2018年2月19日
北陸神経疾患研究会
徳島大学医学部 梶龍兒教授 不随意運動のジストニアは自動運動に必要でない筋肉が活動してしまう状態を指します。分類すると(1)局在性 痙性斜頸、眼瞼痙攣、書痙などで動作特異性の自動プログラムでの異常(2)分節性 メージュ症候群 (3)遅発性 精神科領域の薬剤を長期にわたって服用し、中止したり量を変更したりすると出現することがある (4)全身性 に分けられます。大脳基底核での直接路、間接路のプログラミングの錯誤によると言われ、症状検出は自動運動をみることです。前歩きは考え事をしながら遂行できるので自動運動なのですが、後ろ歩きは意図して脚を運ばなければならないので自動運動ではないのです。つまり後ろ歩きはできても前歩きは困難という現象があります。また感覚トリックといってある特定の刺激(姿勢やある部位に触れることなど)で症状が改善することがあります。遺伝性ジストニアとして遺伝子が特定されるものもありますが、まだまだ解明されてはいません。治療では深部脳刺激療法(DBS)で両側淡蒼球刺激が効果するものがあります。また突発性運動誘発性ジストニア(PKD)ではテグレトールが著効します。そのほか薬剤としてはL-ドーパ、抗コリン剤、ゾルビデムの効果するものがあります。