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2014年10月30日

学術講演 パーキンソン病の治療の考え方と認知症(1)


仙台西多賀病院 院長 武田篤先生 パーキンソン病はL-DOPAの出現によって生命予後が改善された。しかし長く使用していくうちに効果が減弱していく問題がある。その場合、投与量を増やしていくことになる。そうすることで症状は改善するものの筋肉の過剰な動き(デイスキネジア)が出現するようになり日常動作に支障をきたすようになる。これは年とともにL-DOPAの効果する血中濃度のレベルが高くなり、かつ幅が狭くなることで説明される。L-DOPA は血中での半減期が短いため、その狭い幅の濃度を維持するのが難しく、少ないと動きが悪く、多いとデイスキネジアを生ずる。そのため様々な工夫がされる。 パーキンソン病はアルツハイマー病にみられる所見を呈することがあり、アルツハイマー病の治療薬であるドネペジルが効果する可能性がある。 レビー小体病ではドネペジルが効くが、レビー小体病とパーキンソン病は同一の疾患で、脳病変の出現部位の時間的な違いによるものと考えられる。 パーキンソン病の転倒などにドネペジルが効く可能性があり現在研究中であるという。

投稿者:KUSUat 20:49 | 日記

2014年10月24日

めまいの話 (4)突発性難聴


突発性難聴は急激に起きる一側性の難聴で半数に回転性や浮動性の眩暈を伴う。 原因は不明であるがウイルス原因説が有力である。 症状でつけられた病名のため実際は各種の病因があると思われる。後に聴神経鞘腫が見つかったり、内耳動脈を分枝する脳血管の血栓症であったりすることも稀にある。診断の上で念頭に置いておく必要がある。 眩暈は時間とともに改善していくが難聴は放置すれば回復が難しい。 突発性難聴は2回起きることはない。繰り返せばメニエル病の可能性が高くなる。 人の訴えはバリエーションに富んでいるため、眩暈の主訴で受診される患者さんを診察すると新しい難聴が見つかることがあるのでややこしい。このような時は急いで耳鼻科受診を勧める。 突発性難聴はステロイドが効く場合があり、それは発症早期に使用すると効果が良いということが分かっている。時間との闘いになるので患者さんを急かすことになる。

投稿者:KUSUat 10:13 | 日記

2014年10月13日

脳神経外科学会総会


脳神経外科学会総会は外科的演題だけとは限らず放射線学的や内科的な演題も多い。 最近、漢方薬を使うことがあり、脳外科領域の漢方治療の会場に顔を出してみた。 脳出血が通導散、大柴胡湯で早く吸収され症状改善が促進されるとの報告があった。また回復期リハに際して元気をつけてするのがよいが補中益気湯、八味地黄丸、牛車腎気丸が役にたつという。 漢方はゆっくり効いてくるとの誤解があるが実は速効性がある。 慢性硬膜下血腫術後再発の予防に五苓散が効き再発率を半分(5%)に減らすことができる。また五苓散は広範囲脳梗塞の範囲の縮小に効果があるという。 脳腫瘍に伴う脳浮腫に五苓散が有効である。悪性脳腫瘍は術後放射線治療を行うが、この時の頭皮の放射線皮膚炎は柴雲膏の塗布で軽減できる。 脳血管性認知症の周辺症状には抑肝散が有効である。何故効くのか原理が分かりにくいが西洋薬では到達不可能な効果が漢方薬にはあり、両者を上手く使っていくことが期待される。

投稿者:KUSUat 21:59 | 日記

2014年10月5日

めまいの話(3) 椎骨脳底動脈循環不全症


椎骨脳底動脈循環不全症(VBI)は見逃してはならない病態です。 眩暈以外の神経症状を伴わないことが多く、眩暈が治るとそのままになってしまうからです。 VBIは脳卒中の前駆症と考える必要があります。 椎骨動脈、脳底動脈は特異な構造を有するため動脈硬化を来たし易く、また動脈硬化の影響を受けやすいのです。 脳幹の平衡感覚の重要部位は脳底動脈からの血流を受けますが細い動脈の最終にあり虚血に脆弱です。 脳底動脈の分枝は内耳にも血流を供給しますが、動脈硬化により内耳機能を不安定にします。 60歳を越えてからの眩暈は明らかに耳鼻科疾患でなければ血圧測定、コレステロール値、血糖値の検査や頸動脈エコー検査などで動脈硬化の可能性を確認する必要があります。そして動脈硬化の程度が強い時はMRA検査で脳血管、頸部血管の状態を診ておく必要があります。 治療は脳循環改善剤、降圧剤、抗コレステロール薬(スタチン製剤)で、程度の強い場合は血栓の予防薬を使うこともあります。

投稿者:KUSUat 12:32 | 日記

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