<< 2014/10トップページ2014/12 >>
2014年11月24日

学術講演パーキンソン病の治療の考え方と認知症(2)


仙台西多賀病院 院長 武田篤先生 パーキンソン病の予後は発症年齢の高いものや高齢者では当然悪いといえますが、無動強剛の強いものもよくないようです。 特に認知症状を伴うと予後は悪化します。パーキンソン病においてもアセチルコリンの低下を認めるものがあり、この場合は認知症状の進行もありますが転倒が多くなることが分かっています。 パーキンソン病では高次機能障害が起きています。うつになり記憶障害が出現し自律神経系の変性も生じます。 以前使用された抗コリン剤は認知機能を低下させ、また転倒を引き起こします。 パーキンソン病では嗅覚が障害されるため嗅覚テストが診断の参考になります。アルツハイマー病でも嗅覚テストの有用性がいわれますが、一部はパーキンソン病をみている可能性も考えられます。

投稿者:KUSUat 22:32 | 日記

2014年11月17日

めまいの話 (5)自律神経失調による眩暈


自律神経系は必要に応じて自動的に各器官の血流や動き、分泌量を調整するシステムです。 自律神経失調には神経そのものの変性や障害をおこして生ずるものと、機能的に調整力が不安定になるものとがあります。 機能的な調整は過労、不眠、ストレスの影響を強く受けます。不眠や過労で回転性眩暈が生ずるのは、自律神経を介して内耳や脳幹の血流が不安定になるためと考えると理解しやすいです。 治療は、休息と循環改善剤、抗不安薬、向精神薬の少量投与が効果を示すことがあります。 ストレスで実際の眩暈が起きるという事実は、大事に至る前に仮の病気(眩暈等)を作り出して、体を休めるというシステムなのかもしれません。 自律神経失調による眩暈の診断は発症の経緯と他の疾患を否定してから決めることになります。

投稿者:KUSUat 15:58 | 日記

2014年11月5日

神経学会地方会 (福井県立病院)


学会の地方会は全国総会と違って症例報告が中心となる。そのため発表が具体的で日常診療に役立つことが多い。 治療可能な脳炎の中にヘルペス脳炎がある。帯状疱疹をきたすウイルスによる脳炎は皮疹を伴えば比較的容易に診断治療にたどり着ける。今回の報告では皮疹を伴わずMRIでも異常を認めなかった症例報告があった。ウイルス検査をし、見込みで抗ウイルス剤の使用もあるのかもしれない。 アルツハイマー病に対してコレステロールの薬(スタチン)の効果の可能性がいわれている。リバロ(商品名)を投与してその効果の臨床報告では、症状の進行を遅らせる傾向がつかめたといい興味深い。

投稿者:KUSUat 21:57 | 日記

<< 2014/10トップページ2014/12 >>
▲このページのトップへ