2021年4月30日
頭痛と下垂体腺腫
頭痛と下垂体腺腫 下垂体腺腫は脳下垂体にできる良性腫瘍です。臨床的には大きくホルモン産生腫瘍と非産生腫瘍に分けられます。症状は前者ではホルモン過剰による症状です。成長ホルモンは巨人病や末端肥大症、甲状腺刺激ホルモンでは甲状腺機能亢進症、催乳ホルモンでは乳汁分泌や不妊症がおきます。ただ催乳ホルモンの場合は年齢や性によって反応が異なりホルモン非産生腫瘍のように周囲神経組織への圧迫症状がでるまで大きくなってから発見されることが多くなります。圧迫症状で頻度の高いものに視野障害(両耳側半盲が典型的な)があります。また大きくなると他のホルモン産生細胞を圧迫してホルモン低下の症状を起こすこともあります。脳下垂体の大きさは小指の爪ほどのものです。しかし狭い空間に閉じ込められているため周り(特に硬膜)を押し広げようとする時に痛みを生ずると考えられています。最近1ヶ月の間に2人の下垂体腺腫の方がありました。ひとりは 70代の男性で一月前からの頭痛と最近の視障害、二人目は40代の女性で3週間前からの頭痛でした。