2014年10月30日
学術講演 パーキンソン病の治療の考え方と認知症(1)
仙台西多賀病院 院長 武田篤先生 パーキンソン病はL-DOPAの出現によって生命予後が改善された。しかし長く使用していくうちに効果が減弱していく問題がある。その場合、投与量を増やしていくことになる。そうすることで症状は改善するものの筋肉の過剰な動き(デイスキネジア)が出現するようになり日常動作に支障をきたすようになる。これは年とともにL-DOPAの効果する血中濃度のレベルが高くなり、かつ幅が狭くなることで説明される。L-DOPA は血中での半減期が短いため、その狭い幅の濃度を維持するのが難しく、少ないと動きが悪く、多いとデイスキネジアを生ずる。そのため様々な工夫がされる。 パーキンソン病はアルツハイマー病にみられる所見を呈することがあり、アルツハイマー病の治療薬であるドネペジルが効果する可能性がある。 レビー小体病ではドネペジルが効くが、レビー小体病とパーキンソン病は同一の疾患で、脳病変の出現部位の時間的な違いによるものと考えられる。 パーキンソン病の転倒などにドネペジルが効く可能性があり現在研究中であるという。