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2023年11月19日

神経内科学会地方会


抗認知症薬についての発表が3題あったので概略してみる。コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)使用での食欲への影響 福井総合クリニック 林広美先生 ChEIは服用すると食欲低下をきたすことが問題となる。ChEIはドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類が使われているが、それぞれで食欲、摂取量、味、食事回数を5段階評価して検討した。リバスチグミンで食欲が最も保たれた結果であった。  ドネペジル著効のレビー小体認知症について 日赤名古屋第二病院 柳沢哲朗先生 80歳女性のレビー小体認知症の例でドネペジルが著効を示したがコリン作動性ニューロンの障害が考えられた。これは無名質の萎縮像からも推測された。アルツハイマー型認知症における著効効果と同様な機序であることを思わせる メマンチンで睡眠時間短縮がみられたハンチントン病の症例。藤田神経内科病院 藤田祐之先生 メマンチンはハンチントン病の舞踏運動の改善にに使用されることがある。49歳の女性でメマンチン投与量を増やすにつれて睡眠相の後退をみた。増量で舞踏運動は軽減するも睡眠相が後退したため減量したところ後退は改善を示した。

投稿者:KUSUat 23:19 | 日記

2023年11月12日

パーキンソン病WEBシンポ


パーキンソン病の自律神経症状 金沢医科大学脳神経内科 朝比奈正人教授 パーキンソン症候群の鑑別では正常圧水頭症では下肢に症状が強いことや多系統萎縮症では残尿測定が参考になります。進行性核上麻痺は上方注視の障害、パーキンソン病(PD)は嗅覚障害が特徴的でしょうか。便秘はいずれの疾患でも合併するので鑑別には参考にならないと思われます。PDの便秘は腸管通過時間延長、抗コリン薬の影響、刺激性下剤の長期使用、や直腸収縮力低下、腹圧をかけられないや運動量の低下、水分摂取の減少などで起きています。運動療法や定時のトイレ、食物繊維摂取、起床時の飲水、規則正しい生活、運動療法が試みられます。薬剤的には抗コリン薬の中止、抗PD薬での運動機能改善が図られます。L-dopa吸収を妨げるため酸化マグネシウムは就寝前の服用が勧められますが75歳以上やe-GFR 60未満では高マグネシウム血症に注意します。血圧調節障害では起立性低血圧、食後低血圧、臥位高血圧、抗PD薬による低血圧や高血圧があります。起立性低血圧に対してはゆっくり立ち上がるようにし臥床を避け、弾性ストッキング、下肢のisometric exerciseを行い、立ちくらんだ時はしゃがむようにして頭は下げます。臥位高血圧にはベットを頭部を高くして寝るようにします。食事性低血圧には少量頻回摂取、高温の食事を避け、飲酒を避け、朝のタンパク質は減らし、食後はコーヒーなどを摂ります。またαグルコシダーゼ阻害薬を試します。またチラミンを多量含むチーズ、大豆製品、そら豆、キムチなどの漬物、乾燥熟成燻製の魚がお勧めです。

投稿者:KUSUat 23:30 | 日記

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