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2024年5月22日

抗てんかん薬の血中濃度測定


てんかん治療において抗てんかん薬の血中濃度測定は極めて有用である。血中濃度には有効範囲があるが、これを下まわっても実際の発作がコントロールされていれば問題はない。また濃度が範囲を上まわることがあるが高濃度で副作用が出る薬剤に関しては定期的な血中濃度測定が望ましい。てんかん治療は年余にわたるので服薬の継続は重要である。患者によってはきちんと服薬しなかったり、出来なかったりする方があるが実際の服薬の状況を他覚的に知るうえで有力な武器である。血中濃度と実際の効果がリアルタイムに平行するかは薬剤によって異なると思われる。薬剤が効果を発揮する組織に留まる時間が長ければ血中濃度が一時的に下がっていたとしても効果は持続する。また薬剤によっては血中半減期の長いものもあれば短いものもある。以上のようなことで年に2回少なくても1回は血中濃度測定を行うように努めている。

投稿者:KUSUat 23:51 | 日記

2024年5月16日

脳波検査について


脳波検査が臨床に使われるようになって半世紀以上は経過している。中枢神経系の疾患は多岐にわたり、様々な手法を用いて診断を絞り込む必要が有る。形態的変化を呈するものはCTやMRIで見ることが出来る。神経学的検査は病態把握には必須の手技で容易に行えて、得る情報量は多い。脳波検査はてんかん診療には欠かせない検査であるが脳の機能や活動性の評価にも有用である。画像に反映しにくい神経膠腫やクロイツフェルト・ヤコブ病の診断に大きな貢献をした経験がる。最近話題の高齢者てんかんでは脳波の典型的異常を捉えにくい為脳波検査なしでも診断が決定され抗てんかん薬が処方されることがあるが、一度は脳波検査を行いベースの脳機能の程度を見ておきたいと思われる。高齢者てんかんがアルツハイマー型認知症と間違われたりアルツハイマー型認知症には高頻度に高齢者てんかんを合併することが有るのでややこしいい。高齢者てんかんと診断され抗てんかん薬服用中の患者さんが引っ越しで紹介されてきたことがあったが、コントロールが悪く不思議に思っていた。高齢者てんかんは少量の抗てんかん薬でコントロール良好がほとんどなのです。この方は脈の乱れから検査を進め洞不全症候群であることが分かりペースメーカーで改善した。アルツハイマー型認知症の患者さんで友人と会話中に急に会話が止まって無反応になり再び元に戻った例はてんかんの合併と考え抗てんかん薬投与開始し発作は消失している。以上のような場合、脳波検査なしで診断を絞っていくのはかなりストレスとなる。最近、脳波計が故障してしまい新しい脳波計を購入となったのですが注文生産とのことで現在納入待ちでもうしばらくの辛抱です。

投稿者:KUSUat 00:30 | 日記

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