある60歳以上の人で起立時に起き易く振り向きや上を見たり髭を剃ったりネクタイノ締め過ぎやきつい襟でも起きることがあります。以上の二つは反射性疾患に分類されてんかんとの違いは前者は持続時間が10秒程度で短く意識障害の遷延がありません。けいれんでミオクロニックジャークをみることはありますが、てんかんで見られる強直性,間代性は示さずマーチングもありません。また外傷や咬舌はありません。その他反射性失神には状況失神といのもありこれは若年の方で飲酒後に起こし易い排尿失神や高齢女性の切迫した排便で生ずる排便失神や嚥下で誘発される嚥下失神、咳嗽で出る咳嗽失神があります。

投稿者:KUSUat 23:19 | お知らせ

2022年10月2日

脳神経外科学会総会 認知症


認知症診療における脳(血流)SPECTおよび特発性正常圧水頭症(iNPH) について: 岡山大学脳神経外科伊達勲先生  認知症診療の基本は早期に診断し原因に基づいて治療することが原則です。診断は二つの視点から行うよう心掛けています。一つは疾患の頻度です。アルツハイマー型認知症が67.4%、血管性認知症が18.9%で多くを占めます。レビー小体型認知症は4.6%,前頭側頭型認知症は1.1%です。その他が8%になりますが正常圧水頭症はその中にはいります。もう一つは治療可能性からの視点です。治療可能な認知症としてはiNPH、慢性硬膜下血腫が上げられます。治療は困難であるが二次予防が可能なものは血管性認知症です。薬剤で進行を遅らせることが出来るものにアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症があります。前頭側頭型認知症は対応が定まっていません。ケアによっても穏やかな生活を送っていただくことが目標となります。脳SPECT検査が必要な症例は基本的には頭部CT,MRIで判断がつかない症例になります。アルツハイマー病の早期例では精神疾患との鑑別にも有用です。若年性アルツハイマー病では萎縮が目立たないことがあります。また大脳基底核変性症との鑑別に際してしばしば必要になります。 レビー小体型認知症や形態的異常が目立たない前頭側頭型認知症においても診断に寄与します。 iNPHの診断基準は60歳以上で脳室拡大を認めるもので歩行障害、認知障害、尿失禁の一つ以上があり、他の脳室拡大をきたす可能性のある先行疾患のないものをProbable iNPHとする。更に脳脊髄髄液圧が20cm水柱以下で液性状が正常で髄液排除試験で症状改善を認めるものか、又は歩行障害があって上部くも膜下腔の狭小化のあるものはシャント術が考慮される。シャント術施行後症状改善があったものをDefinite iNPHとする。

投稿者:KUSUat 12:15 | お知らせ

2022年8月2日

夏休み (1)





投稿者:KUSUat 19:24 | お知らせ

2022年7月5日

高齢者てんかんと洞不全症候群




高齢者のてんかんは若年で起きるものとは症状も違い
診断も迷うことがあります。記憶がとんだり急に動き
が止まったり、呼びかけに反応しなかったりなど様々です。一時的な片側運動麻痺、一時的片側視野障害など意識障害のないものもあります。意識消失を繰り返すものもあります。CT,MRIの画像検査では診断できませんし脳波検査でも確定診断が困難なことが多いです。脳波異常がうまく検出されなくてもてんかんはありますし、脳波異常イコールてんかんでもないのです。発症の頻度やパターンがヒントになることも度々です。腹痛が発作というパターンもあるといいますが普通はてんかんを先ず疑うことは少ないのではないかと思います。ただ治療に関しては少量の抗てんかん薬で良くコントロールされます。このため診断に迷ったとき試験的に薬剤投与してその効果で診断することになるケースもあります。最近、3年前にてんかんと診断され2年前より当院で診ている80代の女性でコントロールが悪くなり薬剤を増やしても効果が得られないので普通と違う思っていました。診察の際は降圧薬も出しているため脈もチェックしていました。診察中に脈拍数が70から40に急に低下することがありホルター心電図をとると3秒以上の心停止もあり洞不全症候群であることが分かりました。この方はペースメーカーの適応で設置術が施行されました。洞不全症候群は3人目です。

投稿者:KUSUat 18:06 | お知らせ

2022年6月20日

内科地方会教育講演 認知症




アルツハイマー病の治療戦略 金沢大学 脳神経内科小野賢二郎教授 現在、認知症と軽度認知症合わせて860万人になります。アルツハイマー病が64%血管性認知症が15%レビー小体型認知症が12%です。診断するには先ず治療可能な認知症を除外していきます。慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、てんかん、甲状腺機能低下症、B1欠乏、B12欠乏、H2ブロッカー、ジギタリス、抗ヒスタミン薬、梅毒、うつ病など多様です。とくに急速進行するものに治療可能なものが多い傾向はあります。アルツハイマー病は近時記憶障害が初発で言い繕いがうまく、礼節は保たれます。血管性認知症は物忘れは軽度で階段状の進行悪化が特徴です。レビー小体認知症は鮮明な幻視、パーキンソン病症状、レム睡眠行動異常が特徴的です。それぞれ画像による補助診断があります(脳血流SPECT,心筋MIBG,DAT-SCAN,頭部MRI)。長谷川式認知症スケールはアルツハイマー病の検出に向いています。遅延再生に対しての点数付与が大きいです。MMSEでは画像模写が不調で遅延再生が低下無い時はレビー小体型認知症が考えられます。中核症状に対する治療は現在対象療法ですが症状に合わせて2系統の薬剤を使います。例えば、興奮性が強い場合はガランタミン、メマンチンを使ってみます。根本的治療では神経組織に沈着するAβ(アミロイドベータ)を取り除く薬の開発が進んできていますが、早期の段階で使用開始しなければ効果を出すことは難しいと考えられていますので早期診断法の開発実用化も期待されています。

投稿者:KUSUat 23:41 | お知らせ

2022年5月11日

投稿での蹉跌




脳梗塞の危険因子として夜間高血圧が以前より言われているが8年前より高血圧患者で夜間血圧の測定を行っていました。高血圧の方で日中の血圧がコントロールされていても夜間は高い場合があり投薬のタイミングを夕食後にするなど対応してきました。ところが3年前で夜間血圧記録システムの利用が終了になり代わりの手段を検討していました。 本来夜間は休んでいて血圧はむしろ低くなると思われるのに高くなるのは何故かとも考えてみました。その原因が睡眠時無呼吸症候群(SAS)とすると十分説明がつくのではないかと考え測定装置を調べてみました。確かにそのような測定装置(簡易終夜睡眠ポリグラフィーPSG)は有ったのですが胸にベルトを巻いたり鼻にカニューラを入れたりするため外来で気軽には使用しにくい物でした。そのような状況で新しいタイプの簡易PSGのウオッチパット(WP)に出会いました。イスラエルで開発された装置で指先につけたキャップと胸につけたイビキセンサーで無呼吸回数や酸素飽和度、脈拍数が分かるのです。私が診ている高血圧の患者さんは慢性期脳虚血患者が多いのですがWPで調べてみると8割が中程度以上、半数が重症のSASであることが分かり驚いたのです。日本では誰もこの様な外来での取り組みを行っていないので衝撃的で有った訳です。それで海外文献をみてみると10年前でも最近でもエネルギッシュな論文が既に出されていました。やはり日本では使い易い測定装置がなかったため実行されてこなかったと思われました。人生の1/3を占める睡眠時間はブラックボックスのままで有った訳です。この様な重大な知見が知られないままになると患者さんの治療に空白が生じます。世界に遅れガラパゴス化してしまいます。この事実を広く伝えなければと思い2年間の症例をまとめ学術誌に発表しようと原稿を投稿しました。しかし、診療データを使う発表は医療倫理委員会を通すことが条件であることを指摘され、躓いてしまいました。私が経験した事実は労力がかかっても何んとしても伝えなければならないと思っています

投稿者:KUSUat 00:23 | お知らせ

2022年2月27日

脳卒中診療におけるブレークスルー




ブレークスルーはこれまで滞っていたものが突破され急に進展することをさす言葉で最近の流行り言葉で何にでも使われているきらいはある。また考えもつかなかった方法で事態が変わっていくことにも使われる。高血圧では家庭用血圧計の普及で日常生活の血圧測定が可能となった。血圧コントロールの際のデータは家庭での数値の方が医療機関でのデータより信頼度が高いことが分かってきた。このことで従来の診療判断は大きく変化したといえる。これなども静かなブレークスルーといえるのではないか。脳卒中診療では高血圧、糖尿病、高脂血症への対策がとなえられ成果を上げてきた。それらに対しての治療は精緻となっているが、それ以降の治療の進展は大きくは進んでいない。生涯の1/3から1/4は睡眠に費やされるがその間のデータは日常診療では殆んど顧みられることはない。というよりはデータそのものが存在していなかった。それはこれまで家庭における家庭血圧計のように自宅で睡眠をモニターすることがかなわなかったせいである。脳梗塞と夜間高血圧の関係は久しく言われてはいるが実用的な測定手段が無かった為無視されていた。夜間高血圧の原因の一つとして睡眠時無呼吸症候群(SAS)がある。先ず感知しないと認知ができないし当然評価もできない。自宅で測定可能な睡眠検査機器が開発され臨床で使用可能となった。今回、脳梗塞の患者さんで自宅でできる睡眠モニターを行ってみたが重症SASが5割中等症以上がSASが8割という高値になった。睡眠モニターによって脳卒中診療に新たな展開が有ると思う。それはブレークスルーに値すると思う。

投稿者:KUSUat 16:41 | お知らせ

2022年2月11日

降雪の翌日の晴天




ニ足歩行をする人類だけが転倒して頭部を打撲します。鳥や犬猫が転倒して頭を打つという状況は考えにくいと思います。打撲の衝撃は速度や高さ等エネルギー量に左右され、衝突する対象の硬さや柔らかさによっても大きく影響されます。打撲の程度は打撲部位の衝突の順番によっても変わります。頭だけ、頭を打って腰も打つ、腰を打って頭を打つ場合では複数個所の打撲ではエネルギーが分散され頭部が後の方が頭部の衝撃は弱くなります。また前方への転倒は地面に手をついて頭部への衝撃を減らすことが出来ますが後方への転倒は防御が出来ないことがあり衝撃は強度になります。後方への転倒は滑って起きることが多いようです。特に冬季は降雪の後、日中に雪が溶けて翌朝溶けた水が凍って、暗い時間帯や黒いアスファルトなど凍結が分かりにくい悪条件が重なると滑ってしまうことがあり要注意です。

投稿者:KUSUat 13:29 | お知らせ

2022年1月14日

南加賀漢方研究会 心不全に役立つ漢方




心不全に役立つ漢方薬 京都大学附属病院循環器内科小笹寧子先生 心不全は年間120万人の方が新たに罹る病態で中央値は80歳です。一年以内に26%の方が再入院となります。また年間死亡率は23%と高率です。予後不良で死一歩手前の状態といって良いでしょう。その定義は簡単に述べると心ポンプ機能の破綻です。原因としては虚血性のものや高血圧由来が28%,25%と多く、ついで心筋症などがあげられます。対応する漢方薬では当帰芍薬散、牛車腎気丸、五苓散が考えられます。特に当帰芍薬散は頻脈にも有効で脈を減らし利尿剤の量もかなり減らすことが可能です。高齢になると様々な病気に罹り複数医療期間から投薬を受けます。全体として多剤服用することになり、薬剤による健康を損なう可能性が上がります。テオフィリンやβ刺激薬は脈を上げます。芍薬甘草湯は甘草の摂取過剰で偽性アルドステロン症をきたし血圧を上げます。NSAIDは腎血流を低下させ腎機能を落としたり胃腸機能に悪影響を及ぼし潰瘍をきたすこともあります。高血圧、頻脈、腎障害などいずれも循環器系に障害的に働きます。多剤使用については注意を怠ってはならないと考えます。私は心臓リハビリテーションに携わっていますが心不全診療では生活指導も大切です。貝原益軒の養生訓にある言葉では「身体は少しずつ労働すべし。久しく安座すべからず。毎日ご飯後に必ず庭のうち数百歩しづかに歩行すべし。雨中には屋の内を幾度も徐行すべし」があります。

投稿者:KUSUat 11:39 | お知らせ

2021年12月9日

顔面神経麻痺について




顔面神経麻痺が起きると顔面の筋肉に力が入らなくなり閉眼がし難くなったり口角から水が漏れたり表情が出せなくなったりします。通常は一側性で、脳のレベルでおきる中枢性と末梢で起きる末梢性に分かれます。中枢性では顔面でも額部分は両側支配になっているため顔の頬部以下の麻痺に比べて麻痺が目立ちにくいといえます。その違いによって両者を区別することはできるのですが、麻痺が弱いと判断しづらいことがあります。最近数か月の間で4人の患者さんがありました。いづれも末梢性顔面神経麻痺です。以前は原因が分からず特発性とされていましたが原因は単純ヘルペスまたは帯状疱疹ウイルスによるもののようです。ウイルスによる炎症が顔面神経が通る細い管の顔面神経管の部分で起きると神経が腫れあがり自らを圧迫して機能低下を引き起こすのです。治療には抗ウイルス薬と腫れを改善するステロイドが使われます。タイミングよく治療されるならば9割以上の方が支障を殆んど残さず回復します。最も重大な合併症は角膜炎で視力視野の障害を起こすことです。まばたきが少なくなり閉眼も困難となると眼球が涙で覆われることなく傷つき角膜炎を起こし悪化すると角膜混濁をきたします。予防には点眼、軟膏を使い睡眠時は瞼を閉ざして眠るようにします。ほこりっぽい場所や風の強い場所、乾燥した場所を避けるようにし、出来ない時はゴーグルをするのも良いと思います。

投稿者:KUSUat 23:23 | お知らせ

2021年10月21日

あまり有名でない頭痛




後頭神経痛は頭痛の原因としてはかなり頻度が高いがあまり言及されることは少ないように思われる。頸部脊髄を神経が出入りするが環椎(第?頸椎)と後頭骨の間から出て後頭に分布する後頭神経は物理的なストレスがかかり神経痛を発症し易いといえる。症状は頭痛で後頭を中心に頭頂部、三叉神経痛第?枝領域の前頭部に及ぶこともある。診断は後頭部で神経を圧迫し痛みがひどければ簡単にできる。ただし頻度が高いことと頭痛を出さないこともあるので圧痛があれば頭痛の原因と即断すると別の病態を見逃すことがある。できれば他の頭蓋内疾患を否定しておくことが大事である。治療はキシロカインによる神経ブロックでその後鎮痛薬とB12の服用をしばらくしてもらっている。私はこれに葛根湯を追加している。姿勢を良くすることと腕を回す肩の体操もすすめている。ブロックの直接効果は半日で切れるが痛みの程度は軽くなる。


投稿者:KUSUat 22:35 | お知らせ

2021年5月23日

日本神経学会 シンポジウム本態性振戦




本態性振戦の治療  特徴は力を加えた時に振えが生じ緊張すると更に悪化します。甲状腺機能亢進症やパーキンソン病アルコール中毒など振えが出る他疾患を除外してから診断します。めずらしい病気ではなく年齢が高くなるに連れて多くなります。生命には関係ありませんが振えがひどいとコップの水をこぼしたり人に奇異に見られたりするなど生活に支障がでます。 治療は薬物療法が主体になります。推奨Aでは抗てんかん薬プリミドン、β遮断薬プロプラノロールがあります。推奨Bでは抗てんかん薬ガバペンチンやトピラマートがあります。推奨Cでは抗てんかん薬クロナゼパムがあります。一時的に使うには抗不安薬のアルプラゾラムがありますが習慣性があり頓用に限ることが大切です。プリミドンは導入時の眠気が強く極少量の25mgから始めることもあります。βブロッカーは徐脈や血圧低下で使えないこともあります。  程度が強く薬剤の効果も限界がある場合は手術療法があります。脳深部の視床腹中間核の部分の?電気刺激療法(脳深部電気刺激療法DBS)で電極埋め込み手術が行われます。同部?高周波凝固術は手技的には?と似ていますが装置は凝固後脳内には残しません。非観血的方法では?同部の収束超音波凝固術(MRgFUS)、?同部の放射線治療(ガンマナイフによる)があります。何れも両側に行うと言語障害をきたす可能性があり、両側の場合は対側はDBSということもあります。?は体の負担は少ないですが超音波が通り易くなといけないので頭部全剃毛が必要で、また頭蓋骨が緻密であるという条件が付きます。?も体の負担は少ないですが効果発現まで時間がかかることと、現時点では健康保険が使えないのが問題です。  以上はシンポジウムでの発表を要約し追加事項も入れて再構成したものです。 

投稿者:KUSUat 15:55 | お知らせ

2021年5月5日

変な頭痛は珍しくないのか?




変な頭痛は珍しくないのか?  分かりにくい頭痛は多数あります。可逆性脳血管攣縮症候群はクモ膜下出血や髄膜炎、髄膜症など否定出来てMRA(MR血管撮影)で脳血管攣縮を確認できれば診断確率は高くなりますが攣縮が見つけられないこともあるので困惑します。 持続性片側頭痛は経過や症状をよく見て、他疾患を否定出来てインドメタシン製剤が効果あれば一応診断がついたと言えるでしょう。しかし鎮痛剤でよく治る分かりにくい頭痛もあるので100%決めつけるのは良くありません。 鎮痛剤で良く治る頭痛に(セ)石灰沈着性頸長筋腱炎、(ク)クラウンド・デンス症候群があり以前ブログにも載せました。この二つの疾患は頸椎最上部が病変部で似たところがあります。後者は高齢に多く、前者は年齢は比較的に若いといえます。骨に比べると石灰密度が低い石灰化病変でMRIや頭部レントゲン写真での診断は困難です。第1第2頸椎を含むCTでのスライスで微妙な石灰化が検出できる画像条件を探して診断します。 先日、同じ日に(セ)と(ク)の患者さんがあり「なんで?」と思いました。一人は30代の女性で1週間前からの右後頭部痛で後頭神経の圧痛はありませんでした。頭部を回転すると痛みが強くなり鎮痛剤で改善するとのことでした。CTで第2頸椎右側前面に石灰沈着を認めました。もう一人は80代女性で1日前起床時より首が痛くて回らず整骨院で施術を受けても改善せず受診されました。CTで軸椎歯状突起後面に冠(クラウン)がかぶさるような形での石灰化を認めました。二人とも同じ鎮痛剤を処方しました。

投稿者:KUSUat 17:27 | お知らせ

2021年2月11日

クチコミの真偽




小松市民病院は普段患者さんを紹介したり、特殊な検査を依頼したりでお世話になっている。市民病院より連携医療機関の概要を紹介するホ−ムページの内容につき変更がないか確認してほしいとの連絡があった。それで小松市民病院のホームページを開いてみて変更がないことを知らせることにした。またグーグルマップを利用できるようにしても良いかの選択もあったの可とした。マップ上にクリニックの場所が示され、そこをクリックするとクチコミが見られるようになっていた。見てみると良いが4つ悪いが1つであった。良いは5をつけ悪いは1であった。ただ良いという評価と悪いという評価の内容が正反対でどういう事情でこうなるのか頭をひねってしまった。匿名なので対処のしようがないが何か気にいらないことがあって反撃したのだろう。業種は違うが知り合いに、クチコミで個人的な誹謗中傷をされた人がいてグーグルの対応が悪く弁護士に相談したそうだ。最近は犯罪性があれば個人を特定できるようになってきたらしい。先日、東京の知らない会社から電話がありグーグルマップ対策の売り込みかと思い丁重にお断りした。考えてみれば知り合いに頼んで良い評価を書いてもらえば評価は変わるし、気に入らなければ悪く書いて評価を下げることができる。匿名のものは責任追求がないので人は万能になるのだと思う。

投稿者:KUSUat 20:07 | お知らせ

2021年2月6日

血圧は2回目3回目が何故低くなるのか




血圧コントロールには先ず日常の血圧がどの程度であるか測定してみることが大前提になる。高血圧は動脈硬化の進行を加速させ、その結果心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、腎障害のリスクを高めると言われている。そこで毎日血圧を測定し記録することになる。そこで気になるのが血圧は変動することである。時間やいろいろな条件の変化に応じて血圧は変動します。このことはある程度納得はいくのです。では何故血圧は測定の一回目より二回目、三回目と下がっていくのだろうか。私は一回目の血圧が最も実際に近いと考えていました。実際の血圧を高く測定してしまう理由は考えつかないのですが低く測定してしまう理由は想像できたからです。血圧の左右差がある場合、低い側に異常があることを脈無病などの例で知っています。つまり動脈が狭いと血圧は下がってしまうのです。動脈は刺激を与えると縮んでしまうことは知られています。私はマンシェット(腕帯)で腕を締め付けると、それが刺激になり血管が縮み血圧が下がってしまうのだと考えていたのです。それで一回目の測定を本当の血圧と考え参考にしていました。ところがどうも理屈が違っていたようです。NHKの「ためしてガッテン」は時々説得力のある説を紹介してくれます。この番組は半年ほどの期間をとって作成しているのでバカには出来ないと思っていました。先日、手を握ったり開いたりすることで血圧を下げることができる理由を解説していました。血管を圧迫して血流を止めたり圧迫を除去して再開させるような血流の変動が血管内皮からのNO(一酸化窒素)の放出を誘導し、血管拡張を起こして実際の血圧をさげるというのです。番組では手を握ったり開いたり(1分間60回)して血圧の低下を証明していました。マンシェットを巻いて圧をかけ、それから圧を下げていくことは血流の変動を起こし血管内皮刺激する操作になっていると考えると納得がいきます。それで何度も血圧を測ると下がってくるのです。患者さんのなかには何度も測って一番低い血圧を記録してくる方もあります。間違いなのですが何んとなく安心するのだと思います。私は一回目の血圧だけをみて判断していこうと思います。

投稿者:KUSUat 23:02 | お知らせ

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