2017年2月25日
北陸神経疾患研究会
関東中央病院神経内科織茂智之先生パーキンソン病(PD)は初期は速やかに、後期は緩やかに進行します。そのため早期よりしっかり治療することが大事です。初期ではL-dopaの投与量が不足していても代償機構が働いて症状が出ないように頑張っているのですが、神経毒性や酸化ストレスが貯まってしまい結果的に良くないからです。画像診断として心筋MIBGがあります。PDやレビー小体病(DLB)では心臓交感神経が変性、脱落するためMIBGは低下します。しかしパーキンソン症状を呈する進行性核上麻痺(PSP)多系統萎縮症(MSA)はコントロールと比べ差がありません。早期治療は重要ですがL-dopaの量が400mg/日を越えるとジスキネジア、ウエアリングオフがでやすくなるようです。脳内(線状体)でのドパミン濃度の上下は神経回路の変調をきたすためなるべく避ける工夫が必要です。L-dopaの血中濃度半減期は60〜90分ですので頻回投与やコムタンとの併用が行われています。