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2023年01月03日

年の初めに


年の初めにこの一年の目標や期待を揚げることは大切なことと思っています。実際何でもかんでもすることは出来ませんし、やはり興味のあることが主になります。現在最も興味のあることは脳卒中と睡眠時無呼吸症候群の関係です。高血圧症は脳卒中と密接な関係にあり特に夜間における高血圧は大きなリスクになると言われていました。生涯の四分の一から三分の一の時間は睡眠に費やされます。従来、睡眠中の血圧は臨床では殆んど把握されていませんでした。そこで夜間血圧を測定するシステムが使えるようになったため10年ほどまえから高血圧の患者で夜間血圧を測定することを始めました。すると脳梗塞の方や眠りの浅い方で夜間の血圧の上昇を示す傾向があることが分かってきました。しかし4年前にそのシステムサービスが終了になり、代わりのものを探していました。2年半程前に酸素を購入している会社から簡易型の終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)の紹介を受けました。就寝中の酸素飽和度、脈拍数、一時間当たりの無呼吸低呼吸回数が測定できるシステムで装着が容易なことが特徴でした。夜間の高血圧の原因として睡眠時無呼吸症候群(SAS) が考えられるので夜間の酸素飽和度のモニターだけでも参考になると考え導入することにしました。それで高血圧の患者さんでコントロールの悪い方から順に測定をしてみました。するとCT、MRIで脳虚血性病変のあるグループとないグループで比べると、あるグループがないグループの3倍重症SASが多いというう結果が出てきたのです。中等症も精査すると脳虚血性病変群ではCPAPの適用範囲に約半数が入るという結論でした。今年はこの事実をより多くの人に知ってもらい脳卒中の予防治療が少しでも進化するよう頑張ってみたいと思います。

投稿者:KUSUat 13:23| お知らせ