2017年02月21日
講演会 認知症と運転
認知症と自動車運転 慶応大学医学部精神神経学科 三村将教授を聴いて以下の事が考えられます。 認知症患者の運転が最近特に問題になっています。この春からの道路交通法の改正で認知症で運転不適と思われる場合、医師の診断書による判断が要求されるようになります。しかし、この場合事故の際の責任の所在について問題が生じてきます。認知症で運転を可とした場合の責任を医師にもっていってしまうと、事故が起きた場合の賠償責任を問われることも考えられるからです。診察だけで全ての可能性を見通すことは無理であるにもかかわらず判断を求められ責任を追及されるとすると診断をするものはいなくなります。現時点では介護保険で求められる臨床上の診断で良いようですが将来どのように運営されるかは未確定です。厳密な診断を求められるようになると認知症専門医に診断の時だけ患者さんが集中するようになり通常の診療体制を保つことができなくなります。元来、認知症の病理学的診断を臨床的に行っていくことには無理があり診断は常に白黒ではなく灰色だということです。以上のことを考慮した上で法律を運営して行かなければ問題が生ずることとなると思われます。評価においては実車評価が実態と相関がが強いようです。レビー小体病は最も運転に不適でかつ検出しにくい病気です。視覚認知が悪く動くもの複数のもの暗いところでの認知能力の低下が特徴的です。前頭側頭型認知症は不注意運転、信号無視、不適切車間距離が特徴です。アルツハイマー病は車庫入れが拙劣になり、行き先不明になることの頻度が高くなります。
投稿者:KUSUat 00:07| 日記