2022年7月15日
教育講演 レビー小体型認知症
レビー小体型認知症の診断と治療 金沢大学脳神経内科学 小野賢二郎教授 レビー小体型認知症は認知症の中で病理学的診断ではアルツハイマー病についで二番目に多い疾患です。レビー小体はαーシヌクレインが神経組織に蓄積したものですが、多系統萎縮症でも認められる所見です。幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動異常(RBD)、自律神経症状、抑うつなど多彩な症状を呈します。意識の変動を認め幻視では小動物、人が見えることが多いですし、錯視を認めることもあります。脳血流SPECTで後頭葉の血流低下があります。DAT-SCANや心筋MIBGも有用です。図形転写が拙劣で嗅覚低下も特徴です。軽度認知機能低下発症、せん妄発症、精神症状発症のレビー小体型認知症があります。病理学的にレビー小体病理とアルツハイマー病理の両者のある混合病理のものがあります。 幻視についてはアルツハイマー病治療薬のドネペジルが効果します。精神症状に向精神薬を使うと薬剤過敏があるため注意が必要で抑肝散はよく使います。またセロクエル少量使用することもあります。パーキンソニズムに対してはゾニサミドは精神症状に影響を出さない為使い易いと思います。