<< 2024/03トップページ2024/05 >>
2024年4月18日

パーキンソン病セミナー(精神症状)


パーキンソン病に伴う精神症状のマネジメント 伊敷病院理事長 植村健吾先生 パーキンソン病に伴う精神症状は病初期あるいは前段階より出現してきます。不安症であったりうつ状態アパシーなどを呈します。病理学的変化は脳幹より大脳へと進展し症状は顕著となってきます。パーキンソン病治療は運動症状改善に主眼をおくことが多いのですが抗パーキンソン薬は精神症状の悪化を引き起こす傾向にあります。治療的には運動症状と精神症状はシーソーの関係にあり精神症状が強い場合は抗パーキンソン薬を減らし精神症状の改善を図らないと上手く行かないことがあります。精神症状を改善し意思疎通を図ってから運動症状の修復を目指します。薬剤では非定形的向精神病薬のセロクエルや抗認知症薬のリバスチグミンなどを使います。どの抗パーキンソン薬も精神症状を出す可能性があります。なかではL-dopaは最も精神症状が少ないので最後まで残すことになります。ただ最近使われるようになったL-dopaの24時間持続投与は通常経口投与が2/67に対し11/74で幻覚が出現し易いといわれます。幻覚があっても気にならないようであればそのまま様子を見ます。ケアの面でいうと身体症状と精神症状では後者が余程困難ですので身体症状を後回しにして精神症状を優先して対処します。幻覚症状にたいしては非定型的向精神病薬が有効ですが不眠の改善も有効でゾルビデムやクロナゼパムが使われます。この剤はドーパミンを増やす作用があると言われています。

投稿者:KUSUat 22:50 | 日記

2024年4月10日

教育講演 アトピー性皮膚炎


トピー性皮膚炎の長期寛解維持のストラテジー ひふのクリニック人形町 上出良一院長  アトピー性皮膚炎の始まりは皮膚角層バリアの損傷です。ガサガサの皮膚からアレルゲンが入り、それに対して生体が反応し炎症や免疫反応を生じます。痒みも出て皮膚を引?いて悪循環に入っていきます。口から入るアレルゲンに対しては生体の反応は皮膚経由に比べ本来少ないと言われています。離乳の前に皮膚からの侵入で感作されないようにケアすることが重要です。アトピー性皮膚炎ハイリスクの新生児で乳液タイプの保湿薬を使用しケアすると非使用群に比べ罹患比率を下げることが出来ました。アトピー性皮膚炎の治療には全身療法として内服薬、注射薬があります。今回は外用薬に新たな機序の薬剤が使えるようになり取り組み方も変化してくると考えています。外用薬ではステロイドは欠かせない薬剤の一つですが長所短所があります。一時マスコミによるステロイド悪者報道で社会問題となったことがありますが医療界からの説明努力で大きな誤解は少なくなる方向にあります。ジファミラスト軟膏は皮膚において炎症を引き起こすホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害する外用薬です。この薬剤は軽症から中等症で実績を示してきました。ステロイドで改善してきた状態をこの薬に引き継いでいきステロイドの長期使用による副作用を防ぐことも可能になってきました。これからこの薬の使用法の幅は広がると思われます。(文責 楠野)

投稿者:KUSUat 22:51 | 日記

<< 2024/03トップページ2024/05 >>
▲このページのトップへ