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2015年11月30日

南加賀地区漢方研究会講演 不定愁訴




金沢大学附属病院漢方医学科 小川恵子教授
心が体に及ぼす影響で身体的症状が出現することは稀なことではありません。ストレスはどこでもあります。物理的・化学的ストレス、生物学的ストレス(過運動、感染、睡眠不足)社会的・心理的ストレスなどです。身体に現れる症状は様々でよく問診しなければなりません。漢方は心身一如と捉えることが基本ですが、くわしく原因を聞かなくても処方できることができます。身体に現れている症状を問診・診察します。
不定愁訴に対しては柴胡剤が使われます。古法のものでは大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、四逆散、柴胡桂枝湯、柴桂枝乾姜湯があり柴胡と黄吟が必ずはいっています。このため使用に際し間質性肺炎の副作用の存在は意識しての使用になります。後世方は抑肝散加陳皮半夏、加味逍遥散、加味帰脾湯、補中益気湯があります。
以上の処方は患者のタイプや漢方的身体所見症状によって使い分けられることになります。
不安、イライラに柴胡加竜骨牡蛎湯を使ったり、不眠、不安、驚きやすい、決断力がない時は加味帰脾が奏功することがあります。

投稿者:KUSUat 20:07 | お知らせ

2015年11月19日

こむら返りの話




こむら返りはふくらはぎに起きる有痛性の筋収縮です。どのような仕組みでそれが起きるのかは諸説あって確定していません。ただ誘因に関しては経験上からも分かっています。
運動などでの多量の発汗や、熱中症での多量の発汗で電解質(ナトリウム、カリウム)が失われ補われないと起きやすくなります。また加齢に伴い久しぶりの仕事や運動をした後に起こることがあります。カルシウム(妊娠)カリウム(下痢、利尿剤)ビタミンB1(食事)の不足が引き起こすこともあります。
予防法は不足物の補給、マッサージや休養などです。治療薬は西洋薬ではダントロレンがありますが、これは悪性症候群の特効薬でもあり肝機能障害の副作用にも注意が必要でありヘビーな感じがします。
芍薬甘草湯は即効性があり数分で効果を発現します。また6時間程度の効果持続があるので夜間や朝方に出現するときは眠前服用が適当です。さらに骨格筋だけではなく内臓(腸管、尿管)の平滑筋にも効果があるので渋り腹、尿管結石、胆管結石にも使うことができます.

投稿者:KUSUat 11:14 | 日記

2015年11月3日

痺れの話 (2)




感覚とは身体中から様々なセンサーを通じて脳に上がって来る自身や外界の情報の総称のことである。
自分自身の体を認識するための感覚を体性感覚といい表在感覚、深部・固有感覚、皮質感覚がある。また内臓からの情報は内臓感覚と呼ばれるが意識されることは少ない。その外、特殊な感覚として視覚、聴覚、平衡覚と味覚、嗅覚がある。
最も基本的な体性感覚は表在感覚と深部固有感覚で、前者には痛覚、温度覚、触覚があり後者では振動覚、関節位置覚、深部圧痛覚がある。
温痛覚が伝わる末梢神経線維は細く伝達速度は遅い。一方固有感覚、触覚を伝える神経線維は太く速度は速い。これらの神経は脊髄に入るまでは併走するが脊髄では別のルートをとり脳にいたる。このため感覚障害の体表でのパターンで障害部位や障害の広がり性質を類推することができる。

投稿者:KUSUat 16:29 | 日記

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