2016年7月4日
薬の話 (3)不安感の薬
不安を抑える薬(抗不安薬)には2種類のものがあります。 一つはベンゾジアゼピン系の薬剤で何種類もあります。この特徴は効果が早いことです。中でも血中への移行の早いものは切れ味がいいといわれます。半面、血中濃度の維持時間は短く効果は短時間です。そのため長時間効果を得るには短い間隔で服薬する必要があります。急に薬をやめた場合、効果の落差が激しく不安感が増大しやすくなります。中止の際は少しずつ減らすことが必要です。 血中濃度の上昇の緩やかなものは切れ味は悪いのですが効果は長く続きます。止める時も症状悪化は起こしにくい傾向があります。ただし、長期服用すると蓄積し過量となるので減薬する必要が生じます。 ベンゾジアゼピン系は早期に効果を発揮しますが、長期の使用で効果が減弱することがあります。脳機能を抑制しますので注意力が落ち眠気も出ます。身近なものでいうとアルコールに似ています。 もう一つはタンドスピロン(セデイール)で眠気が少なく習慣性もあまりありません。ただ効果が出るまで2〜4週間の時間を要します。切れ味は悪く効果が弱いといえます。ただ注意力低下や眠気が問題になる場合には有力な薬剤です。 私の考えでは長期的に抗不安剤を使用しなければならない場合、少量の抗うつ薬の服用を主にし抗不安薬は少量使用か使わないのが良いと思っています。