2014年8月29日
学術講演 脂質異常症の新展開
学術講演 脂質異常症治療の新展開 千葉大学医学部教授 横手幸太郎先生 動脈硬化は高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙、加齢などで進行が早まり、結果として心筋梗塞、脳梗塞、腎不全を起こします。 脂質ではLDLコレステロール高値HDLコレステロール低値が動脈硬化に強く関与しています。 前者に対してはスタチンがよく値を下げます。動脈硬化性変化(プラークなど)が実際に改善します。動脈硬化性変化は炎症によっても引き起こされ、スタチンは炎症に対しても効果があります。スタチンの使用で脳梗塞、心筋梗塞が減少します。 更に減少させるものとして多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)があります。これは炎症を抑えて血管内膜の安定化を図り、血小板機能を低下させ血栓を予防します。 一方、同じ多価不飽和脂肪酸であるアラキドン酸(AA)は炎症を惹起し動脈硬化を進めます。 これらの血液中(血清)の比率EPA/AAが高いと動脈硬化が起きにくいことが分かっています。 比率が低い場合は経口的にEPAを摂ることで脳梗塞、心筋梗塞をもう一歩減少させることが可能です。