2022年07月10日
神経学会地方会 帯状疱疹治療薬について
抗ヘルペスウイルス製剤使用についての考察 帯状疱疹の際に使用する薬剤はアシクロビル、パラシクロビル、ファムシクロビルがあるが腎機能障害があると用量調整が必要であった。新たに出たアメナメビルは腎臓に負担がかからないため高齢者など腎機能低下が想定される患者にも使えるため選択の余地が増えたといえる。 今回の中部地方会ではアメナメビルの薬剤的性質による弱点を指摘する二つの発表があった。帯状疱疹は免疫能が低下すると神経節などに潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが活性化し末梢神経を伝って皮膚に至り皮疹を生ずるが、時に中枢神経系に広がり髄膜炎や脳炎を呈することがある。従来の抗ヘルペスウイルス薬は中枢神経系に移行できるがアメナメビルは中枢神経系に入れないという性質がある。従来薬では阻止されていた中枢神経における発症がアメナメビルでは阻止できないため皮膚疱疹が改善しても髄膜炎や脊髄炎の発症を見たとの発表であった。いずれもアシクロビルの点滴で改善を得ることができた。
投稿者:KUSUat 19:39| 日記