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2022年11月26日

セミナー 伝播する認知症


伝播する認知症 金沢医科大学脳神経内科 浜口毅教授 伝播する認知症にはプリオン病があります。プリオンはタンパク質からなる感染性因子のことです。人では孤発性クロイツフェルドヤコブ病(CJD)が76%,遺伝性CJDが21.3%,獲得性のものが23%です。獲得性ではクールーが知られ、これはパプアニューギニア地域での死者の脳を女性子供が食べることにより感染発症するプリオン病です。医原性では40年近く前に脳外科手術で使われた人乾燥硬膜に由来するものがあります。プリオン以外では脳アミロイドアンギオパチー(CAA)を生ずるAβが注目されています。詳細にみるとCAAは65歳以下で10〜58%に見られ90歳以上では74%に見られます。アルツハイマー病では80〜90%にみられます。CAAは出血が多く微小出血が多発したり血腫を生ずることもあります。Aβの伝播から生じるものはaquiered CAAと言われますが、動物実験で伝播が起きることが実証されています。

投稿者:KUSUat 21:47 | 日記

2022年11月19日

神経内科中部地方会 帯状疱疹


帯状疱疹は幼小児期に罹患した水痘ウイルスが神経系内に潜んでいて免疫力が低下した時増殖し末梢神経や時に中枢神経系を障害することで発症する。多くはデルマトーム(脊髄のレベル別に分布する神経支配領域)に一致した発疹群で診断することが多い。しかし発疹を生じないもの(zoster sine herpete)もあることは念頭に置かなければならない。多くは感覚神経を侵すが運動神経に至る場合がありsegmental zoster paresisといわれる。頭部においては顔面神経麻痺を生ずるが抗ウイルス薬とステロイドの早期投与が必要である。感覚神経では頭部は三叉神経第1枝領域に好発し角膜の障害が最も重大な障害である。また後頭神経に出る場合は後頭神経痛と間違われることがあるので経過観察が必要である。運動麻痺は皮疹の後に出てくることがあるので皮膚病変のみに注意を向けているだけだと発見が遅れることがある。適正に抗ウイルス薬とステロイドの使用が必要である。今回の神経内科中部地方会でも2施設から発表があった。最近、腎機能低下でも使い易いという理由でアメナメビルの使用が多くなっているがこの薬剤は髄液移行性が低く神経合併症が増える原因となっている可能性が高い。最近の朗報ではこれまでの帯状疱疹水痘ワクチンの効果を大きく上回る新たなワクチンが出てきました。帯状疱疹は弱り目に祟り目となるので新たなワクチンは期待できますが高額ではあります。80代後半の方で希望される方があり一回目を打ちました。

投稿者:KUSUat 00:32 | 日記

2022年11月1日

Web セミナー 脳卒中


歩いて受診する脳卒中 新百合ヶ丘総合病院脳卒中センター 長谷川泰弘先生 歩いて受診できる状況はTIA(一過性脳虚血発作)や小規模脳卒中が考えられます。古典的(classic)TIAは局所神経症状が24時間以内に完全に消失し、CT,MRIでの確認を含まないものでした。現在のTIAはCT,MRIの所見で急性期所見の認められないもので24時間以内に症状が消失するものをさします。急性期血管障害症候群(ACVS)は突然発症の血管性の神経機能障害をいいますが高リスクの要因としては心房細動、脳血管障害(CVD)の既往、週に2回以上の発作などがあり高リスクの場合は脳卒中センターへの紹介が必要です。脳梗塞、脳出血、TIAはCVDとして先ずCTをとり出血の有無を確認します。出血が無ければ抗血小板薬が開始されることがありますが、アミロイド血管症の場合TIAと間違われること(amyloid spells)があり抗血小板薬が使用されると出血を誘発してしまうことがあるので注意が必要です。

投稿者:KUSUat 22:11 | 日記

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