2022年10月23日
認知症患者の生活支援
認知症患者の生活支援 京都大学医学部木下彩栄教授 認知症ではAβやtauの蓄積などの病理的変化はマイナス要因であり埋め合わせ要因として認知予備能、神経再生、脳血管障害予防等があります。認知症への介入では症状進展要因として、繰り返される頭部外傷、高血圧症、糖尿病等が上げられます。予防要因では運動習慣、地中海食、適切な睡眠があります。教育歴、言語機能は認知予備能に関係します。認知症の診断基準は意識障害の無い条件で記憶力、判断力や会話能力などの認知機能低下により社会生活に支障を来した状態を言います。現代の生活には家電製品が多種類使われます。日常生活での支障には家電が関与することは頻繁にあります。認知症の状況をどの様な家電を使えるかを評価することで把握することも可能です。たとえば普通の電話機は使えるがスマホの電話機能が使えないことはあります。生活の支障を軽減する方策として認知症患者の立場に立った製品開発が考えられます。操作手順を簡略化したり器械の様式を変えたりすることが考えられます。時計はアナログよりもデジタルの方が分かりやすいのです。新たなシステムの導入で支障を減らすことも可能です。目標を生活が上手く回るようにすることに置くことで実質上病気の進行を遅らせることが可能であると言えるのです。