2015年12月16日
石川県てんかん医療研究会セミナー(2)
症候学からみたてんかん発作
浅ノ川総合病院脳神経センター 廣瀬源二郎先生
てんかん発作は慢性・反復性に神経細胞におきる電気的律動異常により一過性の脳皮質機能障害がおきることである。繰り返す2回以上の非誘発性発作があれば、てんかんとすることができる。
脳全体の皮質障害の場合は全般てんかんといい、一部分の場合は部分てんかんという。
部分てんかんで脳全体に広がる場合は二次性全般化といって本来の全般てんかんと区別される。
部分てんかんは部位によって発作内容が異なるが、本来その部分が担う機能の異常変容としての発作になる。前頭葉てんかんでは心因性症状と誤診されやすく、複雑な自動症、攻撃的な性的自動症、複雑な発声・発語、常同性の発作が特徴となる。
側頭葉てんかんでは名状しがたい感情、既視感、心窩部不快感、聴覚視覚性幻覚、ゲップなどがある。
頭頂葉てんかんでは手・腕・顔の感覚異常、舌のムズムズ感・硬直・冷感、光視症や複雑な幻視、小視症、巨視症、感覚失語、伝導失語。
後頭葉てんかんでは一過性異常視覚、視覚の錯覚、眼球偏倚、頭部偏倚がある。
抗てんかん薬の使い方では全般てんかんではバルプロ酸、部分てんかんではカルバムアゼピン、イーケプラ、エクセグランなどである。
投稿者:KUSUat 18:40| 日記