2015年9月24日
夏のスポーツ(3)
大日山登山での考察(2)ストックのこと
大日山は加賀市、小松市、勝山市の3市にまたがっている標高1368mの山でいずれからも登山道が整備されている。
最も使われるコースは加賀市山中から入る道で、今は廃村になった真砂(まなご)から登るコースで約1,100mの高低差になる。本当の高山ではないため熊と遭遇する可能性はゼロではなく、登山口には注意書きがある。単独登山なので熊よけ鈴と携帯ラジオ(ソニー製73g)を持って行く。昨年の登山からストックを使っているが、山用のストックは石鎚があるので、もし熊と遭遇したらストックを槍のように使って戦うしかないかと妄想してしまう。
ストックを使用するとバランスが良くなりスピードも速くなる。山でけがをすると動けなくなる。ヘリコプターで助けられるのは樹木がなく視界の開けた高山でのけがである。低い山での転倒は最も避けたいことの一つである。
ストックの使用は四つ脚で歩く感じに近く、ストックに体重をかけなくとも前方を探ったり、つっかえ棒になったり実に便利である。
下山での転倒はめずらしいことではない。今回の下山ルートは小大日山を通る道でかなりの急勾配でナイロンザイルが張ってあり助けられた。そしてストックのおかげで転倒することはなかった。荷物も軽かったので登り2時間半、下り2時間であった。
山道はは坂道であり、浮き石、木の根、滑りやすい地面など条件はきわめて悪い。そんな条件での転倒が防げるということは、平地での使用での転倒予防に十分役にたつと思う。歩行状態の悪い患者さんでストックの使用で安定歩行を確保できる。一本の杖と両手のストックを比較すればどちらが確実なサポートとなるかは明らかである。