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2023年9月26日

耳管開放症と漢方


耳管開放症と漢方治療 兵庫医科大学耳鼻咽喉科 大田重人先生 耳管開放症は頻度は100人に4〜5人と言われています。耳管は中耳腔と上咽頭をつなぐ細い管のことです。中耳の調圧、換気、排泄などの機能を持っています。通常、嚥下運動で開き、直ぐに閉じます。これが閉じない状態を耳管開放症と言っています。症状は自分の声が耳に響く、呼吸が耳に響く、耳がつまる等です。はなをすすると咽頭内の液体が開いている耳管を通じて中耳に達し耳管も閉ざします。この状態を耳管ロックといい中耳炎の原因になります。診断は自覚症状と伏臥位前屈姿勢をとることで自覚症状が改善することを確認して行います。耳管は嚥下運動で開きますが積極的に閉じる仕組みが有るわけでは有りません。耳管周囲組織の圧迫て塞がるのです。伏臥位前屈では近傍静脈の拡張や周囲組織の重力による移動などで耳管が閉塞されるのです。漢方でいう虚証の状態は体力低下、体重低下もあり周囲組織の緊張やボリューム減少をきたし耳管開放症に悪影響を与えていると考えられます。漢方では補剤が期待され補中益気湯、加味帰脾湯などがあります。西洋薬ではATP(アデノシン3リン酸)が50%の有効率を示します。補中益気湯は著効例12%を含め6割で効果をみとめます。 最近は補中益気湯またはATPと補中益気湯の組み合わせの処方をすることが多くなっています。

投稿者:KUSUat 21:50 | 日記

2023年9月11日

パーキンソン病アップデートセミナー 進行期PD


進行期パーキンソン病(PD)治療をどうするか 仙台西多賀病院 武田篤先生 PDは65歳より増加し65歳以上では1%罹患していると考えられています。全世界的な高齢化で高年齢になるほど増えますからPDパンデミックという表現も有ります。65歳以上のPDではデイスキネジア、姿勢保持の不安定、転倒、すくみ足などが増えてきます。高齢PDは亡くなる3年ぐらい前に認知症のでることが多くなります。抑うつ不安が出、嚥下障害、自律神経障害が出てきます。認知機能では幻覚や妄想が出てきます。PDやレビー小体型認知症(DLB)ではドーパミン系の低下に加えてアセチルコリン系、ノルアドレナリン系の低下も考慮しておく必要が有ります。嗅覚の障害が将来の認知機能の低下と関連有るといわれます。起立性低血圧はノルアドレナリンが関与しています。心筋MIBGの陽性所見は交感神経の機能低下を示唆し予後が悪い傾向が有ります。治療は初期ではL-dopaから始めます。L-dopaを遅らせても運動合併証が遅くなることは有りません。L-dopaの効果を延ばすことが有用であるがオピカポンは1日1回の服用でよく眠前にのめば朝での悪化をコントロールできると思われる。DLBは50%にアルツハイマー型認知症を合併する。PDは診断10年で50%、20年で90%が認知症になる。DLBは7割PDは34%にアルツハイマー型認知症を伴う。合併例は死亡率が上昇する。  

投稿者:KUSUat 00:46 | 日記

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