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2017年5月23日

認知症対応力向上研修 (2)


認知症の実態と治療、予防 金沢大学神経内科 篠原もえ子先生 認知症の地域調査で重要なことは調査率、追跡率を高くすることです。脳健診に積極的に参加しない住民のなかに認知症や認知機能低下のある住民が多く含まれるからです。悉皆調査(全数調査)には健診の他自宅訪問、施設訪問を行うことが必要です。 緑茶摂取では将来の認知機能低下予防効果を実証できました。緑茶を週一回以上摂取する習慣のある高齢者で罹患リスクが低いことが分かったのです。 現在ポリフェノールであるロスマリン酸を含むレモンバーム抽出物の摂取でアルツハイマー病の抑制ができるかのプロジェクトを進めています。認知症の危険因子、防御因子を明らかにするには疫学研究は大切です。予防・先制医療の確立が望まれています。

投稿者:KUSUat 16:08 | 日記

2017年5月19日

認知症対応力向上研修


高齢者の不安不眠 金沢大学精神科 長澤達也先生 高齢者の不安障害は4〜5%といわれます。発症契機は身体疾患やケガが多く、口渇や動悸、めまい、尿・便へのこだわりが見受けられます。全般性不安障害が目立ちます。女性、経済状態の悪さ、うつ身体疾患の合併、社会的サポートの不足が危険因子と考えられます。治療として抗不安薬が頻用される傾向にありますが、それらの多くは薬物依存をきたす可能性が高く、使用期間、使用量に注意を払はなければなりません。不安の非薬物的対処が必要ですが病気について論争するのではなく苦しさに共感してあげることが基本です。論争を避け受動的に対応することが良いようです。基本は関心を他に向けさせることです。腹式呼吸は副交感神経を優位にします。マインドフルネス(気づき)瞑想は過去の記憶にこだわらず現時点の自分の体験に注意を向けて一つのことに集中する方法です。高齢者の不眠は睡眠時間が短くなり眠りが浅くなるという状況におこります。孤立不安、死別や退職による心理社会的ストレス、夜間頻尿、痛み痒みが悪化させます。6時間前後の睡眠時間で十分なのに寝足りないと考えたり、就寝時間が早すぎて眠くもないのに寝床で過ごし眠れないと思ったり、寝ても当然真夜中に眼が覚める ことを不眠と間違える方もあります。ベンゾジアゼピン(BZD)の睡眠薬や抗不安薬の使用で認知症の発症リスクが上がることを認識しておかなければなりません。対策として8時間睡眠を目指さない、就寝時間の早すぎ床上時間の長すぎの是正、若干の中途覚醒は受け入れる、生活リズムの改善、丁寧な薬物調整を行う等です。脳の処理する五感の情報の8割は視覚情報です。閉眼して脳の処理する情報量を先ず減らすことが大切です。高齢者ではBZDは漫然と使用しない。不安に使うならセデイール、不眠に使うならロゼレム、ベルソムラが薦められます。

投稿者:KUSUat 19:56 | お知らせ

2017年5月1日

薬の話(12)様々な薬効 2


抗てんかん薬のゾニサミド(エクセグラン)はパーキンソン病に効きます。特に振戦に対して効果があります。これは本態性振戦に対しても効果があるという報告もあります。おなじく抗てんかん薬のバルプロ酸(デパケン)は感情を安定させる作用があり双極性障害に使用されます。片頭痛にも効果があります。ただバルプロ酸は妊娠中にある量以上服用していると奇形の率が上がるという統計があったり、小児の知能発達に支障がでる率が高くなるとの報告があるので女性に使用する場合考慮が必要です。鎮痛薬のアスピリンは少量で抗血小板作用があり心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の予防に使われ、現在ではむしろそちらの方が主作用と考えられているくらいです。利尿剤は降圧薬(カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARB)に少量加えることで降圧効果をかなり高めます。再び抗うつ薬は下行性疼痛抑制系に働き腰痛や頭痛に効果があります。最近整形外科で処方されることが多くなってきました。マクロライド系の抗生物質は少量継続投与で免疫系を介して慢性の副鼻腔炎を改善し、びまん性汎細気管支炎を治します。西洋薬と概念を変えて漢方薬は効能は多岐にわたります。西洋薬と違い純化した物質でつくられたものではありません。様々な薬効がありますが未だ私の中で整理されておらず、どのようにとらえていくか思考中の状態です。

投稿者:KUSUat 08:37 | 日記

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