2019年11月06日
神経内科東海北陸地方会 金沢
(1)両側延髄内側梗塞を呈した神経梅毒の1例 岐阜大学脳神経内科 原因は動脈硬化、椎骨動脈解離、血管炎などで生じ予後不良な病態で適切な判断を要す。髄膜血管型神経梅毒による報告は稀であるが念頭に置く必要がある。 (2)他臓器障害の無い筋ザルコイドーシスの1例 石川県立中央病院 脳神経内科 1年以上続く下肢筋力低下が主訴で、一般臓器所見に異常なく神経検査で近位筋優位の四肢筋力低下と深部反射低下を認めた。CKに異常なく末梢神経伝導速度は正常で、筋電図は筋原性変化とともに一部神経原性変化を認めた。筋生検でザルコイドーシスと診断された。慢性ミオパチー型でこれは閉経後女性に多い。老年女性のミオパチーには考慮すべきと考える。後に血清ACEや可溶性IL-2抗体高値が確認されている。 (3)多弁症(Hyperlalia)と失語症(Aphasia)が交互にみられたてんかん部分発作の1例 名古屋第二赤十字病院 神経内科 83歳女性で変形性膝関節症手術後より多弁傾向になり急にしゃべれなくなる発作を繰り返した。血液、髄液検査正常でMRIでも説明できる病変はなかった。脳波で左前頭葉に棘徐波複合を認め抗てんかん薬の投与で脳波、症状とも改善した。非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)の症状は多彩であり発作後の症状も診断に有用である。
投稿者:KUSUat 00:41| 日記