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2022年11月19日

神経内科中部地方会 帯状疱疹


帯状疱疹は幼小児期に罹患した水痘ウイルスが神経系内に潜んでいて免疫力が低下した時増殖し末梢神経や時に中枢神経系を障害することで発症する。多くはデルマトーム(脊髄のレベル別に分布する神経支配領域)に一致した発疹群で診断することが多い。しかし発疹を生じないもの(zoster sine herpete)もあることは念頭に置かなければならない。多くは感覚神経を侵すが運動神経に至る場合がありsegmental zoster paresisといわれる。頭部においては顔面神経麻痺を生ずるが抗ウイルス薬とステロイドの早期投与が必要である。感覚神経では頭部は三叉神経第1枝領域に好発し角膜の障害が最も重大な障害である。また後頭神経に出る場合は後頭神経痛と間違われることがあるので経過観察が必要である。運動麻痺は皮疹の後に出てくることがあるので皮膚病変のみに注意を向けているだけだと発見が遅れることがある。適正に抗ウイルス薬とステロイドの使用が必要である。今回の神経内科中部地方会でも2施設から発表があった。最近、腎機能低下でも使い易いという理由でアメナメビルの使用が多くなっているがこの薬剤は髄液移行性が低く神経合併症が増える原因となっている可能性が高い。最近の朗報ではこれまでの帯状疱疹水痘ワクチンの効果を大きく上回る新たなワクチンが出てきました。帯状疱疹は弱り目に祟り目となるので新たなワクチンは期待できますが高額ではあります。80代後半の方で希望される方があり一回目を打ちました。

投稿者:KUSUat 00:32| 日記