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2017年02月05日

薬の話 (9)頭痛の薬


クモ膜下出血や脳腫瘍、髄膜炎などからくる頭痛に対しては本来、薬をのんで抑えるものではありません。ただ軽度のものは薬で痛みが低下します。この場合は症状を修飾して診断治療への道を遅らせてしまうことがあり注意しなければなりません。日常たまに経験する頭痛は一般的な鎮痛薬で改善し重大でないことが殆どです。これらは病名を付けるわけでもなく付けることも困難で、重大なことはないため自然に忘れることになります。しかし長期持続したり反復して出現するものは診断をし薬を使うことになります。緊張性頭痛は鎮痛薬は多少効果がありますが早晩無効になってきます。少量の抗うつ薬の服用が効果します。片頭痛は発作時はトリプタン系の薬剤が効きます。これは発作の起こり始めに使うと効果は高まります。この薬は片頭痛と群発性頭痛にだけ効果があるので他の頭痛には痛み止めとしては働きません。月に3回以上の発作が出るときは予防薬をのみます。予防薬には抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマート)降圧薬(ARB)Ca拮抗薬(ミグシス、ワソラン)βブロッカー(プロプラノロール)抗うつ薬(トリプタノール、パキシル)漢方薬などがあり患者さんの実状にあわせて効果のある薬をさがします。群発性頭痛の予防薬はかなり効果的というものはありません。Ca拮抗剤(ベラパミル)は効果があると言われていますが大きくは期待できませんが使って確かめます。ステロイドは効果はあるのですが長期にわたるとステロイド独自の問題が出て来るためどうしてもの時に使用期間を気にしながら使うことになります。回数が多い場合はトリプタン系薬剤の量をへらすため酸素吸入も組み合わせ発作回数を極力減らすようにします。めずらしい頭痛に持続性片側頭痛があります。この頭痛の特効薬はインドメタシンで他の鎮痛薬は効きません。

投稿者:KUSUat 15:35| 日記