2014年9月23日
めまいの話(2)良性発作性頭位眩暈
良性発作性頭位(変換性)眩暈(BPPV) 眩暈の原因で最も多いものと思われます。 内耳の耳石器にある耳石膜の一部が崩れ、炭酸カルシュームの結晶(耳石)が遊離し、それが頭を急に動かした時、平衡感覚の受容細胞を刺激することによるものとされています。 動いていない状態から急に頭を動かした時に誘発されます。しかし数十秒以上持続することは少ないようです。また頭を動かしているうちに症状が改善していくこと(減衰現象)も大きな特徴です。 中高年に多く女性に多いといわれ骨粗鬆症が関係しているとも考えられています。また外傷や何らかの内耳損傷が誘因となっているものもあるようです。 治療法はエプリー法等ありますが、私は減衰現象を利用して急に動く前に、頭を細かく動かし次第に大きく動かすようにすることで減衰現象を先取りする方法で発作を誘発しないようにしています。特に起床時や就寝時は必ず行うようにします。そして毎食前にも行うように勧めています。これは脱落した耳石が頭位変換で内耳リンパ液内で舞い上がり溶解しやすくなるという説に基づいています。 良性があれば悪性発作性頭位眩暈もあります。それは小脳、脳幹の病変(出血、梗塞、腫瘍)で引き起こされます。持続時間は長く、最も重要なことは他の神経症状が合併することが多いことです。