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2015年12月17日

石川県てんかん医療研究会セミナー(3)




てんかんと妊娠アップデート
北東北てんかんセンター兼子 直先生
通常の妊娠でも奇形の発生は3%前後あるが抗てんかん薬(AED)によって増えることが知られている。AEDの種類が増えるほど、服薬量が増えるほど発生率は上昇する。
特にバルプロ酸(VPA)は高くなる。1000mg/dayをこえず、できれば600mg/day以下が望ましい。血中濃度の高いピークを避けるため服薬回数を増やし1回あたりの量を減らし、かつ徐放剤に切り替えたほうがよい。あらかじめ血中葉酸濃度を測定し低ければ補っておくのがよい。
授乳に際してはVPAは母乳には出ないがゾニサミドは代謝時間も長く母乳にも出ることを考慮しておく必要がある。
母親のVPA服用が子供の知能に影響があると言われるが1000mg/day以下、または血中濃度70μ/dlを越えなければ影響はないと言われる。

投稿者:KUSUat 23:25 | 日記

2015年12月16日

石川県てんかん医療研究会セミナー(2)




症候学からみたてんかん発作
浅ノ川総合病院脳神経センター 廣瀬源二郎先生
てんかん発作は慢性・反復性に神経細胞におきる電気的律動異常により一過性の脳皮質機能障害がおきることである。繰り返す2回以上の非誘発性発作があれば、てんかんとすることができる。
脳全体の皮質障害の場合は全般てんかんといい、一部分の場合は部分てんかんという。
部分てんかんで脳全体に広がる場合は二次性全般化といって本来の全般てんかんと区別される。
部分てんかんは部位によって発作内容が異なるが、本来その部分が担う機能の異常変容としての発作になる。前頭葉てんかんでは心因性症状と誤診されやすく、複雑な自動症、攻撃的な性的自動症、複雑な発声・発語、常同性の発作が特徴となる。
側頭葉てんかんでは名状しがたい感情、既視感、心窩部不快感、聴覚視覚性幻覚、ゲップなどがある。
頭頂葉てんかんでは手・腕・顔の感覚異常、舌のムズムズ感・硬直・冷感、光視症や複雑な幻視、小視症、巨視症、感覚失語、伝導失語。
後頭葉てんかんでは一過性異常視覚、視覚の錯覚、眼球偏倚、頭部偏倚がある。
抗てんかん薬の使い方では全般てんかんではバルプロ酸、部分てんかんではカルバムアゼピン、イーケプラ、エクセグランなどである。

投稿者:KUSUat 18:40 | 日記

2015年12月13日

石川県てんかん医療研究会セミナー(1)




てんかんの画像診断
 都立神経病院 神経放射線科 柳下章先生
MRIで認められる特徴について
海馬硬化症では一側海馬の萎縮とT2強調像またはFLAIR画像でのでの高信号で確定できる。扁桃体病変(萎縮、腫大)でもてんかん発作の原因であることがある。
大脳皮質形成障害(CD:cortical dysplasia)、FCD(focal cortical dysplasia)孤発性皮質結節、片側巨脳症、髄膜血管腫症などが特徴的な画像を示す。

投稿者:KUSUat 14:45 | 日記

2015年12月9日

痺れの話 (3)




末梢神経障害のパターン
感覚の情報は受容器(センサー)で受けた刺激が神経興奮の信号となって末梢神経を伝わって脊髄に達します。
末梢神経は脊髄の後方にある後根神経節細胞から末梢に伸びた神経線維で構成されています。そのため手足の先端では細胞からの距離が長くなり代謝や栄養の点で条件が悪くなり障害をきたしやすくなります。
ビタミンB群欠乏や糖尿病の一部、免疫の異常によるものなどがあります。
左右対称で丁度手袋と靴下をはいた部分の障害になるので手袋靴下型感覚障害といわれます。
また末梢神経の一つまたは複数の神経が圧迫や血流障害で機能低下する場合はその神経の分布する領域において障害が出現します。

投稿者:KUSUat 23:10 | 日記

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