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2023年10月26日

脳神経外科学会総会 ランチョンセミナー


脳神経外科で診る三叉神経痛 東京大学附属病院脳神経外科 庄野直之先生 三叉神経痛の治療には先ず鑑別診断が必要である。発作性神経障害性疼痛を示すもので帯状疱疹後や外傷後のものは罹患歴で判断がつくが舌咽神経痛、中間神経痛はその症状部位の特徴をしっていなければならない。SUNHA(短時間持続性片側神経痛様頭痛発作)は重度の頭痛発作と同側の結膜充血や流涙などの自律神経症状を特徴とするが三叉神経痛と重複する部分もあるといわれる。ラモトリギンが有効であるといわれる。片頭痛や群発性頭痛、脳血管障害も当然視野に入れることになる。急激な眼圧上昇をきたす緑内障も意識しないと見落とすことになる。占拠性病変による圧迫では悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍、良性腫瘍による神経根圧迫がある。脳動脈瘤、動静脈奇形、海綿上血管奇形でも起こりうる。癒着性くも膜炎でも生ずることがある。三叉神経痛の特徴は一側の第2枝、3枝領域の反復する電撃痛である。通常トリガーがあり不応期がある。カルバムアゼピンが有効なことも診断には有用である。内服薬物療法ではカルバムアゼピン、ガバペンチン、ミロガバリンがある。急性増悪時には点滴でフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギンが使われる。微小血管減圧術が唯一の根治療法で術直後より痛みが消失する。ガンマナイフによる放射線療法は体の負担は少ないが数週間から数か月かけて痛みが消失する。 

投稿者:KUSUat 23:42 | 日記

2023年10月1日

熱中症について


熱中症について 今年は7月から9月にかけて酷暑日が続き熱中症と思われる患者さんが従来に比べて多かった印象があります。冷房のない工場での長時間の仕事で体調を崩した方は70代で37度台の発熱は1000mlの補液と体の冷却、五苓散の服用で36度台に解熱し改善しましたが翌日は仕事を休んでもらいました。加齢による調節力の低下が関与していたのではないかと思われました。また高齢者では自宅にいても暑くてもクーラーは使わないという人もあります。年とともに暑さに対する感度が低下して暑くても辛く感じないのではないかと思います。また水分補給も口を湿らせただけで渇きの感覚がなくなり十分量の水分を摂っていなかった可能性もあります。このような場合は最低限の補水量をペットボトルなどで(たとえば2本)見える形で摂るように工夫する必要が有ります。脱水症については尿検査で比重が高いことも判断の参考にしています。50代のかたで鉄製の屋根の上の作業で炎熱の中作業をしていて1.5時間でふらつき不快感で来られた方も補液と体の冷却を行い改善しました。この時の血液検査で腎機能の低下があり熱中症によるものかと疑いましたが一ヶ月後の再検査でも同等の所見を示しました。恐らく以前より腎機能障害があって炎熱の中での水の出入りの調節が悪くなって熱中症になったのかも知れないと思いました。いづれにしても熱中症はあらかじめ自らの弱点を認識して対策をたてることで予防できるはずですが一人暮らしや職場の事情、自分に対する管理意識の乏しさが障壁になっています。

投稿者:KUSUat 22:49 | 日記

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