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2024年2月21日

認知症の診断




認知症における診断について 認知症の半分はアルツハイマー型認知症で脳血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と続くが、これらの病名は病理診断名です。亡くなってからしか診断できないことになると治療が成り立たないことになります。そのため各疾患の臨床的特徴をとらえて仮に診断し治療を開始することになります。極端な話では、半分がアルツハイマー型認知症であるとすると全員にアルツハイマー型認知症の診断をしても半分は正解します。また病理診断名ですので生前に正否を確認することが出来ないため言ったもん勝ちの診断に陥ることがあります。そのような事態を防ぐ手立てとして補助診断技術としてバイオマーカーを開発し使用することが図られています。脳血管性認知症はMRIやCT画像が参考になります。前頭側頭型認知症もある程度CT,MRI画像が参考になります。レビー小体認知症は心筋MIBGやDAT-SCANやパーキンソン病症状が参考になります。アルツハイマー型認知症ではアミロイドβの細胞外凝集やリン酸化タウ蛋白の細胞内蓄積が原因とされ、これらの証明の手法が開発されてきました。アミロイドPETやタウPETが有りますが、これらは施行施設が少なく、また極めて高額な検査で利用しにくい問題があります。 血液中のアミロイドβの測定技術が精度を上げてきており、これが使えれば費用は少なく多くの人が利用できます。またRIを使った脳血流測定(SPECT)での血流パターンの違いで診断することもありますが、これも必ずしも臨床症状と合うわけではありません。現実的にはいくつかの手法を使い診断し治療を行い、必要であれば修正を図りながら診ていくことを行っていると言えます。

投稿者:KUSUat 00:23 | お知らせ

2024年2月9日

セミナーPDと睡眠障害




パーキンソン病(PD)の睡眠障害 獨協医科大学 
鈴木圭輔教授  パーキンソン病の睡眠障害は6割にあり入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などがあります。またRBD(レム睡眠行動異常)が発症より何年も前から出現してきます。RBDは明け方に多いと言われ、本来レム期では骨格筋活動が抑制されるのですが、その抑制が外れた状態と言われています。神経変性疾患におけるRBDの比率はシヌクレオパチーを呈する病気に多くPDで15〜60%,多系統萎縮症90%、レビー小体認知症(DLB)86%です。レストレスレッグズ症候群(RLS)はPDでは健常者に比べて有病率が高くなっています。ドーパミン作動薬への反応性が高いと言われ、また周期性四肢運動を睡眠ポリグラフィーで見ることが有ります。PDとRBDの合併の特徴は転倒の増加、すくみ足、ドーパミン作動薬への反応性の不良、認知機能障害、起立性低血圧、色覚識別能の障害などが有ります。ゾニサミドは他の抗パーキンソン薬と違いジスキネジアを悪化することが無く、振戦に対して効果的です。また振戦が目立つタイプのPDで治療効果が出やすいと言われています。DLBの幻覚、妄想を悪化させることのない抗パーキンソン薬としても貴重な薬剤と言えます。

投稿者:KUSUat 23:39 | 日記

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