2015年12月17日
石川県てんかん医療研究会セミナー(3)
てんかんと妊娠アップデート
北東北てんかんセンター兼子 直先生
通常の妊娠でも奇形の発生は3%前後あるが抗てんかん薬(AED)によって増えることが知られている。AEDの種類が増えるほど、服薬量が増えるほど発生率は上昇する。
特にバルプロ酸(VPA)は高くなる。1000mg/dayをこえず、できれば600mg/day以下が望ましい。血中濃度の高いピークを避けるため服薬回数を増やし1回あたりの量を減らし、かつ徐放剤に切り替えたほうがよい。あらかじめ血中葉酸濃度を測定し低ければ補っておくのがよい。
授乳に際してはVPAは母乳には出ないがゾニサミドは代謝時間も長く母乳にも出ることを考慮しておく必要がある。
母親のVPA服用が子供の知能に影響があると言われるが1000mg/day以下、または血中濃度70μ/dlを越えなければ影響はないと言われる。