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2019年11月26日

視覚障害者の事故予防をウオーキングストックで


私のクリニックでは下肢筋力の低下防止のため椅子を使っての半スクワットとつま先立ち(踵上げ)をすすめています。また転倒予防にウオーキングストックの使用を提案しています。転倒による骨折や打撲よる安静がフレイル、ザルコペニアにつながり予後の低下をまねきます。人は歩行に際して左右に振れながら進んでいます。この左右の振れをストックで制御することで歩行が安定します。  ストックを使ってもう一つ分かったことがあります。前方に振り出すストックはこれから進む地面の状況を取得するゾンデ(消息子)になっているということです。これから進む2本のゾンデの間は状況(溝や凸凹)が良くわかる地帯になります。視覚障害者の使われる白杖は通常1本です。1本の杖を自身の前方だけ使う場合は側方の情報が欠落することがあります。時に報道される視覚障害者の駅ホームからの転落事故がそのことを物語っています。試しにウオーキングストックを使い目を閉じて歩いてみると衝突や転倒の危険を感ずることなく歩行できることがわかります。右手に持つストックを左足前方につき、左手に持つストックを右足前方につくようにして、これを繰り返し前方に歩くと進行する直前の地面の状況が探知できます。この方法が広まれば悲惨な事故無くすることが可能になると思われます。

投稿者:KUSUat 23:27 | 日記

2019年11月10日

サルコペニア・フレイルに足腰運動表を使う


クリニックのホームページ「ご挨拶」よりダウンロード可能です       日本サルコペニア・フレイル学会がサルコペニアを診断する基準を作っている。サルコペニアは加齢や疾病による筋肉量減少を意味し、フレイルは活動性抵抗性耐久性の低下を指している。筋肉量が減少してフレイルにもなり、フレイルから筋肉量が減少することもあるのだろう。分け難いので両者を学会名にいれたのだと思われる。予備テストで握力測定とイスからの立ち上がりテストをあげている。握力は男性28Kg女性18Kg未満、立ち上がりテストは5回の立ち上がりに12秒以上かかる場合を目安としている。体全体の筋肉量の2/3が下半身にあり体全体の運動移動に使われる。この力が落ちると生活が大きく制限され更に悪化を招く。予防のためにはトレーニングをする必要がある。筋力強化には負荷をかけなければならないのですが、家庭にはジムにあるような錘や発条、油圧シリンダーを使ったマシーンはありません。しかし自らの体を錘として使うことができます。上にあげた予備テスト(立ち上がりテスト)は最も重要な筋肉の評価をしているのです。逆に表現するとこの動作によって最も重要な筋肉を強化維持できることになります。主要筋肉が強化されれば運動量が上がりその他の筋肉も使われることになり機能が改善します。私のクリニックでは15年程前よりイスからの半スクアットを脳梗塞やパーキンソン病、冬季の運動不足の方にすすめてきました。5年前より分かりやすい図表と記入表をつくり患者さんに渡し最近は少しずつ理解が進んできたように思います。

投稿者:KUSUat 13:12 | 日記

2019年11月6日

神経内科東海北陸地方会 金沢


(1)両側延髄内側梗塞を呈した神経梅毒の1例 岐阜大学脳神経内科  原因は動脈硬化、椎骨動脈解離、血管炎などで生じ予後不良な病態で適切な判断を要す。髄膜血管型神経梅毒による報告は稀であるが念頭に置く必要がある。 (2)他臓器障害の無い筋ザルコイドーシスの1例 石川県立中央病院 脳神経内科 1年以上続く下肢筋力低下が主訴で、一般臓器所見に異常なく神経検査で近位筋優位の四肢筋力低下と深部反射低下を認めた。CKに異常なく末梢神経伝導速度は正常で、筋電図は筋原性変化とともに一部神経原性変化を認めた。筋生検でザルコイドーシスと診断された。慢性ミオパチー型でこれは閉経後女性に多い。老年女性のミオパチーには考慮すべきと考える。後に血清ACEや可溶性IL-2抗体高値が確認されている。 (3)多弁症(Hyperlalia)と失語症(Aphasia)が交互にみられたてんかん部分発作の1例 名古屋第二赤十字病院 神経内科  83歳女性で変形性膝関節症手術後より多弁傾向になり急にしゃべれなくなる発作を繰り返した。血液、髄液検査正常でMRIでも説明できる病変はなかった。脳波で左前頭葉に棘徐波複合を認め抗てんかん薬の投与で脳波、症状とも改善した。非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)の症状は多彩であり発作後の症状も診断に有用である。

投稿者:KUSUat 00:41 | 日記

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