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2017年2月25日

北陸神経疾患研究会


関東中央病院神経内科織茂智之先生パーキンソン病(PD)は初期は速やかに、後期は緩やかに進行します。そのため早期よりしっかり治療することが大事です。初期ではL-dopaの投与量が不足していても代償機構が働いて症状が出ないように頑張っているのですが、神経毒性や酸化ストレスが貯まってしまい結果的に良くないからです。画像診断として心筋MIBGがあります。PDやレビー小体病(DLB)では心臓交感神経が変性、脱落するためMIBGは低下します。しかしパーキンソン症状を呈する進行性核上麻痺(PSP)多系統萎縮症(MSA)はコントロールと比べ差がありません。早期治療は重要ですがL-dopaの量が400mg/日を越えるとジスキネジア、ウエアリングオフがでやすくなるようです。脳内(線状体)でのドパミン濃度の上下は神経回路の変調をきたすためなるべく避ける工夫が必要です。L-dopaの血中濃度半減期は60〜90分ですので頻回投与やコムタンとの併用が行われています。

投稿者:KUSUat 19:01 | 日記

2017年2月21日

講演会 認知症と運転


認知症と自動車運転 慶応大学医学部精神神経学科 三村将教授を聴いて以下の事が考えられます。 認知症患者の運転が最近特に問題になっています。この春からの道路交通法の改正で認知症で運転不適と思われる場合、医師の診断書による判断が要求されるようになります。しかし、この場合事故の際の責任の所在について問題が生じてきます。認知症で運転を可とした場合の責任を医師にもっていってしまうと、事故が起きた場合の賠償責任を問われることも考えられるからです。診察だけで全ての可能性を見通すことは無理であるにもかかわらず判断を求められ責任を追及されるとすると診断をするものはいなくなります。現時点では介護保険で求められる臨床上の診断で良いようですが将来どのように運営されるかは未確定です。厳密な診断を求められるようになると認知症専門医に診断の時だけ患者さんが集中するようになり通常の診療体制を保つことができなくなります。元来、認知症の病理学的診断を臨床的に行っていくことには無理があり診断は常に白黒ではなく灰色だということです。以上のことを考慮した上で法律を運営して行かなければ問題が生ずることとなると思われます。評価においては実車評価が実態と相関がが強いようです。レビー小体病は最も運転に不適でかつ検出しにくい病気です。視覚認知が悪く動くもの複数のもの暗いところでの認知能力の低下が特徴的です。前頭側頭型認知症は不注意運転、信号無視、不適切車間距離が特徴です。アルツハイマー病は車庫入れが拙劣になり、行き先不明になることの頻度が高くなります。

投稿者:KUSUat 00:07 | 日記

2017年2月5日

薬の話 (9)頭痛の薬


クモ膜下出血や脳腫瘍、髄膜炎などからくる頭痛に対しては本来、薬をのんで抑えるものではありません。ただ軽度のものは薬で痛みが低下します。この場合は症状を修飾して診断治療への道を遅らせてしまうことがあり注意しなければなりません。日常たまに経験する頭痛は一般的な鎮痛薬で改善し重大でないことが殆どです。これらは病名を付けるわけでもなく付けることも困難で、重大なことはないため自然に忘れることになります。しかし長期持続したり反復して出現するものは診断をし薬を使うことになります。緊張性頭痛は鎮痛薬は多少効果がありますが早晩無効になってきます。少量の抗うつ薬の服用が効果します。片頭痛は発作時はトリプタン系の薬剤が効きます。これは発作の起こり始めに使うと効果は高まります。この薬は片頭痛と群発性頭痛にだけ効果があるので他の頭痛には痛み止めとしては働きません。月に3回以上の発作が出るときは予防薬をのみます。予防薬には抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマート)降圧薬(ARB)Ca拮抗薬(ミグシス、ワソラン)βブロッカー(プロプラノロール)抗うつ薬(トリプタノール、パキシル)漢方薬などがあり患者さんの実状にあわせて効果のある薬をさがします。群発性頭痛の予防薬はかなり効果的というものはありません。Ca拮抗剤(ベラパミル)は効果があると言われていますが大きくは期待できませんが使って確かめます。ステロイドは効果はあるのですが長期にわたるとステロイド独自の問題が出て来るためどうしてもの時に使用期間を気にしながら使うことになります。回数が多い場合はトリプタン系薬剤の量をへらすため酸素吸入も組み合わせ発作回数を極力減らすようにします。めずらしい頭痛に持続性片側頭痛があります。この頭痛の特効薬はインドメタシンで他の鎮痛薬は効きません。

投稿者:KUSUat 15:35 | 日記

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