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2014年10月13日

脳神経外科学会総会


脳神経外科学会総会は外科的演題だけとは限らず放射線学的や内科的な演題も多い。 最近、漢方薬を使うことがあり、脳外科領域の漢方治療の会場に顔を出してみた。 脳出血が通導散、大柴胡湯で早く吸収され症状改善が促進されるとの報告があった。また回復期リハに際して元気をつけてするのがよいが補中益気湯、八味地黄丸、牛車腎気丸が役にたつという。 漢方はゆっくり効いてくるとの誤解があるが実は速効性がある。 慢性硬膜下血腫術後再発の予防に五苓散が効き再発率を半分(5%)に減らすことができる。また五苓散は広範囲脳梗塞の範囲の縮小に効果があるという。 脳腫瘍に伴う脳浮腫に五苓散が有効である。悪性脳腫瘍は術後放射線治療を行うが、この時の頭皮の放射線皮膚炎は柴雲膏の塗布で軽減できる。 脳血管性認知症の周辺症状には抑肝散が有効である。何故効くのか原理が分かりにくいが西洋薬では到達不可能な効果が漢方薬にはあり、両者を上手く使っていくことが期待される。

投稿者:KUSUat 21:59| 日記