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2015年09月02日

講演会 陽子線がん治療




福井県立病院 陽子線がん治療センター 
山本和高センター長
これまでの放射線治療は腫瘍部分に治療線量を照射するには、深部であるとエネルギーが届きにくかったり腫瘍部に達するまでに周囲臓器を損傷したりするという制約がありました。これはエックス線ガンマ線の性質が体の表面近くでエネルギーを放出する性質から説明できます。
一方、陽子線は体表から深い部位に到達してエネルギーを放出します。この性質を利用して深部にある腫瘍に周辺健常組織への障害を減らして高線量の放射線を照射することが可能になります。
陽子線治療の対象となるがんは病巣の位置がはっきりしている固形がんで大きさもこれまでの放射線治療では対応が困難であった直径5センチを超えるものでも対処できます。
肝がん前立腺がん肺がん頭頸部のがんが対象になります。
現在高度先進医療の適応を受けており、入院費等は健康保険が使えます。陽子線治療の医療費は現在240万から260万円の負担となります。民間の高度先進医療保険が使えます。
今後もう少し実績が積まれれば一部は健康保険が適用されるのではないかと思っております。

投稿者:KUSUat 08:35| 日記