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2014年5月28日

脳神経外科コングレス(大阪)(2)




ランチョンセミナーは認知症にたいする治療での周辺症状に対する抗認知症薬の話。九州大学 小原知之先生の講演を聴く。それぞれの抗認知症薬の特徴はドネベジルは覚醒度の上昇を期待できるが賦活しすぎることがある。リバスチグミンはレビー小体病に反応がよい。ガランタミンは鎮静作用がある。メマリーは視空間認知能力を改善する。また10mgまででは抗周辺症状作用10-20mgで抗認知症作用が期待できる。抑肝散は夕方からの不安に夕食後に2.5gまたは5.0g服用で使うこともある。認知症状の悪化にはベンゾジアゼピン系剤、H2ブロッカー、抗コリン剤が関与していることがあり中止、減量が必要。H2ブロッカーはプロトンポンプihにかえるのも良い。イライラにはガランタミンがよく、アパシー譫妄にはドネペジルが良い。リフレックスは抗不安作用があり、トリプタノールは鎮静作用が期待できる。向精神病薬ではリスパダール、セロクエル、エビリファイ等があるが、いずれもかなり少量で使用する。
以上が要約です。

投稿者:KUSUat 23:47 | 日記

2014年5月21日

頭痛の話(3)




最もこわい頭痛はクモ膜下出血による頭痛が筆頭でしょう。原因の多くは脳動脈瘤の破裂です。クモ膜下出血の発症1ヶ月の死亡率は30-60%といわれ、年間10万人あたり十数人の発症率といわれるが実際にはそれ以上だとされています。また女性が男性の2−3倍多いといわれます。症状は突然の頭痛だが、過去に経験のない激しい頭痛が出現した時はクモ膜下出血を考える。ただ軽度の出血の場合もあり判断の難しいこともある。診断にはCTスキャンが一般的で、発症時では98%に異常が確認できる。出血が分かれば脳血管撮影などの検査で動脈瘤の有無、部位、形、大きさ確認する。治療は再発予防のための開頭クリッピングか血管内アプローチでコイルなどによる動脈瘤の閉塞の二つがある。発症因子として喫煙」、高血圧、飲酒がいわれている。

投稿者:KUSUat 00:39 | 日記

2014年5月20日

脳神経外科コングレス(大阪)(1)




脳神経外科では春のコングレス秋の脳外科学会総会が主な学会です。今回は収穫の多い学会でした。(1)良性腫瘍の話
悪性か良性かは増大し周囲を破壊したり転移するものを悪性、そうでないものを良性とされます。しかし頭蓋内にできるものは良性であっても閉鎖空間であるため周囲の組織を破壊します。そのため手術が行われることもありますが、増大速度が遅かったり、あるいは増大停止している場合は経過をみることになります。
放射線はこれまで良性腫瘍に効果がないとされていましたが、高線量を狭い範囲に集中することで腫瘍を消退させることも可能です。放射線にはガンマ線、陽子線、炭素イオン線などがあり臨床例が積み重ねられています。
頭蓋底部のものは脳幹や重要な組織と接することが多く、再発を許してしまうこともあります。

投稿者:KUSUat 00:43 | 日記

2014年5月17日

脳外科学会地方会




中部地方会は遠いときは静岡や長野のこともあるため、今回の金沢は出席しやすいといえる。地方会は症例の報告が中心で、臨床的な力をつけるには大きく貢献していると思われる。
今回の会長は金沢大学脳神経外科教授の濱田潤一郎氏だが昨年秋に亡くなられたので、代行の人になっていた。教育、研究、臨床と医学部の教授は激務だと思う。

投稿者:KUSUat 01:03 | 日記

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