2014年6月22日
頭痛の話(6)
後頭神経痛による頭痛
この頭痛はかなり頻度が高いと思われるが一般的な頭痛の分類には入っていない。そのためこのような頭痛の存在が次第に認識されなくなっていると思われる。この神経は脊髄の最上部後方から出て第一頸椎(環椎)と後頭骨の間を通って後頭部頭頂にかけて分布する神経である。
頻度が高いのは構造的な問題にあると思われる。
第一頸椎には重量のある頭部が載っている。しかもその頭部を安定化するため後頭部後頸部の強力な筋群によって頭蓋骨が第一頸椎に強く押しつけられている。そのため後頭神経に対するストレスが強くなり神経痛をきたし易くなると思われる。
悪い姿勢、感冒、飲酒、むち打ち、高い枕、受験勉強、精密作業などで神経痛を誘発することがある。
予防には良い姿勢、ちょうど良い高さの枕、軽い上肢の運動、横になるなどがある。
痛みの強いときは神経ブロック、鎮痛剤、ビタミンB群、筋弛緩剤が効果がある。緊張性頭痛と合併するときは抗うつ剤、抗不安剤を要することもある。
診断は神経の圧痛が参考になるが、他の頭痛の原因を否定しておかないと頻度が高い故、重大な頭痛を見落としてしまう可能性がある。