2018年9月17日
認知症と薬剤
認知症状と薬剤
認知症状は薬剤によって悪化したり誘発されることはようやく広く知られるようになってきました。最近は安定剤(抗不安薬)睡眠薬について使用に厳格さが要求されるようになり一つの進歩と言えます。この系統の薬剤(ベンゾジアゼピン系)はアルコールとよく似ています。飲酒していると注意力、集中力、記憶力、判断力は明らかに低下します。長期間続けると多量飲酒しないと酔わなくなります。薬剤の場合は効果が減少し、服薬量が増えると注意力、集中力、判断力、記憶力が低下します。認知症を含む高齢の方でもう一つ問題になっているのは抗アレルギー剤です。高齢になると皮膚の機能が低下し乾燥のため痒みが出てきます。この痒み止めとして抗アレルギー剤がよく使われます。認知症で比較的安定していた患者さんが不穏になったり怒りっぽくなったりします。なにか良い方法がないものかと思います。高齢で強度な慢性蕁麻疹の方にも抗アレルギー薬が複数使われます。この場合も認知症と区別できないような症状を呈します。中止すると全身が痒くて生活が出来ません。医学雑誌によると難治性喘息の治療薬(ゾレア)が難治性の慢性蕁麻疹に効果があるとのことですが皮膚科での治療の進歩を期待したいと思います。