2021年10月30日
脳神経外科学会総会 シンポジウム てんかん
焦点性意識減損発作(FIAS focal impaired awareness seizure)は側頭葉てんかんや若年性ミオクロニーてんかんで見られます。老年では多くは側頭葉てんかんです。初診時70%以上で脳波検査で棘波を認めることが出来ます。意識減損後に発作後の失語症を呈するものもあります。前兆(aura)には既視感、恐怖感、臭いなどがあります。MRIでは海馬硬化や扁桃核腫大を見ることがあります。抗てんかん薬を先ず使用しますが、これまで略してAED(anti epileptic drug)が使われていましたがASM(anti seizure medications)にとって変わられつつあります。 てんかんによる一過性の健忘はTEA(transient epileptic amnesia)と言われます。TGA(transient global amunesia一過性全健忘)は現象としては似ていますが持続がTEAが持続時間が30分〜60分と短いのに対してTGAは数時間から1日以上に及びます。アルツハイマー病とてんかんの合併はありますがMCIの時期からその傾向が認められます。コントロールが1割に対して4割に脳波検査でてんかん波が認められます。高齢になるとてんかんの頻度は上がり、てんかんの4割は65歳以上です。半数は病変部が不明で脳卒中に由来するものは1/3です。てんかんに由来する意識減損状態ではNSE(non convulsive statusu epileptics非けいれん性てんかん重積状態)がこれは持続が長く半日から1日以上と長時間持続します。