<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2014年06月08日

脳神経外科コングレス(大阪)(3)




虚血性脳血管障害の最近の状況
脳血管障害はたった一度の発作で寝たきりになってしまうこともある疾患である。特に心原性脳塞栓症は重症度が高くなることが多い。まずなによりも予防が重要である。最大の原因は非弁膜性心房細動である。この疾患は加齢とともに増加する。発作性と慢性では発症率に差はないとされる。塞栓予防には抗凝固薬が必要になる。ワルファリンがこれまで使用されて来たが、最近、新規経口抗凝固薬がでてきた。ダビガトラン、アピキサバンは腎機能低下では使いづらいが、出血に関してはワルファリンをしたまわっている。投薬開始にあったてはCHADS2scoreが参考となる。鬱血性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病、過去の脳卒中または一過性脳虚血発作である。
さて超急性期脳梗塞ではt-PA静注療法が行われるが、これまでは発症から治療開始まで3時間であった。それが4.5時間まで拡大されデータが積み上げられている。時間との戦いになるため効率のよいシステムの整備が重要である。
クモ膜下出血の際の脳血管攣縮は遅発性脳梗塞の原因とされ予後に大きな影響があるとされてきた。全例の25%に出現するといわれる。しかし最近、脳側にも何らかの原因があるのではないかというデータが出てきた。

投稿者:KUSUat 11:08| 日記