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2023年02月06日

頸動脈エコーについて


エコー検査機器を更新したので現在行っている頸動脈エコーについてまとめてみたい。頸動脈は総頸動脈で始まり顎の下付近で分岐して内頸動脈と外頸動脈になる。エコーで見ると血管は外膜の層と内膜中膜で構成される層の二つの層で表される。内側の層の暑さが1から1.1mm以上あると動脈硬化性変化と捉える。部分的に更に盛り上がっている場合はプラークと名付け極端な場合は頚動脈狭窄をきたす。更に進めば頸動脈閉塞を起こす。プラークの中が黒く見える場合は超音波を反射しにくいコレステロールなどの脂質が蓄積していることを示し不安定なプラークととらえる。破綻しやすく壊れると創面で血栓ができ脳へ塞栓となり流れていき脳血管を閉塞して脳梗塞を起こすことがある。また頸動脈は皮膚の浅いところを走っているため観察し易い。血管のサンプルとして評価し易いので頸動脈の変化から心臓の冠動脈の状況や脳血管の様子を推測することができます。たとえば眩暈の患者さんで頸動脈に動脈硬化性変化がなければ頭蓋内での血管障害の可能性は低くなります。プラークは高血圧でも進展すると言われ物理的なメカニズムで分岐部など乱流をきたし易い部分での変化が参考になります。また乱流は凸凹なプラークによっても起きやすくなります。エコー検査では血流速やそのパターンが分かります。末梢で閉塞や狭窄があると流速パターンが途切れる所見を示すことがあります。椎骨動脈も見えますが椎骨の間で途切れ途切れに見えることと元来バリエーションが多く評価が難しく検査はしていません。

投稿者:KUSUat 00:12| お知らせ