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2022年07月05日

高齢者てんかんと洞不全症候群




高齢者のてんかんは若年で起きるものとは症状も違い
診断も迷うことがあります。記憶がとんだり急に動き
が止まったり、呼びかけに反応しなかったりなど様々です。一時的な片側運動麻痺、一時的片側視野障害など意識障害のないものもあります。意識消失を繰り返すものもあります。CT,MRIの画像検査では診断できませんし脳波検査でも確定診断が困難なことが多いです。脳波異常がうまく検出されなくてもてんかんはありますし、脳波異常イコールてんかんでもないのです。発症の頻度やパターンがヒントになることも度々です。腹痛が発作というパターンもあるといいますが普通はてんかんを先ず疑うことは少ないのではないかと思います。ただ治療に関しては少量の抗てんかん薬で良くコントロールされます。このため診断に迷ったとき試験的に薬剤投与してその効果で診断することになるケースもあります。最近、3年前にてんかんと診断され2年前より当院で診ている80代の女性でコントロールが悪くなり薬剤を増やしても効果が得られないので普通と違う思っていました。診察の際は降圧薬も出しているため脈もチェックしていました。診察中に脈拍数が70から40に急に低下することがありホルター心電図をとると3秒以上の心停止もあり洞不全症候群であることが分かりました。この方はペースメーカーの適応で設置術が施行されました。洞不全症候群は3人目です。

投稿者:KUSUat 18:06| お知らせ